華藤えれな先生インタビュー

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華藤えれな先生インタビュー  「一曲につき、一回のエロ」とは!?小説『飼育の小部屋~監禁チェリスト~』

2014/03/04 19:02

天才ピアニストの従弟を事故で傷つけてしまった受!贖罪の密室エロス
名門音楽家一族に生まれ、慕い慕われるイトコ同士として育ってきた冬威と朔真。しかし、天才ピアニストである冬威を事故で傷つけてしまった朔真は、償いとして「飼育」される羽目に……。3月8日発売、華藤えれな先生の新刊小説『飼育の小部屋~監禁チェリスト~』。夜ごと命じられる淫らな行為! 二人の行きつく先は!? それでは「801 AUTHORS 108」第295回、華藤えれな先生どうぞ!

Q. 新作の紹介をお願いします!
あらすじどおり、名門音楽家一族のイトコたちの愛憎物語です。ゆるめの昼ドラ的展開異国版みたいなのを目指しました。
初恋の相手で、あこがれのピアニストのイトコを、自分が起こした事故のせいで傷つけてしまった主人公。その贖罪のため、彼の別荘に閉じこもることになって……という流れです。
舞台は、海のなかに建った都市ヴェネツィア。贖罪と密室エロスがテーマでしたが、一日中、波の音がする異世界のようなヴェネツィアの別荘で、現実を忘れて毎日を過ごす二人の甘く狂おしいリハビリ期間(事故で怪我しているので)……みたいな話になった気がしないでもないです。

Q. メインカップルはどんな攻×受ですか?
海外在住の天才ピアニスト(年下の従弟)×チェロ科の音大生(年上の従兄)

攻の冬威は、俺様で、唯我独尊タイプの天才ピアニスト。名門音楽一族の期待の星として華々しく活躍中。幼いときから一つ年上の従兄の朔真を兄のように慕い、「朔兄」と呼んでいる。
受の朔真は、一見、やる気のなさそうなチェロ科の音大生。家族間の問題を背負った薄幸系。ふだんは感情を抑えている分、チェロを弾くときは情熱的でエロい。一つ年下の冬威への恋心を隠している。

Q. 当て馬や重要な脇役は?
重要な脇役に、受の兄の潤一郎がいます。
攻の才能に嫉妬する一方、受に対しては高圧的な支配者な兄という典型的なイヤな悪役を目指したのですが、ラスト付近で担当さんから「潤一郎がかわいそうなんですが」と同情されてしまいました。お読みになられた方に、嫌われなかったらどうしよう……と少しだけ心配しています。
あと、エピローグに数行しか登場しない攻の父……ちょっと悪目立ちしています。

Q. 今作のこだわりポイントはどのあたりでしょう?
密室でピアノとチェロを弾きながら、二人がエロい気持ちになっていくというのがポイントです。一曲につき、一回のエロという約束で。
贖罪のため、攻に身を差しだして飼育されながら償うという設定にしたのに、攻が事故で怪我をしているため、受がリードするエロしか書けないという……イレギュラーな挑戦をすることになってしまいました。押し売り贖罪、押しかけペットみたいな感じになってないか心配です。それはそれで楽しかったですけど。

Q. 苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください!
初稿のとき、場面ごとに、どのクラシック音楽が合うか、実際の曲と照らし合わせながら原稿を書いていました。ただチェロの音はヒーリング効果があるのか、音楽を流しているうちにいつのまにか寝てしまって原稿が進まない……という悪循環に陥って大変でした。
改稿後は、チェロシーンの確認をしてもらうため、チェリストの友人宅で、作中使用曲の生演奏を演奏してもらうという贅沢な思いをしたのですが……その後、都心にマンションが買えるくらいのチェロに実際に触らせてもらった緊張のせいか、夜、熱が出て寝込んでしまいました。

Q. 今作にまつわる裏話ってありますか?
以前に彫刻家の話を書いたとき、最初はこちらのプロットを用意したのですが、編集部から舞台はプラハとリクエストがあり、東欧が舞台なら、熱っぽい音楽家の話よりひんやりした彫刻家の話が合うと思い、密室エロス+再会愛という同じテーマの、別の話を書きました。その後、ボスニアを舞台にした話も内戦が出てきたこともあって自然とひんやりした密室エロス+再会愛になり、今回こそは、熱と湿度と音楽をテーマに再挑戦と思っていたのに、弦楽器に湿度はよくないという事実にぶつかったのと、雪の季節を選んだため、またまたひんやりした話になってしまいました。次こそは、熱と湿度の密室エロスに挑戦したいです……(機会がいただけたら、ですが)。

Q. 執筆中の、思い出に残る日常エピソードをご披露お願いします!
本作のゲラをアップした2時間ほどあと、友人の友人の友人にあたる、奈良在住の書道家の女性からスペインと闘牛に関する質問のメールを頂いたのですが、彼女のHPを見に行ったら、外国の女の子から「あなたの書はチェロの音のよう」と言われたというエピソードが書かれていて、自分の身体からまだチェリストを主役にしたこの話が抜けていないときに、チェロの音のような書を書かれる方と知り合いになれるなんて、と、不思議なご縁にときめいてしまいました。
そしてスペインでお会いしたときに1日だけ一緒に闘牛を見に行くことになりました。

Q. 今、何かハマっていることは?
今年は二ヶ月ほどスペインと南フランスに行くのもあり、今、安宿探しにはまっています。安全で清潔で利便性のいい場所はもちろんですが、ユーロが高くなったので以前より値段設定を低くしたせいか、だんだん感覚がおかしくなり、一泊3000円でも高いと思うようになってきました。

Q. 発売前の今のお気持ちはいかがでしょう?
毎回、発売前には、合格発表前の受験生のような気持ちになります。心臓に悪いくらい。少しでも楽しんで頂けることを願うばかりです。どうかどうかそうでありますようにと願っています。

Q. ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ!
初めまして。もしくは、いつもありがとうございます。
今回は事件性も少なく、二人だけの世界になっています。小山田あみ先生の二人がとても美しく、チェロやピアノ、指揮のシーン、ヴェネツィアのエキゾチックな雰囲気等々、とても素敵なのでぜひご覧になってくださいね。クラシック音楽とヴェネツィア……少しだけ日常から離れた時間を楽しんで頂けたら幸せです。どうぞよろしくお願いします。

新書館 担当編集より
なんといってもキャラクターのギャップが魅力の本作。
攻の冬威は受の朔真を一途に慕う可愛いワンコだったのですが事故後、豹変。「あんたから俺を喰え」と初Hは騎乗位というバリバリ傲慢攻に。おまけに小山田あみ先生の美麗なカバーイラストからもわかる通り……包帯男子なんです♡
一方の朔真といえば普段は年上ぶって意地っ張りなツンデレさんが、Hとなると途端に素直でエロい子に♡
そんな二面性に読んでいて身悶えちゃうこと間違いなしの華藤えれな先生の新作は、ストーリーも愛と憎しみ、エロと純情、と一冊で二度おいしい仕上がりになっております。
お楽しみには、冬威視点のエピローグをご用意。
ぜひお手にとってご堪能ください。
また3月20日発売の『小説Dear+ ハル号』にて本篇がもっと楽しめるショートショートを掲載予定。チェックしてみてくださいね!

特典情報
コミコミスタジオ限定:イラストカード

(c)華藤えれな/小山田あみ/新書館

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