このBLがやばい！2014年度版 漫画部門1位著者が一般漫画誌に
「志ろう」の名義で「アフタヌーン四季賞」2007年秋審査員特別賞を受賞した
トウテムポール先生が、7年ぶりに1月7日発売『good！アフタヌーン』＃39(講談社)に62P読切で帰ってきた。
タイトルは『グッドバイ』。実は4年前に描かれた作品で、『東京心中』のヒットで今回日の目を見ることになった。
同棲相手から、妊娠を告げられる主人公の日吉。これまで踏ん切りがつかなかったが、諦めて結婚を決意する。
そんなとき旧友から恩師の退職会を開くと日吉に連絡が入る。そこに中学時代の親友あっちゃん(粟野)が来るという。
日吉は、いかにあっちゃんがいい奴かを許嫁に夢中に語るが、彼女がふと口にした
「そんなに仲いいのに何で今まで行方不明だったのかしら？」
というひとことに言葉を詰まらせる。そして退職会の日を迎えるのだが…というストーリー。
『東京心中』でも見られるトウテムポール先生独特の生活感のある描写と諦観がより強烈に表現されている。
30代なかばを過ぎ、もう夢だけでは人生を乗り切っていけなくなったオヤジが読むと、とても共感できる内容。百合に共通するある種の儚さをBL的に表現するとこうなるのだろうか。
これは『東京心中』の宮坂くんのもうひとつの可能性といってもいいかもしれない。
