碧本さり先生インタビュー

俺の恋人はおまえだ、付き合ってる…


雨宮は医師。高校時代からの親友でサッカー選手である、梶との約束を守って整形外科医になりました。しかし、久々に再会した梶は、怪我の影響で選手生命の危機！ さらに、事故で高校卒業後の記憶を失ってしまい……。3月17日発売、碧本さり先生の新刊コミックス『ミスター・フィクション』。梶に密かに片想いしていた雨宮は、記憶のない彼に「俺の恋人はおまえだ」と嘘をつくのですが!? それでは「801 AUTHORS 108」第1211回、碧本さり先生どうぞ！

Q. 作品紹介をお願いします！
嘘から始まる恋のおはなしです。高校の同級生同士の二人なので再会ものでもあります。

彼らと彼らに関わる人たちも絡んだ現在と断片的な過去のエピソードを行き来しながら展開して進んでいくストーリーです。



連載中Qpaさん掲載時は話数によってシリアスカテゴリーとエロカテゴリーに割り振っていれていただいてたので、全体的にシリアス＋エロな傾向だと思います。
エロに関しても性癖全開で自分好みに描きました。


Q. メインカップルはどんな攻×受ですか？
片想いを拗らせた不器用なドクター×崖っぷちサッカー選手
高校の同級生かつ学生寮で3年間ルームメイトだった関係の二人が久々に再会したのを機にストーリーが進みます。


高校時代から梶へ想いを寄せている雨宮は梶と交わした約束を守り整形外科医になりますが、久々の再会時にとある事故にあって高校卒業後の記憶を失ってしまった梶を前にこの状況を利用して「俺の恋人はおまえだ」と嘘を告げます。

そんな梶の現状は、何度も故障を繰り返していた右膝の怪我の影響で選手生命の危機に陥り虚無感に苛まれています。


更に結婚歴があり現在バツイチでもある公私ともに生傷が絶えない男です。
ストーリーが進むごとに増していく雨宮の過保護感や執着、独占欲、梶の庇護欲や嗜虐心を煽る感じ、互いに依存度の高い関係性などがお好みの方々には何かしらツボに入れば幸いです。

私はそういった二人の世界が何人たりとも不可侵領域的なサンクチュアリ感というか……

ハタから見ると常軌を逸し気味な閉ざしちゃってる男二人の空気や色気に性壁があります。


Q. 当て馬や重要な脇役は？
雨宮の医大生時代の同期兼元彼・現在は心療内科医の佐伯です。

雨宮と佐伯の関係性はまたこれも自分の性癖の一つで、現在は既に別れていて最終的には結ばれなかった事実があることが大事です。

ちなみに雨宮のことを私はよくハイブリッド男子と呼んでいます。

作中で佐伯は雨宮にも梶にもストーリーにも絡んできて、色んな意味でボカさず直接的に描写しています。

「むしろがっつり描こう！ 読みたい！」と、背中をガン押ししてくださった担当さんにも感謝です。

Q. 今作のこだわりポイントはどのあたりでしょう？
今までも仕事中にPCメガネをかけていたり、たまにコンタクトじゃない時にメガネをかけるキャラは別作品で描きましたが、今作では初めてメインキャラの雨宮が日常的にメガネをかけています！


ちなみに私はセックスの際はメガネをつけたままいたすのも、途中で外すしぐさも、行為直前に始める合図的にとるのも3パターンそれぞれ好きです。
これからもメガネ精進します。

Q. 苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください！
“苦労”って言うと大袈裟ですが多少しんどさがあったと思い返すなら下絵作画でしょうか……

私はいつもネームまでは攻め気に勢い良い感じに描くんですが、ネーム通っていざ下絵作画に入ると弱気になりがちです。

やばいこれほんとちゃんと真面目に描けるかな……と、毎度懲りずにその展開を通ります。

てかもう誰だよこんなアングルのコマでネーム描いたやつちょっと表出ろよって気分にもなります。
自分で描いておきながら……
ペン入れに入るとゴールが見えてくる感が湧いてきてまたテンション持ち直します。

キャラもストーリーも性癖も全開で自由にのびのび縛りなく描かせていただけて、楽しくお仕事させていただいています。



Q. 執筆中の、思い出に残る日常エピソードをご披露願います！
コミックスのカバー下描き下ろし漫画としても描いたネタなのですが、本編4話のネーム作業が難航していたため編集部に2日間お邪魔して描き進めた思い出があります……！
実際の原稿はフルデジタルで作画しますが、ネームはアナログで紙に直接描きますので普段は主に自宅で描いて、出来上がったら担当さんにメールで送り電話越し打ち合わせをします。
この時は完成後すぐに目の前で顔合わせてチェックしていただくという臨場感に緊張しました……が、とても貴重な体験ができましたし自分比で早く描けました。

Q. 発売に関して今のお気持ちはいかがでしょう？
別の連載作品と平行で執筆していたので約1年かけて描いてこうしてようやく1冊にまとまり形になって感慨深いです。

コミックス装丁も個人的に好きなデザイナー様にお願い出来たので嬉しかったです。早く実物を手にとってみたいです。楽しみに尽きます。

Q. ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ！
はじめまして碧本さりです。いつも他の作家さんたちの801 AOUTHORS 108を楽しく読ませていただいてて、私もやってみたかったから今回初めて機会をいただけてとても嬉しいです。
竹書房Qpaさんからは初コミックスになります新刊『ミスター・フィクション』楽しんでいただけると幸いです。どうぞよろしくお願いします。


担当編集より
碧本さり先生のQpa初コミックスは同級生再会モノのお話です！
サッカー選手である親友・梶との約束を守り整形外科医になった雨宮。
久々に会った梶は、怪我のせいで選手生命が終わるかもしれない崖っぷち状態で、しかも高校卒業後の記憶を失ってしまう…というところからお話が始まります。


記憶を失ってしまった梶に対して、以前から梶に密かに想いを寄せていた雨宮が、大胆にも梶と自分が恋人だと嘘をついて自分の家に囲い込んでしまい、ふたりの関係が友人から、偽りの恋人になるのですが、それだけでは終わりません。
雨宮の元彼の医師・佐伯が梶の様子を見ている際に「恋人だ」と嘘をついていることに気づき、雨宮を脅して関係を迫ってくるようになるという目が離せない展開に！
この三つ巴、どう決着がつくのかを見届けていただければと思います。

梶が雨宮の嘘によって、身体を拓かれていく様にはにやにやしてしまいます。
また、メインだけではなく脇のキャラたちも個性豊かなので、テンポよくお話が進み、ドラマを見ているかのような作品に仕上がっています。
片想いを拗らせた不器用なドクター×崖っぷちサッカー選手の嘘から始まる、恋、
是非お楽しみいただけると嬉しいです！


コミックス『ミスター・フィクション』

特典情報
アニメイト：描き下ろしリーフレット
とらのあな：描き下ろし両面イラストカード
コミコミスタジオ：描き下ろしリーフレット
ホーリンラブブックス：描き下ろしリーフレット
有隣堂：描き下ろしペーパー
アニメガ：描き下ろしペーパー
全国特約書店共通：描き下ろしペーパー
特典一覧は竹書房サイトの特設ページをご参照ください！

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(C)碧本さり/竹書房