BL情報サイト ちるちる

BLニュース

BLニュースは標準ブラウザ非対応となりました。Google Chromeなど別のブラウザからご覧ください。

綾野剛主演映画とBL『コオリオニ』の、恥さらしな関係

2016/03/28 20:56

2018/03/01 20:56

実際にあった、北海道警察の違法捜査をエンタメに昇華した2作



2月に発売された、梶本レイカ先生のコミックス『コオリオニ』上下巻は、刑事×ヤクザの恋物語。北海道警察の銃器対策のエースである鬼戸は、ヤクザや犯罪者を情報提供者「エス(スパイの意)」として飼い、自ら、および北海道警察の違法銃器の摘発成績を上げています。



同作と、6月25日に公開される綾野剛さん主演の映画『日本で一番悪い奴ら』の共通点、それは、両作とも実際にあった北海道警察の違法捜査をモデルにしているということ。『コオリオニ』の巻末には、参考資料のひとつとしてノンフィクション『恥さらし 北海道警 悪徳刑事の告白』が記載されており、これは映画『日本で一番悪い奴ら』の原作でもあります。

映画『日本で一番悪い奴ら』予告


1980年代~90年代前半、日本では違法な拳銃などによる銃器犯罪が増加。銃刀法が改正され、全国の警察は銃器対策課を新設しました。この改正では、違法銃器を所持する者が自首すると、罪が軽減または免除されるという規定が盛り込まれています。これにより、警察ではエスに依頼してエスや関係者を自首させ、摘発成績を上げる手法が横行したそうです。

摘発成績のアップは予算のアップにつながり、これが違法捜査の引き金のひとつにもなっています。また、改正前にも摘発件数を上げるため、被疑者を伴わない銃器「クビなし拳銃」の押収も推奨されました。これにより、エスに依頼して拳銃をコインロッカーなどに仕込み、匿名の通報によって摘発成績を上げる手法ももてはやされていたようです。

そのほか、犯罪を認知してもすぐには逮捕せず、犯罪者を「泳がせて」おいてより大きな犯罪を摘発する捜査方法も解禁。『恥さらし 北海道警 悪徳刑事の告白』では、この「泳がせ捜査」を違法に利用してヤクザと共謀、大量の麻薬密輸をスルーし、その代わりに拳銃の密輸現場を摘発するという計画があったものの、麻薬の密輸だけ許して計画が失敗したことが記されています。

正義の象徴である警察が、組織的に違法行為に手を染めていたというのは、読み物としても興味深く、フィクションのもとになる想像の余地が多くあると思いました。

梶本レイカ先生の『コオリオニ』では、刑事とエスの関係を男同士の恋愛物語に昇華。また、映画『日本で一番悪い奴ら』は、原作の雰囲気とはかなり異なるエンタメ要素満載の作品となりそうです。『コオリオニ』に魅せられたみなさんは、『日本で一番悪い奴ら』もチェックしてみてはいかがでしょう。

映画のメインビジュアルを見ると、綾野剛さんが手錠で吊るされるような構図。少なからぬセクシーさを感じます。BL要素は……、あるとより良いのですが!!

ほかにもある、警察BL

小説『エス』シリーズ 著:英田サキ/イラスト:奈良千春

梶本レイカ先生のコミックス『コオリオニ』と同じく、銃器対策の刑事とエスの恋愛が描かれます。英田サキ先生は、『DEADLOCK』シリーズ、『ダブル・バインド』シリーズと、警察ものBL小説でヒット作多々!

『エス』あらすじ
警視庁組織犯罪対策第五課、通称「組対5課」の刑事である椎葉は、拳銃の密売情報を得る、言わば拳銃押収のスペシャリストだ。その捜査方法はエス(スパイ)と呼ばれる協力者を使った情報収集活動に重点がおかれている。椎葉は新宿の武闘派暴力団・松倉組に籍をおく男を情報提供者として工作している。ある日、寝起きの椎葉に一本の不明な電話がかかってくる。おまえのエスに気をつけろ、と。劣情と矜持、孤独が交錯する男たちの物語。

ちるちるに寄せられたレビューの抜粋
椎葉のエスとなり情報提供する交換条件として椎葉の肉体を求める宗近。まだ宗近は謎多き人物ですが、いつも危ないところで椎葉を助けてくれる気になる男です!――muccuさん

なんですかこれは!テラ面白いじゃないですか!サスペンスストーリーの中でお仕事で絡む大人同士の恋愛。好みすぎる。サスペンスが火サスっぽくなく本格的なのがよい。それから、恋の駆け引きが楽しい。会話がおしゃれ。――まぎぃさん

ストーリーがしっかりしてこれだけ骨太なBLに未だかつてお目にかかったことがございません。むしろ、BLジャンルも超えてるような…。魅力的すぎる攻め宗近。惚れました。隙のない出来る男(もちろんイケメン)とエロオヤジの神バランス。最高です。――バタコさん


小説『甘い水』シリーズ 著:かわい有美子/イラスト:緒田涼歌

2013年に発表した第4回BLアワード「小説部門」で、『甘い水 2』が7位。かわい有美子先生の警察×警察ラブです。このほか、『饒舌に夜を騙れ』『鮮烈に闇を裂け』『天使のささやき』『Zwei』など、かわい先生も警察ものBL小説を多数手がけ、人気となっています。

『甘い水』あらすじ
SITと呼ばれる警視庁特殊班捜査係に所属する遠藤は、新たにSITに配属されてきた神宮寺のことが気に食わなかった。かつて、SATにいた頃、一年下の彼に馬鹿にされたことがあり、嫌われていると思っていたからだ。しかし、神宮寺は何かと自分に近づき、あげくの果てに突然キスをしてきた。戸惑い悩む中、誘拐事件が起こり、神宮寺と行動することになってしまう。話をし、嫌われているわけではないと知った遠藤は、徐々に彼に気を許し始めるが…。

ちるちるに寄せられたレビューの抜粋
かわいさんの書かれる警察物全般に言えることですが、読んでいて、『これってあり?』と感じるような嘘臭ささがないのが凄いなといつも感じます。警察は全容がまったく見えない職種ですから、フィクション部分も多いでしょうし、それが当たり前ですよね。ただ、読み手にそれを感じさせるのはナシだと思うのです。読んでいる途中でそんな風に冷めるのは、かなりガッカリしますので。そういう理由だけでもこの本はオススメしたいです。――ココナッツさん

エッチも凄く良かったです! 神宮寺、遠藤好き好きオーラ出しまくり(笑)「キスかセックスかどちらかだけなら、俺はキスがしたい」と言った神宮寺に、キュンっと胸を掴まれました・・・本当に遠藤が好きなのね~
そして、遠藤の挑発的な態度にも萌え。でも、遠藤はまだ、これが「恋愛」かどうかは微妙な感じ・・・今後の遠藤の気持の変化にも注目です。――青海さん

エッチシーンの部分は素敵です 縛るのは厳しいけど雰囲気はいい♪ 最後は両思いと感じるんだが なんか何かもっとあるんだろう もっと読みたいの気持ちがある とってもいい本でした!――奈々さん


警察、比較的身近な存在でありつつも、私たちは知ることのできない秘密が多い世界。そんなテーマであるからこそ、魅力的なフィクションが多く生まれるのかもしれません。この機会に、警察ものBLを手に取ってみてはいかがでしょう。

関連作家・声優

関連外部サイト

アクセスランキング

最新BLニュース

オススメニュース

最新のコメント

PAGE TOP