英田サキ先生インタビュー

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英田サキ先生インタビュー 軍隊で恋に落ち… 記憶喪失のセクシー髭紳士×健気な金髪青年♥ 小説『くぐもったドラム』

2015/04/30 18:13

たくましい受は、BLではなかなか書けませんのでとても萌えました
翻訳恋愛小説で有名なハーレクインがおくる、海外男×男小説(M/M ※メールメール)の“BL超訳”第三弾! 『くぐもったドラム』が4月24日に発売されました! このたび超訳を担当したのは英田サキ先生。BLではメインキャラで登場させるには躊躇する“髭攻”と、英田先生も「BLではなかなか書けませんので」と振り返る“男としてたくましい受”がカップルです! また、今回のインタビューでは気になる“BL超訳”の過程も垣間見ることができます!! それでは「801 AUTHORS 108」第606回、英田サキ先生どうぞ!

Q. 作品紹介をお願いします!
原著は海外の女性作家が書いたM/M小説です。私は翻訳された作品にさらに手を加える“超訳”を担当させていただきました。
この『くぐもったドラム』の舞台は、ドイツ統一を目前に控えた19世紀のプロイセンで、記憶喪失になって恋人を忘れてしまった男と、最愛の男に忘れられてしまった男の切ない物語です。ふたりの視点が交互に入っていますので、互いの胸の内がよくわかり、どちらの苦悩も恋心もたっぷり味わえる作品となっています。

Q. メインカップルはどんな攻×受ですか?
攻のルドルフは口髭がセクシーな貴族出身の大尉で、年齢は三十代半ば。年のわりにはオジサン的なところがあり(笑)、渋くてダンディです。剣術も馬術も一流ですが、戦争中に落馬し、恋人のマティアスのことを忘れてしまいます。
受のマティアスはルドルフの部下の中尉で、年齢は二十代半ば。金髪の美青年ですが、軍人なので男らしいです。控えめな性格でとても我慢強い子です。健気受けですね。

Q. 当て馬や重要な脇役は?
攻のルドルフの周りには、個性的なキャラがたくさんいます。聡明な妻、美貌の愛人(男)、献身的すぎて厄介な使用人、親友の医師等々。どの脇役も味があって面白いので、ぜひいろんな登場人物の言動も楽しみながら読んでいただきたいです。

Q. 今作のこだわりポイントはどのあたりでしょう?
できあがった作品に手を加えるのは、なかなか難しい作業でしたが、よりわかりやすく、より切なく、という主題がありましたので、文章的な部分はもちろん、設定や構成にも踏み込んで、大きく手を加えさせていただきました。

Q. 苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください!
苦労した点は、ヒストリカルなお話なので最低限の時代背景を理解したいと思い、歴史やプロイセン軍、当時の社会情勢などについて調べたのですが、これがなかなか時間がかかって大変でした。
楽しかった点は、受のマティアスが美青年なんだけど鍛えた肉体美を持っていて、個人的好みにドンピシャなのが嬉しかったです。男としてたくましい受は、BLではなかなか書けませんのでとても萌えました。
あとは軍隊の描写、馬での長旅、ベルリンの社交界、森の奥の白亜の館など、ヒストリカルな海外作品ならではの要素といいますか、そのへんも楽しい部分でしたね。

Q. 執筆中の、思い出に残る日常エピソードをご披露願います!
ハーレクイン社のレーベルのため、打ち合わせではハーレクイン作品を扱っている方々ともお話しできたのですが、翻訳の話やハーレクイン独自の約束事など、興味深いお話を伺うことができて面白かったです。昔からBLとハーレクインは、外見が似てない双子みたいだと思っていましたが、やはり通じる部分が多いのを実感しました。

