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表題作キスに濡れる純情

日下遼一,新人アート作家をバックアップする会社社長
浅井祐真,20歳,日本画専攻の美大生,駆けだし書家

あらすじ

大学に通う祐真には“書家”というもうひとつの顔がある。
新人アート作家をバックアップしている企業『ヴェルエイク』の社長・日下遼一に才能を見出され、駆けだし書家として華々しい一歩を踏み出したところ。
けれど、才能を嫉まれてか祐真はストーカーに狙われるようになる。
そんな時、包みこむように優しく支えてくれた遼一に、祐真は憧れ以上の気持ちを感じはじめる。
さらに遼一のマンションで同居することになって。

作品情報

作品名
キスに濡れる純情
著者
森住凪 
イラスト
巴里 
媒体
小説
出版社
オークラ出版
レーベル
プリズム文庫
発売日
ISBN
9784775506813
2

(5)

(0)

萌々

(0)

(2)

中立

(1)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
2
得点
7
評価数
5
平均
2 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

もったいないかも

プロの書家として名が売れ始めている受け様は
新人の教育・バックアップに熱心な会社の社長の
攻め様に才能を見出された一人。
書の研究家である祖父を持ち、幼い頃からその世界に触れていた受け様は、才能に奢ることなくひたむきに取り組んでいます。
そんな中、受け様の作品を保管している恩師でもある
書道家から事件の一報が。
受け様の作品だけがボロボロに引き裂かれていて・・・
1度は気持ちを切り替えて新たに作品を作りますが
今度は、自宅が荒らされて、見えない悪意に怯える受け様。
そんな受け様を才能だけでなく、個人としても
愛しいと思っている攻め様とのラブストーリー。

このお話の伏線は受け様の才能に対する執着で
犯人は、一種のエロトマニアで受け様の才能は
自分の才能だと異常な行動をしていますが
所詮、伏線部分ですので左程の怖さは感じません。
なんとなく、リアリティー不足この題材を選んだ割に
この題材での広がりはなかったような気が・・・
まぁ、この事件をきっかけに相思相愛になるのですから
こんなもんでしょう!

1

甘いのは好きですが

ストーリーそのものはありきたりというわけでもなかったのですが、恋愛ものとしてはベタベタで抑揚のない感じだったので、まさかこのまま最後までいくのかな…?と思っていたら本当にそのまま終わってしまったといいますか…。
気になる点はいっぱいあったのに、楽しめた点があんまりありませんでした。

主人公の祐真は20歳で学生だけど書道家として軌道にのりつつあります。
才能があり、努力家で健気。お相手の遼一はアート作品を扱う会社の若き社長で祐真の作品も高くかってくれています。

この遼一と祐真の関係ですが、どうみてもノンケの同性同士の関係じゃない…と冒頭から感じ、それにもの凄く違和感がありました。
文章の端々から察するにおそらく二人ともゲイではない…はず。

遼一は最初から祐真にべた甘で、「可愛くて襲いたくなる」なんて言い、祐真は真に受けて赤くなり、遼一を意識してドキドキしています。
「酔わせてさらってしまいたい」というセリフもノンケの男性が言う台詞ではないなぁという違和感が。

以下は完全にネタバレをふくんでいます。
祐真は事件に巻き込まれて、心配した遼一と同居することになるのですが、居眠りしている祐真に遼一はキスをしかけます。
「好きだ」と呟く遼一は、祐真の服に手をかけて、けれど「駄目だ!」と叫んで離れていく。
独り言にしては失礼ながら…なんてべたなの?と思ってしまいました^^;もちろん祐真は起きています。
こういうシーンはもう少し捻ってほしいなