ケンカしつつも、相棒を経て恋人へ！
大学生の干潟十海(ひがたとうみ)は、部員一人だけの登山部。新入部員の勧誘に失敗続きで、廃部寸前です。そこに、イケメンが入部届を持って登場！ なんと彼は、音信不通になっていた幼なじみのハルで……。12月25日発売、ペリリコ先生の初コミックス『山恋バディ！』。喜んだのもつかの間、ハルはなぜか、十海を強引に!? 登山を通して、ワケあり同士の距離が縮まる様子に、心躍ること請け合いです!! それでは「801 AUTHORS 108」第1138回、ペリリコ先生どうぞ！
Q. 作品紹介をお願いします！干潟十海(受)とその幼なじみである黒木正晴(通称ハル・攻)が大学の登山部で再会し、登山を通してお互いのコンプレックスを乗り越え愛情とパートナーシップを育んでいく、王道の部活ものハイテンションラブコメです。
元々登山が趣味なので、自分の興味あることだったら最後まで楽しく描けるんじゃないかなと思ってこのテーマにしました。
Q. メインカップルはどんな攻×受ですか？受の干潟十海はちょっとおバカな熱血系男子で、背が低くて名前も海っぽい(断然山派)のが表面的なコンプレックスなんですが、実はもう一つ内面的なコンプレックスを抱えています。
攻の黒木正晴はタラシでちょっと変態チックなイケメンなんですが、こちらもコンプレックスを抱えていまして…十海を俺のモノにすると言って強引に手籠めにしようとするので一見俺様な執着系でもあるんですが、あるきっかけで十海を大切にする気持ちが芽生えてからはちょっと雰囲気がやわらかくなってます。二人の関係性の変化にも注目していただけると嬉しいです。
Q. 当て馬や重要な脇役は？十海の登山部の先輩でOBの小鳥遊先輩(通称タカ先輩)が4話に出てきて二人の間をかき乱してくれます。タカ先輩みたいな破天荒な山男が好きなので、十海のあこがれの存在として登場させました。十海がタカ先輩に懐くもんだからハルはそれがおもしろくないんですよね。
あと総務委員会の斎藤さんですね。実は陰で登山部が廃部にならないよう手をまわしてくれてたりするんですけど、残念ながらその辺は本編では描き切れなかったです。
Q. 今作のこだわりポイントはどのあたりでしょう？十海とハルのいる世界にリアリティを持たせたかったので、母校に行って部室棟を撮らせてもらったり、実際に山に登りに行ったり、背景をこだわりました。
あとは登山道具もですね。このキャラはこのブランドが似合いそうだなと想像しながらそれぞれの持ち物を決めていく過程はすごく楽しかったです。ただそれぞれ登山道具のディテールが細かいので、トーン抜けや描き忘れが多くて毎回リテイクくらってましたね。
Q. 苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください！ハルが十海に会いに来た理由についての説得力をどう持たせたらいいのかという点には大いに悩みました。ただ「好きだから」という気持ちにも厚みが欲しくて、二人の少年時代の記憶を織り交ぜながらストーリーを展開していきました。子供の頃の考え方と大人になったときの考え方って色んな経験を経て変化していくんじゃないかなと思うので、思い込みとかこじつけみたいな考えで「好き」って答えをだすのもそれはそれで有りなんじゃないのかな～とか、自分を説得するのに必死でしたね。でも十海の精一杯生きてる姿はハルにとって自分の理想とする姿をあらわす鏡でもあったので、好きという感情以上のものはきっとあるだろうなと。そこがブレてたらもっと迷走してたかもしれません。
楽しかった点は十海がドジやらかすシーンを描くことです。その部分を読み返すと、描いた本人なのになぜかふふっと笑えてくるんですよね。
Q. 今作にまつわる裏話ってありますか？実は斎藤さんの兄が登山部のOBでタカ先輩と同期という裏設定があるんですけど…これ担当さんにすら言ってないです。
斎藤さんの兄とタカ先輩はBLな関係ではなくて、ちょっと切ない内容なのですが、これは本編で出す隙もなかったのでいつか小話を描けたらいいな～とぼんやり考えてます。
