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 松尾マアタ先生 インタビュー

2011/01/01 12:00

『嘘つきは紳士のはじまり』、表紙を見てヤられました。内容を読んでまたノックアウト。不器用な2人のあいまいな距離感がたまらなくセクシーでスタイリッシュ!
恋って、両思いでもせつないものなのです。
BLだけどエロくなくていい、こういう話が読みたかった!と感激しました。乙女の憧れる男同士の素敵な関係。BLなんてワクは取っ払って、純粋に面白い漫画として多くの方におすすめしたいです。
インタビュア  ホーリンラブブックスmakimaki

Q.ペンネームの由来とデビューのきっかけを教えてください。

A:名字は好きな劇作家さんから拝借しました。名前の方は、昔とある外国人の方が私の名字(本名)をそう呼んだので。ちょっと発音が難しかったようです。

デビューは、担当さんが当時既にプロデビューをしていた友人のサイトのリンクを見て、声をかけて下さったのがきっかけです。その後、同人誌を送って見ていただいたり、お試しカラーイラスト描いたりと担当さんのテストを受けました。で、その時描いたカラーイラストのキャラが『嘘つきは紳士のはじまり』の二人の原型だったりします。

Q.『嘘つきは紳士のはじまり』は、足掛け4年がかりの単行本だそうですが、単行本が出ると決まった時にはどんなお気持ちでしたか?

A:『(漫画描くのを)やめなくてよかった!!』という気持ちでしょうか。途中で何度かくじけそうになったこともあったので努力が報われた思いです。

Q.『嘘つき~』はアメリカが舞台ですが、キャラクターの身のこなしや洒脱な会話のセンスなど、雰囲気はヨーロッパ映画のようです。小説や映画など、お好きな世界観(作品)はおありですか?

A:小説は時間が無くてあまり読まないのですが、代わりに“およそ2時間で話が終わる”映画はよく観ます。国・ジャンルは問わず、ハリウッド大作系から単館系まで何でも観ます。好きなのは……どこか遠いところに旅に行ったような気にさせてくれるような物でしょうか。

ちなみにお察しの通り(?)私はどちらかというとヨーロッパ志向で、近年までアメリカという国にはあんまり興味が無かったんです。が、ある時を境にそれまで持っていた『軽薄そう!』みたいなステロタイプな偏見を取り払って、ちゃんとアメリカの文化や歴史的背景みたいなものに向き合ってみたんです。そうすると非常に奥が深くて面白くて、俄然興味を持ちはじめました。そもそも映画なんて、なんだかんだでアメリカ映画を一番多く見てますしね。
そんな流れで折衷案的に『嘘つき~』はアメリカの中でも、もともと好きなヨーロッパの香りが残る北東部ニューイングランド地方を舞台にしました。いずれにせよ西洋かぶれには違いないですね(笑)。

Q.ハスキンス教授とジョナサンがくやしいほどに魅力的で愛しいのですが、モデルはいらっしゃいますか?

A:ルックス的には何となく存在します。が、1人ではなくてそれぞれ2~3人の人物がミックスされてます。

Q.松尾先生の絵は、正面向きはシャープなのですが、肌の質感がきめ細やかで横顔が妙にキュートで色っぽい。そしてまなざしがエロい。そこがたまらんです。
表情の作画の際にこだわっていらっしゃるポイントなどはあおりでしょうか?


A:ありがとうございます。横顔を描くのは大好きです。一時期スケッチブックに横顔ばっかり描いてた時もありました。
こだわっているのは……うーん、どこだろう、眼窩のへこみ具合かな。あそこをイイ感じに描けると快感です(笑)。あとは……睫毛、ですね!

Q.ご自身が萌えるシチュエーションは? 『嘘つき~』も心交社『moca』の『明日の窓を開けて』も先生×生徒だったのでもしやお好きかと……。もしくは黒髪受けにこだわりは?(HLBには、黒髪受けが大好物のスタッフがおりますゆえ、黒髪ラブコメントなどがいただけたら、彼女が泣いて喜びます)

