疾走する「エンタメ」萌え・パート1
トレインビースト
西野花　織田涼歌 　白泉社
痴漢モノではなく、痴漢行為をしたい人たちがされたい人を相手に痴漢する、いわば疑似痴漢乱交パーティをネタにしている話です。こんな企画実際無理でしょ！というツッコミはさておき、ずっとガチガチに押さえつけられていた主人公・忍の心が、こうした強引なプレイによって解放されていくという構図が、意外にも分かりやすく書かれていました。本当の自分をさらけ出す事が出来る相手に出会いたいと願うのは、恋愛では珍しくない感情だと思います。忍の場合は極端ですが、そこがベースになっているから受け入れやすい。勢いがあり、読んでいてワクワクが止まりませんでした。
まさに萌えのためにあるミラクルトレイン！

疾走する「エンタメ」萌え・パート2
双思双愛の夏休み
藍生有　鵺 　白泉社
毎回異なる双子を主人公にしているこのシリーズでは初の、双子と双子の話です。
とにかくもう1度エッチが始まったら延々とやっています、この4人！そんな中、双子同士の気持ちの通じ合う様子が分かりやすくあぶり出されていて、スワッピングが効果的に使われています。「恥ずかしいことは気持ちいいんだ」というセリフが私の萌え心を沸き立たせました。基本ですがとても大切なポイントですね！そして、BLでは酷い性格でも最後には優しい攻になってしまう場合が多いのですが、攻が最後までドSなスタンスを崩さないという部分もよかったです。
双子×双子の可能性は無限大…！！！

「読ませる」萌え・パート1
禁縛
剛しいら　嵩梨尚 　プラチナ文庫
歌舞伎役者が緊縛の世界に足を踏み入れ、自分を見つめる話です。
緊縛を始めとしたSMが話の中心になっている場合、どうしてもSM考や精神論に繋がっていくので、内へ内へと入っていく作品が多い。自分がどうして縛られたいのか、縛りたいのか、それを理解するために自分と向き合い、相手を見つめる過程が軸になってくるため、その結果、冗長になりがちで、着地点が難しいと思います。その点、この作品は全体的にはシリアス寄りで、内面にも踏み込んでいるけれど、読後感は意外に軽い（明るい）のが印象的でした。それぞれの過去はともかく、ふたりの関係はジメジメしていません。才能や仕事に対するプライドがうまく働いて、全体的には外に向かっている。緊縛モノの面白さを残しつつ、読みやすい作品です。

「読ませる」萌え・パート2
危うい秘め事
いとう由貴　端緑子 　幻冬舎コミックス
「乱交」をテーマにしたシリーズの2作目（それぞれ独立しています）。スッキリした読後感ではないので読む人を選ぶとは思いますが、「乱交」ネタを楽しむ作品だと思えば美味しくて萌える1冊！「乱交」を普通の恋愛に絡ませるのは難しいと思うので、一般的なハッピーエンドよりも、この展開の方が理解できます。中途半端よりもいっそ清々しい。

「執着」萌え！
ふたご 緋牡丹と白百合
丸木文華　丸木文華 　イースト・プレス
明治時代の日本を舞台にした双子の話です。兄・永之助の度を超した執着は予想の範囲内でしたが、大人しくて儚げな弟・直次郎がまさかの大化けで、益々濃厚な味に仕上がっていました。
何と言っても、話の持って行き方が巧い。粘度の高い近親相姦というネタと作中で繰り広げられる猟奇殺人事件の内容がとても合っていたし、それによって永之助の心情に説得力があります。大人しく見えた直次郎の中の眠っていた激しさを表現する上でも効果的に使われていて、全体がとてもまとまっていました。エロも濃厚で背徳感たっぷりです！

「愛に溢れる」萌え
僕はすべてを知っている 2
高久尚子 　徳間書店
待ちに待った美チン本第二弾！！包茎整形専門クリニックの医師が、街で絶世の美チンの持ち主に一目惚れ。2巻では恋人同士になった後、美チンを巡って繰り広げられるエピソードが収録されています。
「チ○コほど正直で、複雑怪奇な器官はない」というセリフに思わず吹きだしました（笑）BLを読んでいるとそんなチ○コへの愛情がふつふつとわいてくることがありますが、この作品はもう全編通してチ○コへの愛に溢れている！どんなに格好つけた男でも、チ○コは元気いっぱい、正直に反応している姿を見ると微笑ましい気持ちになります。愛おしさでいっぱいになる1冊でした（笑）何と言っても、高久先生が楽しんで描いていらっしゃる事が伝わってくるので、読んでいてとてもワクワクさせられます。
作家さんのチ○コへの愛情が、作品の面白さに繋がっているのでしょうね。続編が楽しみで仕方ありません！