• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作映画館で逢いましょう(2)

神尾清心,単館劇場公開映画の扱いが主の配給会社社長
國重周,攻様の会社に就職し恋人になった営業マン

その他の収録作品

  • 島龍之介の流儀
  • あとがき

あらすじ

小さな映画配給会社、エルシノア・フィルムズに再就職した周は、社長の神尾と恋仲になり、恋に仕事に奮闘中。しかし、神尾の過去の恋人・エリーの影に、自分を見失いそうに…。そんな中、新しく配給するチェコ映画の宣伝で、初めてのことばかりながらも一途に頑張る周は、俳優の島広矢がチェコに関係するプロジェクトがあるらしいという情報を掴む。広矢をパブに使えないかと提案する周だが、実は広矢は、エルシノアの宣伝部長で神尾の懐刀と言われる島の弟だった!周の案が採用され、仕事は順調に進んでいくが、ひょんなことから島が神尾に想いを抱いていることを知ってしまい…。書き下ろしは、島が超大型犬を飼うまでのお話。

作品情報

作品名
映画館で逢いましょう(2)
著者
鳩村衣杏 
イラスト
山田ユギ 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
シリーズ
映画館で逢いましょう
発売日
ISBN
9784576050973
3.4

(11)

(2)

萌々

(1)

(8)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
38
評価数
11
平均
3.4 / 5
神率
18.2%

レビュー投稿数4

暴露しちゃえば急展開…それが社内恋愛ってものよ!

これは…人目を忍ぶ社内恋愛のあれこれに悩む、
二組のカップルが、やっとの思いで迷いの出口を見出すお話です。
前作でなんとか恋人関係が成立した社長と新入社員の恋は、忍ぶ恋…。
幸せと不安織り交ぜた不安定期を、打ち破ったのは…社長のこの言葉!
「謝れよ―俺の男に。」
その社長に(秘かに)想いを寄せていた中間管理職が、
失恋の痛手から1歩を踏み出したのは、この言葉..
「シンデレラをぶっとばしたら、ついでに王子もぶっとばせ。
 舞台から退場させろ。俺は犬と幸せになるのだ。」
(↑あぁこれ…なんだかワケが解りませんねぇ。
  でもこれは、れっきとした恋人宣言なんです。次の恋への宣戦布告!)
ふたりともまぁ…けっこう凄いこと言ってます(笑)
…というか、堂々しっかり、暴露しちゃってます(驚)
いやそれよりも…秘めた恋じゃなかったんですか、元々は?
でもこれ、こう着状態の恋を打破する方法としちゃ…まったく正しい☆
自力でコツコツ地味に頑張り、いつか出口を見出すのもひとつの方法ならば、
ものの解った理解者に協力を仰ぐのも、ひとつの手段。
…が、コイツらの取った方法ってのは、またちょっと違ってて…
秘めた恋でウジウジ悩むくらいなら、いっそ暴露しちゃえ…の勢いで、
迷いも悩みも(ついでにふんぎりのつかなさも)チャラにしちゃいました。
言ってしまえば、怖いもの無しです。
言ってしまえば、もう後は無し!
そんなこんなの急展開でもって、お仕事BLは花も実をも咲かせるのでした☆
で…どっちの男がイイ男かですって?
振り回されてメロメロな社長も捨てがたいけれど、
攻撃性の高いツンデレ宣伝部長の男泣き…を見せてくれました受・島さん、
彼のいじっぱりぶりに乾杯です☆
さて…お楽しみのエロですが、犬を調教しそうな島さんが、
犬に(ベッドで)調教されてる(?)場面、見事です。 

1

受けの性格以外は好き

ストーリーは面白かったです。
でも主役の受けの性格が…。
攻めの昔の恋人のことを考えてうじうじぐるぐるマイナス思考する受けです。
二年も前に別れた「昔の恋人」だぞ?
攻めが不実な行動してるならともかく、めちゃくちゃ愛情深く接してくれてるのにさァ。
どんだけ贅沢な悩みやねん、いい加減にしろー、と思いました。
前作のうじうじぐるぐるは大丈夫だったんですが、この続編でのうじうじぐるぐるにはまったく共感できず、その切なさも理解できず、ひたすらイライラしました。
まあでもただのうじうじ受けじゃないんですけどね。自分に厳しくて、目指すものが大き過ぎるがゆえのマイナス思考だし。
だからこそ攻めの行為をきっかけに自信をつけるんじゃなく、自分自身で乗り越えて欲しかったなと思いました。
もちろん面白かったんですけどね。丁寧なお仕事の描写はBLではめったに見られないもので、かなり好きです。

『島龍之介の流儀』
本編のスピンオフです。
これ、いっそ完全なコメディ路線にして欲しかったなー。
後半になればなるほどコミカル度が増していき、それがすごく面白かったもんで。

1

「映画館」続編

「映画館で逢いましょう」の続編です。
前編だけでも綺麗に終結していたと思うので続編があることが意外でもありました。
本作では、前編で神尾と恋人になった周が、自分の弱さ・小ささに押しつぶされて甘い恋人関係に浸りきれず足掻く模様が描かれます。
神尾が昔付き合っていたというアジアのスター、イライアス・ウォンの華やかな魅力に気後れし、ふとした仕草で島が神尾へ想いを抱いていることに気づいてしまって動揺し、周は読んでてイライラするくらいグラつきます。
映画配給に関しては、チェコの地味な映画を大手宝石メーカーと人気美形俳優(←実は島の弟!)を巻き込んでの大プロモーションに発展させるような「お仕事」描写も興味深いのですが、きっかけは周の目の付け所だったけど現実は神尾+島の働き無くしては形にならないので、周としては自分はまだダメだ、みたいな卑屈さを感じさせて何とも歯がゆい。
でも周もわかってるんですよね。不安を抱くのは神尾への不信感ではない、あくまで自分自身への自信の無さゆえなのだという事…
それでも神尾は周を選ぶ、というハッピーエンドな恋愛物語ではあるけれど、やはりどうしても何故周なの?という所が腹の底の底に響いてこない感があるのです。評価は「萌」で。

「島龍之介の流儀」
神尾の右腕、やり手で美形の島が新しい恋に飛び込む物語。
まず島が神尾の事好きだった設定がいまいち…、超人気俳優島広矢が実は島の弟設定もいまいち…。
これがなくても、喧嘩ばかりの橘内が実は島を好きで〜の流れから、島が自身の頑なさを自分流に投げ捨てる、というこの一編はしっかり成立するはず。
でも私島さん何気に好きだから、島もいい恋してほしい。橘内がんばれ。

1

やわらかいタッチのその後の話

 二人がくっついて幸せになったはずの後の話。
 まあ、当たり前のことですが、くっついたから幸せになれるのではなく、くっついた先からの方が長い。
 それを教えてくれる話でした。

 社内恋愛禁止の壁を乗り越えて、せっかく幸せになれたはずの周と社長の神尾。
 ところが、神尾の元の同僚が現れて、思わせぶりなことを吹き込まれたことから周の調子が狂ってしまう。
 恋も仕事も一生懸命なはずだけど、どうしても自分のことも相手のことも信じられない。
 周りは自分よりもすごい人たちばかりで、一生懸命やらなくちゃと焦るけれど、それがすべてから回りしてしまう。

 という話でした。
 よくある話だとは思うんですが、優しい文章で書かれているので、とても読みやすかったです。
 やわらかいカップルのその後の話を読みたい方にはオススメします。

0

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP