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表題作百日の薔薇

クラウス・フォン・ヴォルフシュタット,26歳,軍人
タキ・レイゼン,20歳,機甲師団長

その他の収録作品

  • 仁義なき肉球編

あらすじ

敵国の軍人同士でありながら主従の契りで結ばれたふたり。
一国の命運を担う気高く美しい指令官、タキ・レイゼン。
彼に忠誠を誓う騎士であり気性の荒さから『狂犬』と呼ばれるクラウス。
だが、ふたりを見る周囲の目はさまざまな危惧や心配から冷ややかだった。
純粋に想いあいながらも戦況の激しさに伴い過酷になる恋の行方は-!?
出版社より

作品情報

作品名
百日の薔薇
著者
稲荷家房之介 
媒体
漫画(コミック)
出版社
オークラ出版
レーベル
アクアコミックス
シリーズ
百日の薔薇
発売日
ISBN
9784775506226
4.1

(90)

(58)

萌々

(5)

(15)

中立

(8)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
24
得点
363
評価数
90
平均
4.1 / 5
神率
64.4%

レビュー投稿数24

戦火の恋

互いに強く想いあいながらも擦れちがい傷つけ合ってしまう二人が哀しい…。

国籍・権利・血族など全てを捨ててタキの「騎士」となったクラウスはタキを求めるが、戦場において清浄潔斎を求められる師団長という立場のタキはクラウスの想いに応えることができない。
そんなタキをクラウスは無理やり抱いてしまう。
伝わらない想いに苛立ち感情にまかせて酷いことをしてタキを傷つけ、それによってクラウスもまた深く傷ついていく……
そんな二人の関係にハラハラしながらどんどん夢中になって作品にの世界に引き込まれていきました。
時折みせるクラウスの恐ろしいほど冷たく悲しい目、遣る瀬無い悲痛な表情に胸が苦しくなる……。

印象的なのは学生時代の回想シーン
藤の花の下で雨に濡れる二人。

戦争の影響で国外退去処分を受け、帰国後は戦争の指揮をとらなければならないタキにクラウスが
「なんだったら俺の国へ来るか?」
「なんとかなるって なんでもやってその日の糧を稼いで生きて――悪い人生じゃねぇと思うぜ」 と誘う。
タキは自分には領主としての責任があり領民を守りたいと断るが、その瞳には涙が浮かんでいた。そこにあるのは
「お前とこの空のむこう どこまでも行けたらよいのに」 という伝えることのできないひそやかな願い。

部屋に戻ってクラウスはタキを抱くがタキも怯えながらもそれに応える。
激しくクラウスを求めるタキの色香は凄絶だ。

学生時代は確かに想いが通じあっていたのに…と思うと現在の関係が一層切ない。
戦火の中で二人の関係はどうなっていくのか…。
今後に期待です。

11

これはBLなんだろうか

OVA化される前にとりあえず原作読んでおこうと思い購入。
某錬金術師な漫画を思い起こさせましたが、やはりそれで同人活動してらしたんですね。

師団長タキとその騎士クラウス。二人は主従関係であるが、実は肌を重ねる関係である。
10年前二人は運命的な出会いをし、その後学生時代に再会、クラウスはタキの騎士となることとなる。
クラウスはタキを激しく求めるが、タキは拒絶。「最初に求めたのはタキのほう」と苛立つクラウスだが、タキが拒絶するのには理由があった。
タキは汚されてはいけない「神」たる存在。そのタキがクラウスのキスを受け入れ、何度も肌を重ねているのだから、タキの気持ちもわかってあげてほしい。(しかも初めてのときはタキのほうからも求めているじゃありませんか…!)
しかしなんとゆーか、クラウスのタキへの執着ぶりはちょっと怖いな…

BLという言葉では片付けられない、何か…読んでいても不思議な感覚です。萌えです。
作品の世界に引き込まれました。
痛いけど、切ない。見てるほうとしてもなんかついに不安。
舞台が戦場だからということもあるかもしれませんが、二人の関係が危うすぎて、不安。
続きが気になるけれど、一方では続きを見るのが怖い気もします。
切ないのは切ないけど、号泣するような場面はまだないんですけど、読んだ後にぼーっと放心してしまうような不思議な感覚です。
とりあえず、昔からファンタジー好きな私にとって、この作品はハマリにハマっているのではないか、ということで「神」評価で。

はじめ読んでも話がよくわかりませんでした…現在の話と過去の話が交互に出てくるからかな…
何回か読んで徐々にはわかってきたんだけど、時系列としては
10年前出会い。お互い禁断の一目ぼれ?「お前が私の騎士ならよいのに」→学校にて再会「お前とこの空の向こうどこまでも行けたらいいのに」→「俺を連れて行け 俺をお前のものにすればいい」→「これでずっと一緒だタキ」
…であってるのかな…??
肉級編が一番わかりやすかったな!可愛かったし!


