あいの、うた

あいの、うた
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神9
  • 萌×24
  • 萌10
  • 中立1
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
7
得点
92
評価数
25件
平均
3.8 / 5
神率
36%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
蒼竜社
シリーズ
Holly Novels(小説・蒼竜社)
発売日
価格
¥857(税抜)  ¥926(税込)
ISBN
9784883862801

あらすじ

田頭は一時アイドルとして成功した。
一枚目のシングルは大ヒットしたが、その後のCDは鳴かず飛ばず。
ミュージシャンとしての才能は皆無だった。
スタジオミュージシャンとして日々を送る田頭は昔の栄光を忘れられず、仕事がほとんどない現在も音楽の世界から足を洗えずにいた。
そんな時、高校時代のバンド仲間・小日向に再会し…。

表題作あいの、うた

小菅博近,音楽雑誌のライター,25歳
久保山明人,売れないミュージシャン,28歳

その他の収録作品

  • The end of youth
  • その後の・・・The end of youth

評価・レビューする

レビュー投稿数7

ある意味現実的すぎて痛い

物語は始終淡々としていて、夢に破れた男達の話が延々続きます。
それはもうしつこい程に。もうわかったら、その辺で傷口に塩すり込むのはやめといてあげて……と思わず木原さんの背後から肩を叩きたくなるような気分。

いつものような痛い描写があるわけではないんですが、随所に出てくるセリフに、胸がクサっと突き刺されるような気持ちになります。
傷つくとかそういった感情ではなくて、せつなく優しい、そして歯がゆい。
どうしようもない感情からこぼれでた言葉が自然で、不意に涙が零れます。
あぁ、まずい、そろそろ泣くかも……と自覚して泣くのじゃなくて、ホントにその文章読んだ瞬間、急にこみ上げてきてぽろっと涙が落ちるようなそんな感じでした。

「なに泣いてんだよ」
「俺、ゲイだから」

ここの台詞で参ったってなる。
読後もすっきり爽快とはいきませんが、精神状態の良い時に読むとそんなに削られずに済みます。

0

鬱BL

芸術を仕事にしている人、しようと思っている人には読ませたくない一品。
それほど心に来ます。
後味は悪い方かと。

題が、青春の終わりですからね、切ない話でした。

最初のあいの、うたは心にじんわりと来るいいBLだと思います。
途中やっていることが何もかも上手くいかないのは解って、先は読めるんですけど、
木原がよく表現しているむき出しの愛が痛いくて愛おしい。
攻めのあいのうたは率直で飾らなくてドキっとしました。

The end of youthは辛い良い意味でBLではない。
田頭の弱っている心に付け込んだ力みたいな。
運と才能を若い頃に使い切ってしまった田頭が不憫。
音楽で食って行こうとした者の末路がリアルすぎて泣ける

最後、編集長どうなったんでしょうか、それが気になります。
音楽に関わり続ける限り彼は永遠に世間一般に思われる幸せにはなれない。

0

この文体を評価します

木原作品としては、あまりレビューもついておらず神評価も少ないために読む前の期待はなく本を入手後もすぐに読まずにおいていました。サラッと読みたいなという気分の時にページを開いて読みだすと、おもしろくてスルスルと進んでしまいました。
「あいの、うた」は、感情のまま自分を偽らずに生きているボーカリスト(作詞作曲もする)と極小?音楽雑誌エディターとのジワジワとつめてゆく愛の話。正直にそのまんまのタイトルが邦画っぽくて好きです。
「The end of youth」は「あいの、うた」の主人公の勤め先の編集長・田頭が17歳の高校生~27歳のおちぶれミュージシャンだった20~10年前のお話。友達の一つ年下の弟が強烈な性格で田頭を煩わせつつも、その誰にも劣らない真っ直ぐな個性でやがては田頭の拠所となっていきます。青春の果てに青春は終り、音楽の才能なく夢破れた田頭ですがこのお話の終盤で田頭はコンビニで誰の歌かもわからない歌を耳にして、歌を「聴きたい」と渇望します。自分が歌を歌うこと作ることは諦めてもまだ音楽を手放せないラストは余韻を残しました。
登場人物はどれもありがちな人々ばかりだけれど、この作続き者さんは無駄な説明などなくとも情景描写に長けているため、シンプルな文体の一般小説として十分に読めます。
この作者の中でも、リバーズエンドの中の「god bless you」「箱の中」などの淡々とした描写を折り重ねていく文体で綴られています。とても読みやすく、おすすめです。

1

二組のカップルのあれこれ

先日、宮本さんのマンガで出たのは田頭眞一と力の「The end of youth」ですが、巻頭の表題はその後の田頭が立ち上げた音楽雑誌のライター小菅とミュージシャン久保山のお話です。
二組の愛の形、それぞれに違うようでいて何気に近しいものを感じてしまう、そんなお話でした。

小菅は編集長の眞一はじめ編集部一押しのバンドのインタビューにピンチヒッターで出かけるのですが、好きでない音楽だったのでボーカルの久保山からの印象は最悪、小菅もいい印象を持ちませんでした。
しかし、眞一のインタビューを聞いて気になり始め、またバンドのベース井上に恋心を抱いたことから、足げにライブに通うようになり、久保山は小菅の住居に通い出すようになる。
小菅がゲイと知っても、何の偏見もなく来る久保山。
反発しあう二人、でも井上への恋心が敗れた日、久保山の歌を聞いて涙する小菅。
久保山は小菅といることが心地よかったのです。
それが、好きという感情であっても愛であったかどうかは言いきれないのですが、小菅の感情に押され、そして小菅を失いたくなかったのだと思います。
小菅がゲイであることから、この二人の関係続きは当然のごとく恋人関係になるのではありますが、小菅勝ちだなという印象を受けました。
気持ちの触れ合いがあれば性別は関係ない。
BLには当たり前のように存在するセオリーですが、こんなロマンティックでもない生の感情のぶつかり合いの愛は日常的で親近感が持てます。

一方、田頭眞一と力の関係は、高校時代にさかのぼった力のすさまじい眞一への執着愛です。
一旦途切れ、再会、そしてどんなに拒否されようと力の発言が、態度が、他人から聞かされれば反発するのに、力からなら素直に受け入れることができる。
「お前を愛していると思うんだよ」という最後の告白に、高校時代の一方的にさえ見えたこの気持ちは、眞一に深い影響を与えていたんだと思わせました。
都合のよい眞一だな、力も見捨ててもいいのに、とさえ思えるこの二人の関係なのですが、本当の自分を見つけることが出来た眞一は幸せなのかもしれません。

「その後の・・・」で編集部を廃部になった眞一の姿が描かれて、眞一と力の関係がよく見えました。
力は死ぬまで離さない、深い愛で眞一を包んでいます。
自分を見つけた眞一も自分の足で生きています。
二人に幸あれ・・・
宮本さんの漫画があったおかげで眞一と力の姿がより理解できて、評価が萌えに上がりました。

2

良い意味で泥臭いです

まず表題作。ぼんやりしているように見えて冷静・辛辣な音楽ライターの小菅が、売れないバンドボーカルで乱暴だが媚びない正直過ぎる男・久保山に徐々に惹かれる段階に説得力を感じました。特に『落ちた』切欠が、小菅の失恋を綴ってつくった久保山の歌というのが良いです。山手線三周分の涙とかいいじゃないですか…。
そして、久保山のバンドがタイアップというチャンスで希望の光が見えたところで、小菅の所属する編プロの音楽雑誌が廃刊、タイアップも中止という展開が容赦無いなあ…と思いました。だがそこがいい。作品自体が淡々としているというか、音楽を、雑誌をつくる人々の描き方が良いというか、次第に寄り添う二人の雰囲気がさりげなくて良いというか。

