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表題作夜に濡れる蝶

アルフレッド・コーエン 日本人嫌いの取引先社長
領家直希 日本人商社マン

あらすじ

アメリカで働く領家直希は、取引先の社長アルフレッド・コーエンに約束を六回もキャンセルされた。
何とか面会までこぎつけたものの、日本人嫌いのアルの理不尽で傲慢な態度に怒りを爆発させてしまう。
それが功を奏し、仕事は成功。
だが直希はアルに気に入られ、彼の休暇に付き合わされることに!直希を別荘に招待したアルの目的は、東洋の蝶のような直希と「2週間限りの体だけの関係」を楽しむこと。
自分勝手で最低な男だと蔑みながら、直希はアルの男らしい美貌と、触れてくる熱い指や唇に、次第に逆らう気力を奪われていくが―。

作品情報

作品名
夜に濡れる蝶
著者
高尾理一 
イラスト
せら 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラノベルスHYPER
発売日
ISBN
9784778101770
4.2

(12)

(3)

萌々

(9)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
51
評価数
12
平均
4.2 / 5
神率
25%

レビュー投稿数4

ワクワクする展開

 傲慢な攻めがぎゃふんという展開が大好きなので、すごく楽しく読めました♪
 攻め受け両視点あるので、両片思いのじれったさを味わうこともできました。
 自分で期限付きの身体だけの関係だと言いながら、アルフレッドはどうみてもどんどん直希に夢中になってるのに、プライドの高さと、愛を知らない心の貧しさで、自分でそのことに気づいていません。直希が早く自分にすがってくればいいのに、なんて勝手なことを思いながら、どうすれば直希とずっといられるのかあれこれ馬鹿な計画を立てています。その最終的な計画は、直希と恋人になること!そのためには直希を愛してる振りをしなくては、なんて信じられないマヌケなことを考えていたのです。ずっと一緒にいたいと思う時点で、愛してるから!どうして分かんないの!?馬鹿すぎてこの傲慢な男が可愛く思えました。
 直希は、そんなアルフレッドの心が理解できなくて、身体だけの関係にずっと苦しんでいました。
でも、アルフレッドには黙っていましたが、彼の大切にしている絵は、直希が三年前に描いて、初めて売れた絵だったので、自分の絵を褒めてくれたアルフレッドを、どうしても見限ることができません。身体だけじゃなくて、自分を好きになってほしいと願いながら、言えなくて涙をこらえている直希があまりに切なくて、そんな男捨ててしまえ~と言ってやりたくなりました。
 とうとう直希が決断してお別れを言ってやった時は、スカッとしました。できればその直後のアルフレッド視点を読みたかった。ようやく直希への思いを自覚して日本まで追いかけてきたからって、許すの早すぎ。もう少し反省させたいです。
 でも、これからまた直希が諦めていた画家の夢を、アルフレッドの支えで実現できそうなので、よかったと思います。経済的な援助だけでなく、自分の才能を認めて、描いた絵を好きになってくれる人が傍にいてくれたら、直希も頑張れますよね。
 

4

笑えるシーンがいっぱい

高尾理一さんの作品で一番好きな本です。というか、持ってるBL小説全部あわせても1,2を争うくらい何度も読みました。
表紙の絵からは艶っぽい海外テーマの作品という印象を受けますが、中身は大違い。冒頭から、これはコメディ??と疑うくらい何度も笑いました。

高尾さんは日本人嫌いの高慢な海外セレブ×強気だけど健気な日本人青年というカップリングをよく書かれ、この作品も例にもれずその路線なのですが、本当に外国人がやりそうな言い回しや一見慇懃で実は皮肉な言い回しが本当に楽しく面白かったです。文章が楽しい!と思えるBL作家さんの一人です。

