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BLアワード小説部門を振り返る 痛い系から複雑系へ

2015/02/04 20:24

BLアワード6回の歴史。今回は小説部門を取り上げます。コミックに比べて注目されにくい不利な面もありますが、その年ごとに傾向があるようです。その流れを見て行きましょう。

ダーク痛い系が上位を占める
2009年

BLアワードがスタートした2009年当時の状況は、3年前に発行されて爆発的ヒットした英田サキ先生の『DEADLOCK』の余韻がまだ残っており、動きの激しいダイナミックな時期でした。
その中での1位は榎田尤利先生の『交渉人は振り返る』
BL小説史上最高のキャラ人気を博した兵頭×芽吹の3作目で、エンタメ的にノリノリな頃の作品です。

しかしそんななか木原音瀬先生もあいかわらず痛い系小説が旋風を巻き起こしていたのです。
2位『COLD FEVER』3位『月に笑う』4位『夜をわたる月の船』と上位を独占します。
特に『COLD』シリーズは2014年にコミカライズ完結、スピンオフが発売されるなど未だに人気作品です。
そして崎谷はるひ先生も甘くてエロい作品群を続々と執筆。そのなかでも『不機嫌で甘い爪痕』は逆風のなか6位に入賞、この年のスイートBLの頂点に立ちました。
昨今はダーク系が流行した反動か、あまあまを追求する動きもあり、今年になってレビューで再評価されています。


時代はやさしい痛みへ
2010年

朝丘戻先生の『あめの帰るところ。』が強敵『交渉人シリーズ』を振りきって1位をゲットです!BL小説では、せつないセンシティブ系の作品がなかなか受け入れられない雰囲気でしたが、朝丘先生が偉業達成です。
この年ぐらいから、どちらかというと、やさしい痛み、切なさをえがいた作品が次第に支持を得られるようになっていきます。
3位は『言ノ葉ノ世界』です。砂原糖子先生の名作『言ノ葉ノ花』のスピンオフです。
そして幅広すぎる作風の凪良ゆう先生がコメディタッチの『全ての恋は病から』でブレイクした年でした。


交渉人シリーズは化物か?
2011年

1位はでひとまずシリーズにピリオドが打たれた『交渉人は愛される』BEST攻×BEST受も兵頭×芽吹がW受賞。コミックキャラを凌ぐ人気キャラは後にも先にも、小説からはこの2人しか出ないと思われます。それぐらいの快挙なのです。
この年は、凪良ゆう先生が大活躍の年!2位『真夜中クロニクル』4位『積木の恋』と2作ともせつないストーリーが受けました。
新人としては、異例中の異例ともいえる3位入賞・松雪奈々先生の『なんか、淫魔に憑かれちゃったんですけど』。小説界にエロい新風が吹きました。


小説とコミックのシンクロコラボ
2012年

コミック『キャッスルマンゴー』とシンクロリンクした『リバーズエンド』が1位受賞。木原音瀬先生は初のBLアワード制覇です。小説とコミックの同時進行コラボは非常に新しい試みでしたが見事に成功しました。
そして昨年に引き続き凪良ゆう先生が八面六臂の大活躍です『お菓子の家~un petit nid~』『まばたきを三回』で2位3位を連続受賞。木原音瀬先生と榎田尤利先生は常にちるちるの小説部門で注目のツートップでしたが、凪良ゆう先生がここに名を連ねることになりました。


BL小説春秋戦国時代へ突入か
2013年

榎田尤利100冊記念特別版として出版された『交渉人は休めない』が1位を受賞。ファン感謝作としての意味合いが強かったにもかかわらず、多くの支持を得られました。
2位は新レーベルの「フルール文庫」から出版された一穂ミチ先生の『ふったらどしゃぶり When it rains, it pours』です。BL小説のセオリーから外れた冒険的な作品でしたが、それが功を奏しました。シンプルに萌えるというより、複雑な思いが交差する作品です。一穂ミチ先生の代表作的な存在となっています。
3位は『碧のかたみ』。戦争を題材として書き続けてきた尾上与一先生の3作目です。宮崎駿の引退作品『風立ちぬ』そしてヒット小説『永遠の0』の映画化などの影響もあり、こちらも話題が尽きませんでした。

この年はランキング10位以内に9名の作家がランクインする群雄割拠状態となりました。今回のBLアワードがその中から誰が栄誉を手にするのでしょうか。

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