The end of youthについて。
青春の終わり、ですよ。登場人物の名前を覚えるのが苦手なのと、表題作とこちらを読むのにインターバルがあって、主人公が雑誌『move』の編集長だと最後の方まで気付きませんでした。
こちらはなかなか痛いというか、田頭の仲間に対する裏切りがキツかったです。力に対しても酷いですが…。鬱陶しいならそうと言えばいい!が、人間関係を拗ら続きせることをはっきり言えないのも分かります。また小日向力というキャラがなかなか強烈なので、ひたすら逃げ腰になるのも仕方ないのかな。
そして自分の才能に見切りをつけることができない痛々しさ。いっそ認められた俳優業をやればいいのに、と安易に思うのですが、本人にやる気が無い以上いずれは行き詰まるのだろうし…。売り込んだ曲が正当に発表されないというのは流石に気の毒でした。それで落ち込んで力に寄り掛かろうとするのは…分かるがしかし都合が良いというもの。で痛い目見るわけですね。しかし、最後には甘える術を身に付ける主人公がしたたかです。何でこんなに人間臭いキャラクター造形をするのだ木原先生は…。

萌えというのとは少し違う気もするのですが、表題作の雰囲気が何となく好きだったのと、宮本佳野先生のイラストがたいへん馴染んでいると感じてこの評価です。特に口絵(二人とも後ろ向きですよ!)と、65ページの挿絵が好きです。

もう少ししたら漫画版発売とのことですので、読んでみようかな。

2

音楽もの

音楽ものな一冊でした。

『あいの、うた』
音楽雑誌のライター・小菅×ミュージシャン・久保山。
出会いは取材だったのですが、小菅は久保山のグループを嫌っているため喧嘩勃発。
でもあることがきっかけで久保山は小菅のアパートに来るようになります。
久保山は口は悪いし態度はでかいしで俺様でした。でもいつも小菅のアパートにきても寝たりご飯食べたりと猫みたいでしたね。
初め久保山が攻めになるのかと思ったら「ケツ痛てえ」って言ってたんでああ受けだったんだとw

『The end of youth』
こちらは小菅がいる編集部の編集長の話。
表題作よりこっちの方が好きかもしれません。
友人の弟に迫られる話なんですが、この弟がちょっと変わってて。
関西弁で、言いたいことはすぐ口に出しちゃうんです。
とにかくこの弟、主人公が好きで好きで苦しくてどうすればいいかわからないといった感じ。
でもそんな弟が嫌で主人公は黙って上京し、歌手の道を歩み始めます。そして再会する二人。
攻めが関西弁なのは新鮮でした。しかもちょっとわんこでしたしw

全て音楽関連の話でしたが、どの人物も成続き功していく…とは夢の話で。
厳しい現実を思い知らされた感じでした。
でも最後はハッピーエンドで、比較的読みやすかったんじゃないかと。
夢とか青春を思い出させる作品だと思いました。

1

アイアム木原フリーク

万人にはオススメしません。
夢を失うことの怖さがリアルでした。
この、フンづまりのような展開…嫌いな人は嫌いなんだろうなァ。個人ブログやAmazonでレビューを見てると、木原音瀬さんを苦手にしてる人も相当数いるみたいですが、木原音瀬フリークな私からしても、『分かる分かる』と思ってしまいますw
つくづく木原音瀬節です。
売れないミュージシャンや一発屋のミュージシャンを、とことん突き落として突き落として、結局浮上させてあげなかったり。
暴力的でエキセントリックで、ちゃんと愛を返してくれるのかも分かんないような男を相手役にしてみたり。この小説なんて、相手役は、アスペルガーもしくは境界性人格障害だとしか思えなかったよ…w

私も若いときに、全身タトゥーでチンコにまでピアスつけてる気合い入ったバンドマンと付き合ってたことがあるんだけどw、彼らのプライドの高さとか音楽への情熱とかって、一種独特なんだよね。仲間で語りはじめると、入りこめないし。
なんかイロイロ思い出しちゃって、まともに読めなかったかも。ただ胸がヒリヒリしました。

1

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