8

レビューするのはおこがましいほど大好きです 

BLの世界に私を貶めた作品の一つがこの“百日の薔薇”この作品と出会わなければ、今の私は存在していないでしょう。 
3年前に電子コミックで読んだのがこの作品との出会いでした。画のすばらしさ・綺麗さに衝撃 男同士とか同性愛とかそんなことはすっとんで一気に引き込まれるほどのエロ綺麗さに言葉をなくしてしまいました。
 軍人で学生時代はルームメイト そして現在は主従関係にあるタキとクラウス お互いがお互いを心から求めているにも関わらず、主人であるタキは立場的にもクラウスを受け入れる言葉一つ告げることも認めることもできず拒絶姿勢を崩さない そんなタキに対してクラウスは力を持って主人を陵辱する しかしクラウスもまたタキの心がほしいだけ 学生時代に初めて自分を受け入れてくれたタキ あの時のタキがほしいだけ なんて切ない なんて歯がゆいvvv  3年前 続編で百日の薔薇Ⅱが出てることを知り 本屋さんをハシゴして購入したのを覚えています。 本作品は現在もコミックアクアで連載中 稲荷家先生の画力が私をこの世界の虜にした!といっても過言ではありません  稲荷家さんの綺麗リアルエロ 是非皆さん一度稲荷家房之介の綺麗リアルエロをご堪能くださいvvv

7

花のように刃のように

野に咲き誇る気高い藤のように、
あるいは丹精込めて造形された至高の薔薇の如く、
これ程花に例えられ見劣りない男を初めて知りました。
蜜が滴るような芳しい色香と、戦場においては鮮烈で危うい
軍人の顔を見せるタキの存在は圧巻です。

敵国の軍人同士でありながら主従の契りで結ばれる
指揮官タキと彼の騎士クラウス。
戦況が悪化したタキの故国へ、全てを棄て付いてきた
クラウス達の周囲は、常に一触即発の戦線でした。

互いを求める想いは確かにあるのに、
それは決して言葉にはされません。
高貴な血族のタキは民の上に立ち統べる身であり、
古い信仰により神の依代となる存在。
その身の穢れは死にも等しいもので、
どれ程クラウスが求めて体を繋げても、ただタキの心身を
傷付けるだけの事実が哀しいまでに溝を作ります。

このタキの色気たるや凄まじいものがありまして。
クラウスに組み敷かれても声を立てず服を、腕を噛み
必死に堪える様さえひたすら美しい。
うなじから腰にかけての滑らかな曲線には見惚れるばかりです。

「大河ロマン」と銘打たれる通り、壮大な戦争ファンタジーで
軍服、狩衣、銃、戦車、戦闘、オヤジなど、ご本人の「好き」と
「萌え」がこれでもか詰め込まれております。
それでも、一切の妥協を感じさせずぐうの音も出ない程に
見せつけられては、喜んで降伏する他ないのでした。

7

美しく鮮烈な大河ロマン

掲載されていた『コミックアクア』が休刊になり、続編は?と心配していたところ、稲荷家先生から発表がありました。先生のHPのinfomation『百日の薔薇』について、と言うところに8月12日に追記があります。版権関係の手続きが終わってから、新たな掲載先を探すと書かれているので、手に入れやすい商業誌がいいですが、どんな形でもこの物語の最期を見届けたいと思っています。

領主であり師団長のタキ・レイゼンと彼のただ一人の騎士クラウスの運命の恋と戦いの物語です。主人公のタキとクラウス、周りのキャラたち、そして背景までもが綿密に描かれ、重厚な物語に深みを与えています。「美しくて鮮烈で、気高く凶暴で、危うい」と評されるタキが言葉のままにそこに描かれる圧倒的な画力は素晴らしく、戦場での気高い様は『狂える花』そのものです。領民にとって清浄潔斎な決して手折られることのない花、『魂の拠』と神格化された存在のタキは、クラウスへの思いを口にすることは許されず、「俺を欲しがったのはお前の方だ」と自分を凌辱するクラウスからの痛みを、己への罰のように受け入れています。前後して挿入される過去のエピソードが美しく儚くて、まるで夢の中の出来事のようです。出会った日の幼いタキの願い。10年後に再会したタキが口にした、小鳥の囀りのような美しい言葉。そしてお互いに総てを求めあった機甲学校での最後の夜。花を手にするように優しくタキを抱くクラウスと、口を噤んだままクラウスを受け入れ、自らも激しく求めるタキとのベッドシーンは、息詰まるような展開で一コマ一コマが美しく、言葉にはしないタキの心情が心に響き、静かで煽情的です。タキにとって、領主でも師団長でもない、ただ『タキ』として抱かれた、最初で最後の夜になると思っていたのだと思います。
 スパイ容疑をかけられ、拷問を受けるクラウスを、傷つき熱のある体をおして助けに来たタキの姿は息を飲むほどに美しく、クラウスが跪きタキの剣に口づけて主従を誓うシーンにはため息が漏れました。
 タキは純潔であるべき総ての領民の『魂の拠』。小鳥の囀りの意味を知ったクラウスはどうするのでしょうか・・・。

7

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