Q. 執筆中の、思い出に残る日常エピソードをご披露願います！連載中熊本地震に見舞われたことですね。幸い揺れにくい地域に住んでいたので家は無事だったんですが、部屋の中の物がめちゃくちゃになって、パソコンの本体が横たわってるのを見たときはさすがに「終わったな」って思いました。でも奇跡的にパソコンのデータも液タブも無事だったんです。最近のパソコンって頑丈なんだなって感心してしまいました。その後は余震でガタガタ震える液タブを押えつけながら(時折余震に悪態つきながら)どうにか原稿を仕上げて配信に間に合ったんですが、精神的にも体力的にもヘトヘトになりましたね。
Q. 今、何かハマっていることは？今はアイドル育成系の音楽アプリにハマっています。次から次に新しいものが出てくるので、気になったものはがんがんインストールしてます。ただ飽きっぽいのでその中で日頃やるのは2つくらいなんですよね。仕事の合間の良い気分転換になってます。
Q. BL作家になったきっかけを聞かせてください！二次創作のイベント会場で今の担当さんにお声をかけていただきました。その頃一般向けではありますが、オリジナル作品のプロットを考えていたので、いい機会かもと思ってその場で了承しました。元々商業BLを多く読む方ではなかったので、実際オリジナルBLを描き始めるとこれは無理にBL展開にしなくてもいいのでは…？ というストーリーばかり浮かんでしまって、BLとはなんぞやとぐるぐる考え込んだ時期もありました。その都度担当さんが方向修正してくださったので、なんとか最後まで描き切ることができました。なので担当さんと二人三脚で作品を仕上げていった事はとても心強かったです。
Q. 発売に関して今のお気持ちはいかがでしょう？コミックス作業中に直接やりとりしたのは担当さん一人だけだったのですが、他にもデザインや印刷、販促など、このコミックスを出す際に関わって下さった方一人ひとりにお礼を申したいくらい深く感謝しています。
「漫画家になりたい」という私の小学生からの夢を叶える手助けをしてくださったので、本当に感謝しかないです。
Q. ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ！なんだかネタバレ多めになってしまったのですが、『山恋バディ！』を読んだ後にもう一度インタビューに目を通して頂けるとより深く楽しめると思いますので、コミックスを手にした後また来ていただけると嬉しいです。
最後に、この本を読んで私も登山してみたい！ って思った方、くれぐれも山をなめないでくださいね。(担当さんは初心で登って足の爪が死にました)
まずはハイキング気分で登れる山から挑戦してみてください。山頂で食べるご飯は美味しいですよ。
ここまでお読みいただきありがとうございました！
担当編集よりペリリコ先生の初コミックス『山恋バディ！』が12月25日創刊のリキューレコミックスより発売されます。
廃部寸前の登山部の部長である十海は、部の存続をかけてあの手この手で部員を勧誘。
ところが結果は惨敗！ あわやこのまま廃部か……というところで登場した救世主のハルは、なにやらワケありのイケメンで!?
ふたりきりの部活動で、十海とハルがケンカをしながらも、相棒を経て晴れて恋人同士に昇格するまでの紆余曲折を描いた本作は、恋と部活と青春が詰まった新感覚なラブコメテイストのお話となっています。
ラブコメベースですが、切なくなったりキュンとするシーンも盛りだくさん♥
登山とBL？ となった方もどうぞご安心を。
少年漫画っぽくもあり少女漫画っぽくもある、とっても王道なBL漫画になっています！
くるくる変わる表情が魅力的なおバカキャラの十海と、クールだけどちょっと変態でものすご～く一途なハル。
正反対だけれど、どこか似たもの同士のふたりの、クスッと笑える掛け合いからラブラブエッチまで、是非あますところなくお楽しみください!!
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(C)ペリリコ/オーバーラップ
