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 佐田三季先生 インタビュー

2011/06/21 12:00

これはBLか!? 2010年6月のデビュー作『つみびとの花』で、ちるちる読者に衝撃を与えた佐田三季先生。BLアワード2010では、新人ながら小説部門16位と多くの支持を集めました。デビューから約1年、作品に込められた思いや、先生の好みなどうかがいました。

Q. ペンネームの由来、込めた思いなど教えてください。

A:鬼籍に入った祖母ふたりから、名前を借りました。困ったときに助けてくれそうなのは、やはり祖母たちだと思いまして。
サダミキと読みますが、PCはそれだと変換してくれないので、サダサンキで打っています。最近、サダサンキなのかも、と思うようになってきました……。
 
Q. デビュー作『つみびとの花』は、内容の深さに多くの読者が驚きました。ちるちるでは「神」評価続出で、2010年度を振り返るBLアワード2010では小説部門16位。驚きの反面、高評価だったことを表す順位だと思います。振り返って、いかがでしょう?

A:過分の評価をいただき、こちらのほうが驚きでした。話は暗いですし、登場人物は地味ですし、受けいれてもらえるとは思っておりませんでした。評価をいただけたのは、ブログ時代から引き続き応援してくださった方々、本を気に入ってくださった方々、上田規代先生のすてきな挿絵のおかげだと思っております。
 
Q. 多くの登場人物の業が絡み合う『つみびとの花』、サイコホラー的な『あの日、校舎の階段で』、ミステリー要素豊富な『クライ、くらい夜の終わりに』と、それぞれ特徴的だと思いました。でも、根っこの部分ではつながっている気がします。そんな、佐田先生の創作のルーツと言っていいんでしょうか、そのあたり、教えてください。

A:ルーツ……、いままで育ってきた環境が作品の土壌だと思っております。傷つけられたことや、逆にやさしくしてもらったこととか、感じたものぜんぶで書くのだと思います。きっとすべての書(描)く方々もそうだと思うのですが。
 
Q. 前の質問に関連しまして、3作とも作品全体のトーンはシリアスですが、内容の端々には明るさ、温かさも感じられます。そのあたりに関する佐田先生の考えを聞かせてください。

A:私はどちらかといえば根暗な人間ですが、ずっと暗いことばかり考えているわけでもなく、テレビでお笑いを見れば笑いますし、スットコドッコイなことを考えてうっかり往来でもにやにやしてしまいます。
だれもずっと暗い、ずっとシリアスなだけというひとはいないんじゃないか、登場人物たちも同じようにおかしみや笑いといった、彩り豊かなものをもっているかなあ、と思いまして。
 
Q. また、作品から自由へ叫び、訴え、引かれるもの同士が愛し合って悪いか? どうなのか!? いやいいはずだ……みたいな葛藤や揺れを感じました。こういった解釈、いかがでしょうか。

A:「ありのままでなにが悪いか」というのを、主人公たちに乗せております。現実では生きづらいことばかりなので、話のなかくらい理想を書いてもいいかなあ、と。
 
Q. デビュー前はブログで作品を発表されていました。デビュー後、執筆環境で大きく変わった部分、またここはあまり変わらないな~、という部分はなんでしょう?

A:ブログのころは、毎日深夜十二時に記事をUPしておりました。今日も続きを読んでもらえるだろうか? という、連日の綱渡りのようなドキドキ感やライブ感がありました。いまはそれがなくなって、なんだかぼんやりさみしい気持ちがします。
デビュー後は担当さんを得られたことと、それからプロットをつくらねばならないということでしょうか。……プロットをつくるのは、とても苦手です……。ほかはとくに変わりはないと思います。
 
Q. 先生は東京生まれで、『あの日、校舎の階段で』には都内の描写が多くありますが、日本でいちばん好きな場所はどこでしょう? その理由もお願いします。

A:やはり、生まれ育った足立区です。いま住んでいるのは、緑も美しい盛岡ですが、足立区に帰るとものすごくほっとします。地元はごちゃごちゃしており、目にも耳にもうるさいのですが。
 
Q. 小説に限らず、好きな作家さんや作品、映画など教えてください。

A:好きな小説、詩歌、漫画に絵画、音楽はいっぱいありまして……。一番好きな作家、アーティストを挙げようと思ったのですが、一番を選べませんでした。すみませんが、省略させてください。
映画ですと、パトリス・ルコント監督の作品がとても好きです。『親密すぎるうちあけ話』のラストシーン、ネタバレになってしまいますので内容は省きますが、あんな感じを文章で表すことができたらいいなあ、と思っております。 
 
Q. では、BLだと好みはどんなカップリング、シチュエーションですか?

A:同級生再会ものが大好物です!
 
Q. 先生は、ご自分の経験を作品に織り込んでらっしゃいますね。もしかしたら将来の作品に反映されるかもしれない、最近の印象的な出来事を教えてください。

A:東日本大震災です。平穏な日常は薄氷の上にあると思い知らされたあの日、私も多くの方と同じく、ものの見方が変わりました。きっとたぶん書くものにも反映されていくと思います。 
 
Q. 個人的に将来が気になるのが、『あの日、校舎の階段で』の登場人物、アナウンサーの及川です。彼、今の局に骨をうずめるんでしょうか? それともフリーになって大ブレイクとか?

A:及川はたぶん、いまの局でずっと働くことでしょう。ただ、ちょっと地方局におネエっぽいのがいるとキー局で話題になるかもですが。やっと得た職なので、自分の居場所として大事にしていくと思います。 
 
Q. 最後に、ちるちるユーザーのみなさんにひとことお願いします!

A:まだまだ拙く未熟です。精進いたしますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
このコーナーに取り上げていただき、とてもうれしかったです。どうもありがとうございました。

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