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BLアワードコミック部門を振り返る 王道VS革新編

2015/02/08 15:56

今年6回目を迎える「BLアワード」。ここ数年のBLコミックの需要の変貌には目を見張ります
しかしBLアワードが始まった2009年。この年はは6年後に刈り取りを迎える種が植えられた年ともいえるかもしれません。

2009年 革命軍躍動


前年は『同級生』、『どうしても触れたくない』という現在でも読み継がれる2傑が出版された年でした。
それだけに、2年連続して大ヒットが出るとは、なかなか考えづらい状況でした。
ところがふたを開けてみると『窮鼠はチーズの夢を見る』の続編である『俎上の鯉は二度跳ねる』が熱烈な支持を受け1位に。
作者の水城せとな先生は『失恋ショコラティエ』などBL漫画とはあまり関係ないイメージが最近強くなっていますが、この頃は本人の思惑とは別にBL界で非常に注目を浴びました。
また惜しくも僅差で2位となったのは、中村明日美子先生の『卒業生』。前篇の『同級生』は、これまでの作風からは想像もできない王道胸キュン路線作品。どちらかというと同年に出版された耽美で破滅的な『ダブルミンツ』が、これまでの中村明日美子らしさを感じます。『同級生シリーズ』で一気にイメージが変わってしまいました。
そして宝井理人先生の『セブンデイズ』も大ヒットして3位。その後も『花のみぞ知る』『テンカウント』といった人気シリーズをリリースするきっかけの作品となります。
日高ショーコ先生の2大長期連載『憂鬱な朝』『花は咲くか』もこの年にスタートです。とくに『憂鬱な朝』は、開始からシリーズ想定していました。ところが、大事な1巻で、萌え要素をほとんど盛りませんでした。これは今でも冒険的と思える試みで、初期のレビューを見るとユーザーの戸惑いを感じます。しかもやっと3巻から本格BL的展開というBLのセオリーを打ち破る作品でした。。

振り返ってみると、2009年は現在のBLの礎が築かれた1年といえます。
まだ規模が小さかった「ちるちる」ですが、それでもユーザーの熱狂のすさまじさを感じましたし、投票数にもそれは現れています。コミック部門は第2回第3回アワードの得票数を1回目が上回っています。


揺り戻しの2010年 王道復古

2008年、2009年、相当に斬新な作品がヒットしましたので、揺り戻しが発生した年です。さすがに新しいことばかりだと元の住処が懐かしくなります。人気作家の王道BLが上位を占めました。シリーズ中でもっとも熱狂的な盛り上がりを見せた志水ゆき先生の『是』9巻が1位を獲得です。
そしてこの年連載開始のあべ美幸先生の『SUPER LOVERS 1』が2位、鹿乃しうこ先生の『punch↑ 4』が当面最終回完結。投票ポイントが高く3位でした。


2011年 王党派が受けきるか?革新派が攻めきるか?BL関ヶ原

王道路線と革新路線の勢力が拮抗。時代はどちらに向かうのか?先が見えない年でした。
そんななか1位を獲得したのは腰乃先生の『鮫島くんと笹原くん』です。『このBLがやばい』の1位と『BLアワード』のコミック部門が1位が重なったのは唯一この年だけです。2010年と同じく圧倒的王者がいない年だったので意外な印象を受けました。
2位は日高ショーコ先生の『花は咲くか 3』です。『憂鬱な朝』とともに3巻からドライブがかかってきました。
3位は『キャッスルマンゴー 1』。小説界の巨匠・木原音瀬先生と、『センチメンタルガーデンラバー』の大ヒットで漫画家としても人気を博した小椋ムク先生のタッグ作品。作風のまったく異なる大型タッグは異例中の異例で、今考えてもこれは斬新な試みだったと思います。
この年は革新路線が再び盛り返しており、王道路線と再び拮抗する形となりました。そして2013年にBLの流れが決定的になるのです。

次回は決着編です。

コメント2

投稿順 | 最新順

匿名2番さん(1/1)

どの作品も好き。正直、このBLがやばいよりもちるちるのBLアワードのほうが自分の好みと合います。

匿名1番さん(1/1)

この記事、いいですね!
今も愛されてる作品の歴史を感じます(*'▽'*)
次回も楽しみにしてます

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