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表題作星の秘密

ヘイゼン,侯爵,純血種の吸血鬼
天之昴,医学系大学院生,24歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

両親を亡くし、悲しみに暮れる天之昴は、星空の下で侯爵と呼ばれる謎の金髪の男に出会う。一目で彼に惹かれていった昴だが、実は彼は純粋種の吸血鬼だった。昴は侯爵の別荘に血液提供者として連れ去られ、最初は途惑うものの、次第に悲しみを背負う侯爵を愛しく思い始めてしまう。一方、侯爵は遠い過去に愛という感情を捨ててきてしまったようで…。悠久の時を紡ぐラブストーリー。

作品情報

作品名
星の秘密
著者
剛しいら 
イラスト
巴里 
媒体
小説
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリア文庫
シリーズ
夜の秘密
発売日
ISBN
9784861341052
3.3

(6)

(1)

萌々

(1)

(3)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
19
評価数
6
平均
3.3 / 5
神率
16.7%

レビュー投稿数2

サブキャラクターに惹かれた

秘密シリーズもとうとう3作目。
独立したお話ではありますが、最終巻なこともあって1,2作目のキャラクターが度々ゲスト出演していますので、やはりこれは1作目から順番にがおすすめです。

天涯孤独になってしまった、大学院で血液の研究をしている青年・昴が、夜が似合う謎めいた美貌の男性に話しかけられることから始まる物語。
3作目にしてついに伯爵と呼ばれる純血種の吸血鬼がCPに登場とくれば、さあ一体どんな恋が?と気になるところ。

戸惑いだらけのはずだったというのに、理屈抜きで真っ直ぐに好き好きと伯爵に思慕の念を超えた感情を抱き始める昴に、ちょっと流れが唐突かなあと思ったりもしましたが…
永遠に近しい時を生きる人ならざる者と、短命な人間の寿命の差から来る価値観と想いの強さの違いや、彼らを取り巻く人々の複雑な感情のうねりは読み応えあり。
そして、ただの人間の昴と接するうちに、数百年ぶりになにかが動き出す伯爵の姿も見どころかなと思います。

お話は面白かったのだけれど、うーん。
正直なことを言えば、伯爵と昴の関係よりも提供者の赤根先生の叶わぬ想いが良すぎて、どちらかというとメインCPよりもサブキャラクターに想いを馳せてしまったかな。
いやはや、これはあまりにも切なすぎる…
しかしながら、結びの部分はきちんと救いのある流れになっていて、なおかつシリーズを読んでいた人ならにやりとしたくなるもので、やっぱり剛先生のお話が好きだなあと。
前作、前々作のキャラクターたちともまた会えてうれしい1冊でした。

0

人種の違いを超えた恋

前作「月の秘密」「夜の秘密」と続く「秘密」シリーズ第3弾です。
シリーズとは言え登場人物は変わっているのでこれだけでも楽しめますが、リンクしてる部分がまったく無いわけではないので先の2作も読んでおいた方が2度も3度も美味しいかもしれません。

交通事故で突然両親を失い天涯孤独の身の上となった天之 昴(あまの すばる)はある夜金髪の美しい男性と出会います。
「君の望みは全てかなえてあげる」と言うその不思議な男の妖しい魅力に惹かれて「僕の望みはあなたのそばにいること」だと告げるのです。

そしてその翌日、昴の前に両親の知り合いだったと言う男が現れ昴をさらうように連れ去ってしまいます。
昴が連れてこられた洋館にいたのは数人の男たちと、星の夜おぼろげの記憶の中にあるあの美しい金髪の男性でした。

昴は彼にあえた事を喜びますが、彼の方は全くと言っていいくらい昴に無関心なのです。お互いの中の感情面での温度差に昴はこの先も悩まされる事になります。

実は侯爵は世界でももう残り少なくなってしまった吸血鬼の純血種で同じ館にいる男達は皆、侯爵から何がしかの恩恵を受けつつ自分の血液を侯爵に提供するいわば選ばれた者ばかりだったのですね。

昴は人間で、人としての感情が多分にある、性欲も食欲も人を乞うる気持ちも、しかし侯爵は人ではないので、昴と同じような感情は全く持ち合わせておらず、昴は次第に他の提供者達に嫉妬したりするんですよね、報われぬ恋に身を焦がす辛さ、たとえ相手が自分とは生きる世界の違う人(?)でも相手を想う気持ちは止められない。

……辛いですね。

どんなに相手を思っても片方の想いが強いだけではどうにもならないのですが、この二人の関係は双方の思いもよらぬところで動きを見せることになります、昴の想いは伯爵に届くのか・・・・・・。

それはやはり読んでみてのお楽しみと言うところでしょうか?

特にこれと言って大きな起伏のあるストーリーではないのでドキドキハラハラ感はあまり味わえませんが、剛さんの書かれる作品の中でこのシリーズは妙に心に残る作品なのです。秋の夜長に静かな気分で読むのにはぴったりの1冊かもしれません。

2

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