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きみは、俺の分身 執着共依存BL漫画五千円福袋

2017/01/02 10:52

ダークからほのぼのまで♡ 厳選した8作品


お正月の楽しみと言えば、やっぱり福袋ですよね。筆者は年に1回の贅沢ということで毎年ゴディバの福袋を購入しています(笑)。
食品にも、お洋服にも福袋があるのなら、BLにもあってもいいじゃない! ということで今回は筆者が一番欲しい「執着・共依存福袋」なるものを妄想してみました。中身はダーク5冊、ほのぼの3冊。名作が詰まった夢の福袋です☆

▷ダーク
足りないものを補い合うのに、正解も不正解もない
『みぃはなんにも知らない。』松本ノダ
共依存度:★★☆/切ない度:★★★

全6作品を収録したオムニバス。その中で特にオススメしたいのが『わたしのうつくしいひと』という作品です。自分の容姿に強いコンプレックスを持つ教師と、優しさを知らずに育った美しいハーフの高校生の歪な愛が描かれています。巷では「ネトラレ」というジャンルが流行していますが、この作品では攻めがあえて受けを他の男に抱かせるという「ネトラセ」の物語。このような特殊なプレイにたどり着いたのは決して攻めの異常な性癖が原因ではありません。これが本作の大きな魅力であり、切ないところです。
ラストシーンで受けが呟いた「傷つけるのは無意識でもできるくらい簡単なことなのに 美しいって気づいてもらうのはなんて難しいんだろう…」という言葉が痛いほど胸に刺さります。萌えというより様々なことを考えさせられるBLかもしれません。普通ではないけれど、美しい愛を育む二人が愛おしい1冊です。


「ボク達以外爆発しちゃえばいいのに」
『朝とミーチャ 1』ビリー・バリバリー
共依存度:★★★/男子校のワチャワチャ度:★★☆

筆者の2016年ベスト共依存BLがこちら。『ばら色の研究と花喰らふきみ』に掲載された短編『朝とミーチャ』をより深く掘り下げたのが本作です。家庭環境ゆえに今まで哀しい思いばかりしてきた二人が出会い、互いの傷を舐め癒しあう様子はじゃれあう黒猫と白猫のよう。混じり気のない「ボク達以外爆発しちゃえばいいのに」という言葉どおり、いまはこの世にボクと君だけがいればいいと思い合っている彼らが、2巻以降どのように成長していくか楽しみな1冊です。


前のオトコが開けた穴を、あなたに拡張してほしい
ネガ』はらだ
執着度:★★☆/嫉妬度:★★★

“ネガ”な作品を集めたオムニバス。どの収録作も面白いのですが、特にオススメなのが『ピアスホール』という短編。CPは、マッサージ店店員×体中にピアスホールを開けたサラリーマンです。それまでノーマルだった攻めが受けと出会い、ピアスを着けた舌でフェラされる感覚や挿入しながら新たな穴を開ける快感などを覚えていく――というなんとも刺激的な作品。推しポイントはズバリ、攻めのモノローグが文学的なところ。出会いから受けの体に惑溺していく過程が丁寧な言葉で淡々と、そしてじっとりと語られているため漫画を読んでいるはずがいつのまにか純文学を嗜んでいる気分になってきます(笑)。耽美な世界観はもちろん、様々なピアスホールを知れるのも大きな魅力です。


俺を初めて肯定してくれた人のために
『gift 白い獣の、聞こえぬ声の、見えない温度の、(上)』一ノ瀬ゆま
共依存度:★☆☆/下巻が楽しみ度:★★★

ボクサーの卵×トレーナーの物語。外国人のような容姿、ボクサーとしての天性の才能を持った「白い獣」のような攻めですが、本当は誰よりも純真無垢で臆病。心は獣ではなく愛を知らないまま身体だけ大きくなってしまった子どもです。そんな心に大きな傷を負った攻めを、おおらかで面倒見の良い受けがボクシングとたくさんの愛情で光の当たるところに連れて行こうとしますが…。自分のためではなく、褒めてくれた受けのためにプロのボクサーを目指す攻めが健気で哀しい。上巻だけでもかなり読み応えがありますので、何度も何度も読みこんで2017年に発売されるであろう下巻を待ちましょう。


復讐 in the Dark
『その唇に夜の露』深井結己
執着度:★★★/切ない度:★★★

学生時代無理矢理犯されたことが今もトラウマとなっている攻めが、ある日突然その犯人である同級生(受け)と再会し、自分と同じ思いをさせることで復讐していく物語。あらすじや表紙やから暗い印象を受けますが、読了後はきっと「これぞ純愛!」と涙するはずです。筆者もこの記事を書くにあたって約10年ぶりに本作を読み返したのですが、再読ながらその切なさにリアルに震えました。執着愛の「恐ろしさ」=「愛の重み」だと思っています。


▷ほのぼの
オカン系「スパダリ」の性欲処理係に! ?
『デキる男』猫田リコ
共依存度:★★☆/攻め萌え度:★★★

CPはデキる後輩×女に借金を背負わされた先輩。「借金を一括で返済してあげるから、その見返りとして身体をくださいよ、先輩♡」という王道ストーリーです。物語もモチロンですが、この作品の一番の魅力は攻めの手越というキャラクター。その端正な容姿と仕事の出来から会社では一目置かれる存在ですが、実は「俺様系」というより「オカン系ワンコ男子(肉食)」。家事全般を得意とする手越のもとで暮らしていくうちに受けは、与えられるふかふかのお布団、美味しいご飯、気持ちいいセックスに溺れていき、最終的には「お前がいない暮らしなんて考えられない!」状態に。尽くすことが喜びの攻めと、甘やかされ上手な受けというほのぼの共依存の典型パターンをオールクリアした名作です。


ドストライクのキモかわくんと過ごすHな日々
『新妻くんと新夫くん』蔓沢つた子
共依存度:★★☆/エロエロ度:★★★

『くさかんむりに化けると書いて』に収録された短編『新妻くんと新夫くん』が再始動! ホスト×ヤンデレ小説家のHな執着ラブを描いた本作。
一見受けの「キモかわくん」ばかりがデレデレな印象を持ちますが、実は攻めも結構な溺愛っぷりです。なかなかヤキモチを妬かない受けにヤキモキしたり、不調のときは徹底的に甘やかしたり…♡ 中出しありのエロエロシーンからもその執着度が伺えます。


一見ほのぼの、中はこってり共依存
『きみがいなけりゃ息もできない』円陣闇丸/原作:榎田尤利
共依存度:★★★/家族より家族度:★★☆ 

受けのメシスタント兼美術商×人気漫画家のCPの物語。「自分の食べ残しが東海林(攻め)の体内に取り込まれていくのを見るのが とても好きだ」。このモノローグに悶え苦しみました。毎日攻めが作ったご飯を食べている受けがこのように思うのは、自分の体が攻めによってつくられていることに気が付きそれに喜びを感じている証拠では…!? と思ったからです。考えすぎかもしれませんが(笑)。
また攻めも、受けのお世話をしないとなんだか落ち着かないというTHEベストカップルな二人。家族をも超えたその密な関係は穏やかながら強い共依存と言えるでしょう。

ここまで8冊を紹介してきました。合計金額は5574円! 残念ながら福袋として販売することはできませんが、ぜひ気になった作品をご自身へのお年玉としてご購入していただけたら嬉しいです♪

記者:真島ノ畔

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