宮城とおこ先生インタビュー

お前本物のろくでなしだな…！ 俺がこうなったのはあんたのせいだ
塾講師として働く七尾柊司がアパートに帰ると、待っていたのは十年ぶりの再会となる母親違いの弟、高遠一臣でした。複雑な家の事情や、幼い頃に弟を傷つけた負い目があり気まずい柊司。しかし、一臣はお構いなしで高圧的に柊司を……。6月1日発売、宮城とおこ先生の新刊コミックス『爪と棘』。なぜ今頃、一臣は柊司の前に現れたのか、そして、ふたりが陥る関係は!? 宮城先生五年ぶりとなるBLコミックスは、ご自身の作品の中で“最厚”！ かつ濃厚ストーリーで読み応えある一冊です!! それでは「801 AUTHORS 108」第635回、宮城とおこ先生どうぞ！

Q. 作品紹介をお願いします！
腹違いの兄弟として、子供の頃にある出会いをしたふたりが、お互いに複雑な気持ちを抱いたまま十年ぶりに再会します。そして、実は血の繋がりがなかったことを知った上で、反発しつつも葛藤を乗り越えて結ばれるお話です。冒頭痛い系ですが、ラストはハッピーエンドです。

Q. メインカップルはどんな攻×受ですか？
執着・俺様(鬼畜？)・年下攻に振り回される繊細・美人系・年上受です。
Q. 当て馬や重要な脇役は？
自分的には珍しく、ほとんど完全に攻受ふたりの世界です……

Q. 今作のこだわりポイントはどのあたりでしょう？
執着攻を描いてみたい、というコンセプトで攻受のキャラクターを設定しました。わりと受を優先する方なのでちょっと珍しいパターンです。また単行本収録にあたり全体を通じてネーム変更の上、第1話の3分の2を描き直してちょっとでも読みやすくなるようにしました。

Q. 苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください！
丸々一冊分でふたりの出会いからくっつくまでをまとめたいと思って描き始めたのですが、結局240ページかかってしまい、なかなか単行本にならなかったのは大変でした。その分濃厚な内容になったかと思うのですが。キャラの関係性からＨシーンが多めになったのが新鮮で楽しかったです。

Q. 今作にまつわる裏話ってありますか？
攻は子供の頃から小料理屋の手伝いをしていて料理が上手。受は料理が全然出来ないのですが、家事では洗濯が好きでこだわりがある設定でした。あとＨシーンを描いていて、やけに自分から率先して脱ぎたがる攻だなと……
Q. 執筆中の、思い出に残る日常エピソードをご披露願います！
ここしばらくアシスタントさんのご飯を自分で作ることが多くて、よく味が薄いとか病人食かとかネギが生だとか言われていました。
 
Q. 発売前の今のお気持ちはいかがでしょう？
誰かお一人にでも｢読んでよかった」と思っていただければいいなあと祈る気持ちです。

Q. ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ！
こんにちわ、あるいははじめまして、宮城とおこです。久しぶりにBLで単行本を出していただけることになりました！ 今まで出した本の中で最厚で、濃い内容になったかと思います。一生懸命頑張って描きましたので、少しでも多くの方に読んでいただけたら嬉しいです。よろしくお願いいたします！
担当編集より
『G線上の猫』のスピンオフ作品である『遠い日の蝶』から五年ぶりに出る宮城とおこ先生のBLコミックスになります。
宮城先生の繊細な絵柄や構図の魅力はもちろんですが、今回、主人公である柊司ともうひとりの主人公である一臣の複雑な関係の変化が読みどころにになっています。無理矢理、脅されて始まったはずの関係が、少しずつ変わっていく様子をぜひ読んでいただきたいです。
ちなみに『爪と棘』のふたりが出会う前の物語『埋火』前篇が5月末発売の「ihr HertZ 7月号」に掲載されますので、よければこちらもぜひ！

特典につきましては、小社HPにてご確認いただけますとありがたいです。

(c)宮城とおこ／大洋図書