A:萌えるシチュエーションは……なんだろう……実はまだ自分のツボというものをハッキリ言語化出来てないんです。なにか法則があるはずなんですけど(汗)。
今思いつくのは……反目しあう二人が徐々にお互いを補い、理解していくカンジ……かな。抽象的でスミマセン。ズボラ×神経質とか、性格が対照的な二人というのが好きです。
先生×生徒が多いのは……言われるまで自覚ありませんでした(笑)。頭の良さそうな人に憧れがあるのでいつのまにかそうなってしまうのかもしれません(ただ描いてる人間の知的レベルがそこそこなのでボロ隠しが大変です)。
黒髪に関しては……受け攻め関係なくどちらでも好きです(すすすすすみませんッ)。髪の色はいつも直感で決めていますが、黒髪キャラは凛として芯の通ったタイプに多いと思います(←あぁ、でも確かにそういうタイプは受けの方が萌えますね!)。

Q.漫画を描く上で好きな作業、苦手な作業はなんですか? ネーム考えてる時が一番幸せ、とか、スーツ(本当に美しい!)描いてる時が一番むふふ、とか。あればぜひ教えてください。

A:苦手というか……最も苦しく、そして最も楽しいのがやっぱりネーム作業ですね。一番気合いが必要で、これが終われば気持ち的には完成したも同然です。
いっぱいセリフや小ネタが降りてくると楽しくてたまらないんですが、それを全部入れる訳にいかない場合が多いので、そこを客観的に判断してそぎ落としていく作業が大変です。セリフ・構成・コマ割すべてをパズルのように足したり引いたり脳味噌をフル稼働させるので、この時点で既にヘトヘトになってます。

単純に好きなのは下描きです。カタチになってきたのが目に見えるので。ここで完成だといいのになァといつも思います。中でも身体を描くのが(スーツも含めて)楽しいですね。キマッた時はしばらく眺めてしまいます(笑)。服装や背景は本当はもっともっと描き込みたいのですが、大体において時間が押してしまっているので(汗)、いつも適当なところで終わらせているのが残念です。
ちなみに嫌いなのは消しゴムかけとスキャニング(ペン入れまでアナログで後はデジタルなのです)。単純作業は苦手かも……。

Q. ハスキンス教授の額は、どこまでいっちゃうのでしょう? ハゲても十分魅力的かとは思います。先生のお好みは短髪ともじゃもじゃ(長髪キャラが多いですよね?)とどちらでしょう?

A:想定外の質問に大笑いさせてもらいました(笑)。いつか描きたいと思ってるのが、作中のモノローグに登場した『ハスキンス教授のお祖父さんの銅像』なんですが……これはツルッパゲにする予定です。遺伝……してないといいなぁー!
今一番気に入っているのはジョナサンのヘアスタイルなので、やっぱり長髪が好きなのかな? ちょっとラフな、伸びかけのようなところが気に入っています。でも何気に坊主頭とかも好きなんですよね。過去に一度スキンヘッドの攻を描こうとしたら担当さんに泣いて止められたことがあります(笑)。

Q.これから描いてみたいストーリーやシチュエーションを教えてください。

A:憎み合いながらも愛さずにはいられない!!……的な暗くドロドロとした話(笑)。あとは逆にドライでハードボイルドな雰囲気のバディ物とかも描いてみたいですね。

Q『嘘つきは紳士のはじまり』は続きと~っても楽しみな作品です。4年後とかはやめて…。早く早く読みたいので、めちゃ応援しております!

A:嬉しいコメントありがとうございます(感涙)!!! めちゃ頑張ります!!! ………私もさすがに4年後は勘弁したいです~~~(笑)。

Q ちなみに、挿絵をお描きになっていた『アナタの見ている向こう側』では、最後の絡みシーンのイラストより、ちらりと流し眼で見ている何でもないシーンの方が俄然やらしい! このまなざしの色気は、タイプは全く違うけど門地かおりさん的破壊力がありますね。

A:単行本以外の物も細かくチェックして下さって(&門地先生と並べて 語っていただけて)ありがとうございます! 私はあまり目は描き込まないタイプだと思いますが、 視線自体にはかなり気を配っているのでそう感じていただけると本望です。

Q.最後に、ちるちる読者にコメントをおねがいいたします!

A:『嘘つき~』の主人公が二人ともあまりホメられた人物じゃないこともあり(笑)、一体どんな評価を受けるのか不安でしたが、こうして暖かく迎えていただけて本当に嬉しいです。読んで下さった皆さん、さらにコメントまで下さった皆さん、本当にありがとうございます。
まだまだ手探りで描いている状態ですが、私なりの『愛』(大きく出てみましたよ)を追求した作品を描いていくつもりですので、これからもどうぞよろしくお願いいたします!



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