Q. 発売に関して今のお気持ちはいかがでしょう?
本作はイギリス在住のエステラス先生が書かれた作品ですが、日本での出版にあたっては、翻訳家さんの手を経て、私の手を経て、もちろん担当さんのチェックも入り、最後にはえすとえむ先生の素晴らしいイラストが加わって完成しました。
たくさんの人の気持ちが詰まった作品ですので、ぜひ少しでも多くの皆さまに読んでいただきたいと願うばかりです。
Q. ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ!
翻訳小説に苦手意識を持たれている方も多いと思いますが、文章的な部分では普段読まれているBL小説と、さほど変わらない作品に仕上がったと思います。内容的にも誰もが共感できるだろう王道のラブストーリーです。
愛を誓い合った恋人同士が運命の悪戯によって引き裂かれ、すれ違い、傷つけ合ってしまう。それでもなお、相手を恋いうる気持ちを止められず、強く求め合う。
恋に惑う男たちはあまりにも不器用で、愛を取り戻そうと足掻くふたりの姿はとても切ないです。恋の苦しさと喜びがギュッと詰まった『くぐもったドラム』、ぜひ読んでください。

ハーレクインラブシック担当編集より
「堅物で通っている、誰も知らないお前の秘密の姿を、私だけが独り占めしているんだ」なんて言っていたのに!
忘れてしまうひどい髭のオジサマが美青年の恋人です。
M/M小説だけに、BLのタブーをあっさり乗り越えてきます。髭は魅力のひとつらしく、ふたりが愛し合うときに髭をいじったり触ったりもします。
とにかく髭攻めに困惑しつつ、髭を表紙に出していいものかどうか最後まで悩みました。しかし、英田先生の、「髭はダメなんですか」という一言でふっきれました(えすとえむ先生がセクシー髭にしてくださって本当によかった…)。
今回の作品は、恋人に忘れ去られた寡黙な青年の心の葛藤を描く、純粋なラブロマンスだけに、当初思い描いていたよりも再構築(BL超訳)が難しく、英田先生には、何度も直していただき、およそ二か月半、お付き合いいただきました。ご多忙のなか本当にありがとうございました。
そんな先生に、「まるで自分の作品のように愛着を感じる。控えめで礼儀正しい美青年のマティアスが愛しい」と仰っていただきました♥

えすとえむ先生の金髪碧眼の美青年もとにかくきれいです。画面からはなかなか伝わりませんが、印刷したものをみますときらきらと煌めき、みたこともないほどの美しさで、思わず手が震えました。ぜひお手にとって、この感動を堪能くださいませ。

ロングインタビュー
ウェブマガジン「cakes」で、英田サキ先生のロングインタビューが全三回で掲載されています。
第一弾は、英田先生の原点から、少女時代に影響を受けたJuneや栗本薫のこと、先生が萌え転がったブロマンスやゲイ小説、M/Mのスター、ジョシュ・ラニヨンまで。

5月1日配信予定の第二弾は、“BL超訳”の謎。第三弾は、BLとM/Mの差、最新アメリカゲイ事情にまで迫る予定です。お楽しみに。

特典情報
共通:全国主要書店にて、えすとえむカラーポストカード
コミコミスタジオ限定:えすとえむポストカード


(c)英田サキ/えすとえむ/ハーレクイン

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コメント4

投稿順|最新順

5/1日配信のcakesのインタビュー第2回もよかったです。
https://cakes.mu/posts/9271
超訳って想像以上に手ごわそうですね。興味深く読みました。

匿名3番さん(1/1)

原作の作者さんや翻訳家さんに対する英田先生のリスペクトが伝わってくるインタビューでした。
超訳に対して微妙な気持ちだったので、これを読んでちょっとスッキリしましたw
貴重な海外BLモノ、読むのが楽しみです。

匿名2番さん(1/1)

専門家に翻訳されたものを英田さんが手を加えるってことなのでしょうか

えすとえむさんのキャララフ素敵(//∇//)

匿名1番さん(1/1)

cakesのロングインタビュー、いいね!あと2回もすっごく楽しみです♪

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