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梅雨を乗りきる! 雨を好きになれそうなBL 5選

2016/06/06 12:37

切ない、爽やか、三角関係も♥漫画&小説をピックアップ

6月5日に関東甲信が梅雨入り。すでに毎日続く雨にうんざり……という地域の方もいらっしゃるかもしれませんね。

出かける予定も立たない、洗濯物も部屋干しでなんだかじめじめする……そんな時こそBLで気分を上げていきましょう! 今回はがキーワードの作品をいくつかご紹介したと思います♪

碗島子『雨雫』
<あらすじ>
母の村には胡散臭い伝承がある。「サダオ」が涙を流すと雨が降る、という言い伝えだ。祖父が亡くなり、当代となった池田サダオは馬鹿げた迷信だとばかり思っていたが、転校先で知り合った、クラスメートの沼之端灯に出会ってから認めざるを得ない天候が続き、やがて……。

少々SMちっくだったり、尿道プレイがあったり。そんな淫靡な感じも漂う中で、サダオの顔がブサになるのがどことなくリアルな感じがして、私は好みでした。日本的湿度を背景に、サダオと灯の今風な感じとエロさのバランスが絶妙でした。――霧笛丸さん

物語から漂う雰囲気はじっとりと不快な梅雨ではなく、しとしととして田畑を潤すような梅雨の印象でした。
サダオの、気持ちがいいくらいに強気な性格も良かったです。――まりーんさん

因習の残る村で、運命に振り回されながらも恋に目覚めていく男子高校生2人の間にはアブノーマルなプレイもちらほら♥ 今まさにサダオが泣かされている、なんて考えたら、雨の日も落ち込んでいる暇はなさそうです。

たうみまゆ『傘を持て』
<あらすじ>
ヤクザの組長の家に生まれたことに悩み、荒れていた高校時代。そんな城田を救ったのは同じクラスの優等生・畑中のひと言だった。その後、一流大学に進学した畑中と組に入った城田だったが、なぜか畑中は城田との関係を切ろうとはせず、キスを交換条件に仕事を手伝うように。輝かしい未来が約束された男が、なぜ自分のような人間に固執するのか…。しかも、大学を卒業した畑中は、城田を追って組に入り───…。

泣いているんです。ずぶ濡れで雨の中ひとり―。雨だから気づかれないようなものなのに、それを遠くから見て「涙だ」と気づくクラスメイト。恋の始まり。以降、雨が降るたびこの冒頭シーンが思い出され、これがラストまで効いています。――詩雪さん

高校時代から執着し続ける畑中。頭脳明晰、冷静冷酷な畑中は、ひたすらに城田の為に尽くす。そんな彼をカタギに戻そうとする、ヤクザに向かないヤクザの息子城田。畑中が他人に嵌められたとなると、切れる城田。そんな唯一無二の関係がすごくいい。――snowblackさん

極道モノでありながら、重くなりすぎず、かといってヤクザBLならではの世界観を壊すこともない、絶妙なバランスの作品。「傘を持て」というタイトルについて考察するレビューがいくつも見受けられるなど、多くの読み手を惹きつける読後感も好評です。

桃子すいか『雨だれの頃』
<あらすじ>
優と美市は、優の引っ越しが決まるまで毎日のように一緒にいたご近所さんだった。中学に上がり、約束どおり美市のとなりへ戻って来た優だが学園の高等部には上がらず、外部受験を考えているという。ずっと一緒だと思っていた優の目には、別の何かが映っている。そのことが腹立たしくて、寂しくて、羨ましい。自分の胸はこんなにも、優でいっぱいなのに――。

友情なのか恋なのか、どう名付けていいのかわからないあやふやさが、女であるわたしには計りしれないなぁと美化してしまう、男同士が育んでいる特別な繋がりに思えてならなかったりします。いや、この年頃に限っては男同士だけじゃないかもしれませんね。――bonnyさん

美市にとっての優は、ただ特別な関係だっただけでなく、雨降りの中にいた自分に青空をもたらしてくれたこの上なく大切な存在となっているでしょうから、より一層鮮やかに残っているのではないかなと。読み終わる頃には、この主人公と一緒に、自分の記憶の中にも残っている“あのころ”が自然と呼び起こされていました。――みみみ。さん

中学3年生という、子どもながらに大人の世界も見え始めた、誰もが心の中にしまっている清らかで名前のつけられない時代。少年たちの気持ちがどこまでもピュアで切なく、雨上がりに心洗われるようなお話です。

ぢゅん子『傘の下、ふたり』
<あらすじ>
雨宿りをしていた高校生の俺は、大学生の柚木さんと知り合う。柚木さんの友人と遊ぶようになって、少し自分も大人になった気がしてた。…でも気付けば、柚木さんの不思議な色気にヤラれてる。なんでこの人、こんなエロいんだろ。どうして時々、さみしい顔をするんだろ。ある夜、柚木さんと大学の先輩とのセックスを見てしまう。エロい顔で泣く柚木さんに――俺は生まれて初めて、どうしようもない独占欲を感じた…。

言葉、行動、繰り返される想いとが相まって思わず泣けてしまった。可愛いとか、萌えwwという言葉とはちょっと違うのだけれどなんだか「良かったな」と読み終わり思いました。――もこさん

雨の日はジメジメして憂鬱な気分にもなりますが、こんな物語を思い出しながら傘をさして歩くと雨の匂いと共に、きゅんとしつつちょっと幸せな気持ちになれます☆――東雲月虹さん

突然の雨、1本の傘から始まるストーリーは、とにかく切ない三角関係をお望みの方におすすめ。すれ違い傷ついた分だけ、最後に訪れる幸せをより大きく噛みしめることができます!

凪良ゆう『雨降りvega』(イラスト:麻々原絵里依)
<あらすじ>
もう一生誰にも心を開かないし恋もしない……傷つき頑なだった文人を優しく解いてくれた彼は絶対に好きになってはいけない人だった。
高校生の文人が唯一心を開くのはネットで知り合った年上の男性「アルタイル」。趣味の天体観測を通じて穏やかにメールを交わすつきあいだ。卒業式の後、友人の言葉に酷く傷ついた文人は駆けつけたアルタイルと初めて会いその人柄に惹かれるが……

最初に出てくる七夕の織姫と彦星の話、二人が会うときはいつも雨、けして一緒には見れない満天の星空、プラネタリウム、キャラメル、万年筆、そして天球儀のストラップのからくり!いやーもう小さなモチーフの散りばめ方の巧さにやられっぱなしでした。――イサヲさん

このお話は、二人の性格がとてもおだやかで、自分の気持ちをぶつけたり、激昂したりすることがなく、それぞれが一人で静かに涙をこぼすという印象です。それが、二人の好きな星や夜空、紺の傘のイメージに合っていて、心に沁み渡るような味わい深さがありました。――ねこぷーさん

今作で描かれているのは、ほとんどが胸を締め付けるような恋のつらさです。だからこそ、その中で感じる一つ一つの喜びが心に迫ります。大切な日はいつも雨……そんな不運に嘆く皆さんにこそ読んでいただきたい1冊です!

雨&傘BLいかがでしたか? 皆さんも、なかなかお出かけに気が向かないそんな日は、雨を好きになれる、憂鬱を吹き飛ばせるような作品をぜひ探してみてくださいね♪

記者:神谷浩未

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