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表題作専属契約

静,才能溢れる俺様カメラマン
彗,16歳,女装モデル

あらすじ

★「こんな僕に、誰かを好きになる権利はあるのかな」★常磐彗、16歳。性別、男。ある朝、女優であり母である各務子夜子に呼び出され、少女のふりをしてCMモデルを引き受けることになる。本当は引き受けるつもりはなかった。けれど、傲慢なカメラマン・静竜之介との出会いが彗の闘争心に火を付けた。才能溢れる静に惹かれる彗。静は少年である彗を抱き、モデルの「彗」が実は男であるという秘密を守ることを条件に彗と専属契約を結ぶ。自分以外に写真を撮らせるな!と。恋を知り成長していく彗。それは別れが近くなることも意味していた・・・!?

作品情報

作品名
専属契約
著者
橘紅緒 
イラスト
北畠あけ乃 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHYノベルス
発売日
ISBN
9784813011149
3.8

(35)

(15)

萌々

(7)

(8)

中立

(1)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
8
得点
128
評価数
35
平均
3.8 / 5
神率
42.9%

レビュー投稿数8

眺めるよりも読んでみて下さい

橘さんは作家買いをするのですが、タイトルが何やら購入を躊躇わされますね(苦笑
でも中身はひじょうに良かったです。
しまい込んでありましたが、もっとはやくに読めば良かったです。

受けの彗は、その特殊な育ちが一因で渋々女装でモデルを引き受けさせられた16歳。

攻めは有名なカメラマン、静。
傲慢でいわゆる俺様的ですが、アーティストといった点ではありかなと。

彗は女性モデルのピンチヒッターで、初めてモデルをした際のカメラマンが静でした。
目線が慧なので静の気持ちは語られないのですが、彗をさりげなく汚い業界から守る為に専属契約したりする辺りは、わかりやすく彼の内心を表しています。
最初の傲慢な感じはあまり好きではなかったのですが、それを含めての静なのだと読み終えると感じます。
ふたりのその後を感じさせるラストも、素敵でした。

ただ彗は16歳ですし特殊な事情でモデルを引き受けたのですから、マネージャーが女装を知らせられないような相手というのはあまり説得力ないかな。

ノベルズでも一段ですから、あっという間に読み終えてしまいます。
時間があまりとれないような方でも大丈夫です。

5

さらりと切なく美しく

橘さんは、一作読んですっかり魅せられた作者さん。
ただし文章に癖があるので、好みは分かれるかも?だが
この作品は、あまり込み入った伏線もなく読み易いのでは?と思う。

独特の繊細な雰囲気や透明感、ひそやかに含みのある表現は、健在。


生い立ちの為にひっそりと静かに生きている16歳の少年彗は、
ある日唐突にモデルーしかも女装してーとして引っ張り出され
若きカリスマ写真家の静と出会う。
(余談だが、BLで静という名字に出会うのは二度目。
静ってそんなに多い名字なんだろうか?と調べてみたら
全国で1600人もいるらしい……なるほどw)


まだ恋もしらない固くて青い少年が、出会った男に揺さぶられながら
自分の気持ちも相手の気持ちも掴めず、
どうしていいのか分からずにいる不安定な様子がいい。
全てがその彗の視線で描かれているのに、
読者には静がどれだけ彼に惹かれているかが分かる。
でも、当の彗には分からない……

そんな微妙にすれ違っていく二人の様は、微笑ましくも甘くやるせなく
キュンとしながら読んだ。

派手でスタイリッシュな業界を舞台にしているが、淡々としたストーリーで
彼の身の上に関する事情も、最初から見当がつく。
トリッキーな伏線はあまりなかったけれど
最後に、霧が晴れるように世界が広がる感じは
いつもの橘作品の味わい。

ドラマチックさはないけれど、好きな作品でした。

4

再読をオススメしたい作品

「女装モデル」といういかにもBLファンタジーな設定に、
いくら華奢な少年とはいっても、無理があるんじゃないのか?
と当初は思ったのですが。
それを不思議と違和感なく、すんなり読ませてくれます。

人物の心情や状況について詳細な説明がないので、
書き込み不足と言われてしまう場合もありますが。
私は想像をかき立てられ、グイグイと惹きこまれました。

面白かったのは、彗の目線で語られているのに、
静の心情の方が分かりやすかったことです。
ここまであからさまにアピールしているのに、気付いてもらえない静が不憫で(笑)
彗はどこか曖昧でぼんやりとした雰囲気で、彼の真意がどこにあるのか分かりにくく、
またそこがとても魅力的で!静がハマるのも納得です。
多分、彗は静に翻弄されていると思っているでしょうが、
実際に振り回されてオロオロしていたのは、俺様な静の方だったと思います。

一気読みの後、何となく気になる部分があり、再読。
すると初めに見逃していた小さな伏線や表現に出会い、
さらに作品が面白くなりました。
再読すればするほど、味が出てくる作品だと思います。

4

業界モノです

攻め・静は超俺様男なんですが、その態度は類稀なき才能に裏打ちされたもので、
受けの彗はそんな静の態度にツンツンと反発しながらもカメラマンとしての静の才能に強く魅了されていくようになります。

また、静はそんな彗の被写体としての天性の魅力を大きく買い、彗に自分と専属契約を結ばせます。

最初は2人の才能同士がお互いを引き合わせたという感じなのですが、一緒に時を過ごしていくうちに、徐々にお互いの人間性に惹かれあっていくようになり…

具体的に「お互いのここが好き!」というのは明言されていませんが、読んでいて
「ああこういうところに惹かれたんだろうな」というキャラの魅力が作中から伝わってきます。

ただ、彗の抱える家庭の事情など、難関の問題が山積みだったわりにあっさりと解決したので「あっ、もういいの??(汗)」とちょっと拍子抜けしてしまいました…

でも、あんまり波乱万丈だと読んでいてつらいので私にはこれぐらいがちょうど良いのかもしれません…(^_^;)


3

専属なのは独占欲から

カメラマンとモデル、俺様とツンデレ、といった関係の二人。

特別に大きなインパクトがあった訳ではないですが、読んでいるうちにじわじわと引き込まれて行く感じがしました。
男なのに華奢な体格ときれいな顔を活かし、モデルとしてカメラの前に出た彗を写していく静。
傲慢な態度の静に腹立たしく感じながら、その実力は認めざるを得ない。
仕事を通しての付き合いのはずが、静と専属契約してしまうことで、ON OFFどちらも専属とされてしまいます。

俺様だけどじつは優しくてヤキモチ焼きな静と、ちょっぴり生意気なんだけど、本当はナイーブで寂しがりやの彗。
二人の外側と中身のギャップも話を盛り上げる要素の1つとなっていました。
でも結局は甘々なんですよね~。

3

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