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表題作専制君主のロマンス

風森尚吾
雛崎充

あらすじ

イベント会社勤務の有能なサラリーマン・雛崎充の弱点は『血に弱い』こと。
強引でマイペースな先輩・風森尚吾は、雛崎の弱味を知る唯一の人間だった。
プライベートも仕事もトラブル続きで参っていた雛崎は、ある日、酔った勢いで、怪我をした風森の傷口に唇で触れてしまう。
極端に苦手なものに触れれば、落ち込みの突破口が開けるような気がしたのだ。
しかし、風森からその行為を「誘った」と言われ、ベッドに引きずり込まれてしまい…。

作品情報

作品名
専制君主のロマンス
著者
鷺沼やすな 
イラスト
佐々木久美子 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
発売日
ISBN
9784344806177
2.6

(3)

(0)

萌々

(1)

(0)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
6
評価数
3
平均
2.6 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

甘いんだけど微妙な隙間もある二人

表題作カップルの短編5作品です。
いずれも似たような長さのショートで、二人の仲が進展していくという感じでした。

ジンクス
ジンクス2「サクラサク。」
ジンクス3「クラム ザ レインボウ」
は、雛崎(受け)視点です。抱かれるという自分に戸惑いながら受け入れます。
血が苦手な雛崎が克服しようと、風森(攻め)の傷口に口づけるという思考がちょっと突飛かなと思いましたが、それ以外は特に違和感なかったです。

ジンクス3.5「空も飛べるはず」
は、風森視点です。とはいえ、父親からのような表現もあり完全一人称とは違う気がしました。風森サイドからの過去話が楽しかったです。若い頃の二人のイラストが可愛らしかったです。

ジンクス3.75「専制君主のロマンス」は雛崎視点。長い間「先輩」でしかなかった風森に対して、恋愛相手になるんだろうかとじっくり考えた雛崎がとりあえず結論を出したという感じでした。続きに4があったようなのですが未発売のようです。どうなる予定だったのか気になります。

雰囲気がすごく素敵だと思いました。抱かれてうわぁドキドキという単純明快なものでなく、身体で感じたことをじんわりじっくり頭で考えるというある意味まどろっこしい展開でした。ですが、雛崎は風森を焦らすわけでもないですし、風森も遊び相手だとか誤解させる言動もなく、好感が持てました。

甘い雰囲気が漂っているのに、どこか微妙な隙間もある。ただその隙間は切ないものではなく…というなんとも言い難い作品でした。好きな人はハマってしまう!私は大好き!な二人でした。

1

超不完全燃焼。

あらすじを読んで面白そうだと思ったのですが…。

昔から血が苦手な雛崎。
ちょっとの血を見るだけで気分が悪くなり倒れてしまうことも。
そんな雛崎は高校の先輩でもある風森と同じイベント会社に勤めていて。
その日、雛崎は小さなイライラが募っていて。
風森の家で飲んでいて酔いのせいなのか、怪我をおってしまった風森の血に舌を這わせてしまい。
「誘ったのはお前だ」と手を出されてしまうのだが…。

なんか正直よくわからなかったです。
というか、盛り上がりに欠けるというか淡々とお話が進んでいくのですよ。
風森はそれをきっかけに好意を持っていることを雛崎にも伝えアプローチも積極的に行っていくのですが。
雛崎の方はのらりくらりというか。
返事は待って下さい、と言いつつ、身体の関係だけはお互いに進んでいって。
はっきりと「好き」と雛崎が口にしないままに恋人関係のような関係にはなっていて。
なんとなく雛崎自身、風森のことを心の拠り所にしているところも見られるのに明確な答えを出さない。
ちょっとズルイ人なのかな、とさえ思えてしまうような。
見てる分には完全にデキあがってるようにさえ見えるのに。

そしてそして。
完結していない!
これが一番の不完全燃焼ポイントかもしれません。
元々、同人誌で発表されていた作品の改稿なのですが。
その結末の物語がどうやらこの本が出た時点では書かれていないようで。
その物語を読めば、何もかもスッキリするのかもしれないのですがそれがないために、ぐるぐるぐるぐるとしたまま終わってしまったという印象を受けるのですね。
そして、この結末の物語が出るか出ないかは読者次第!みたいなことがあとがきに書かれているのですが、どうも出ていないような…。
同人誌の方で出されたのでしょうか。
ちょっと気になりますね。

1

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