最初は嫌われていた直希が、いつのまにか仕事相手の実業家・アルフレドに気に入られ、二週間の休暇を彼の別荘で過ごすことになります。アルフレドの「気に入った」というのは性的なことも含まれていて、直希はイヤイヤながらも仕事のためだとアルフレドについていきます。それでも身体を許すわけでなく、抵抗し続けるわけですが…「あなた、変体ですよ!」って台詞が面白かった。

嫌々言っていた直希ですが、アルフレドが、昔直希がアマチュア画家として描いた絵画を偶然購入して飾ってくれていたことを知り、次第に好意を持つようになります。
好意を持つと今度は逆に、アルフレドが自分に向けている感情が純粋な恋愛感情ではないとわかってくる。
アルフレドは気に入った人間を数週間は侍らせて可愛がり、お金をかけますが、そのあとはさっぱり別れるというライフスタイルの人間。
お金を持っているだけに人間を信用せず、心からのパートナーは求めておらず、その時その時気に入った人間と遊んでいます。自分はアルフレドを好きになってしまったのに、アルフレドは直希のものにはならない。アルフレドは甘くて愛のある言葉を冒頭から何度も何度もささやいてくれるのにそれが真実でないとう矛盾。

その後、2人は関係を延長し、逢瀬を続けるのですが、日増しにアルフレドの真摯さはなくなっていく気がして読んでるほうは若干腹ただしくなってきます。直希は、身体はもらってくれるのに、心はもらってくれないアルフレドに葛藤し、最後は絵を描いて送ってそれを手切れに日本に去ります。
「あなたの心がとても貧しいから、私が最後に愛情を恵んであげる」と言って絵を置いてさるシーンは印象的でした。
でもこの本の評価を高くしている理由は最後の最後に日本まで直希を追いかけてきたアルフレドが言う台詞です。自分のことしか考えてなかったアルフレドがわざわざ日本まで自分を追いかけてきてくれて、それだけで既に直希の心は揺れているのですが、そこでアルフレドが言った台詞「自分で言うのもなんだが、私はこう見えて捨てたもんじゃないんだ」って、ほんとに自分で言うな!って感じです。
それだけでもうこんな奴でもこれはこれで仕方ないんだとこのキャラに逆に愛情がわきました。

2

かわいいケンカップルの甘々に癒される

どちらもノンケな上に、仲悪い二人がだんだん近づいていく様子がコミカルに楽しく描かれていて、とても面白かったです。
タイトルや表紙で、ねっとりしたお話なのかな?と思ってましたが、まったく違って明るく楽しいケンカップルのラブコメで、いい方に期待を裏切られました。

この二人のやり取りが本当に面白くて。意地悪な攻め様に思わず切れて好き放題言う受け様にはスカッとするし、あとからそれを後悔してドツボにはまる姿はコミカルでかわいくて。攻め様がいじめたくなる気持ちがわかる気がしました。

可愛いなーと思っているうちに、いつの間にかすっかり虜になってしまって振り回されている自分に戸惑う攻め様も、少年ぽくてかわいらしい。

ほほえましくてかわいいどたばたカップルのいちゃ甘に癒されました。

2

高尾先生の得意なパターン

高尾先生単発モノお得意のパターン。
大前提として攻めはハイスペック&エネルギッシュ、受けは美人&仕事ができる。
そしてハッピーエンド。

1、理不尽なまでに攻めに嫌われシャットアウトされる受け
2、アクシデントをきっかけに受けへのエロ感情が芽生える
3、エネルギッシュ攻め、下半身にエナジーを送り続けワリカシ早めに下半身の意見に忠実に従う。受けの意見は参考程度。
4、ガッツンガッツンエネルギッシュ攻めの本領発揮。受け超敏感体質&細くて美人なのに尻穴はかなり丈夫で体力もある。
5、ハッピーエンド

百年~、傲慢君主~、夜に~、で今のところ3冊で同じパターン。
設定もちゃんとしてるし萌え度も高いし最後まで読めるし非の打ちどころもないけど、ちょっと食傷。
でも悪いところはどこもないと思います。

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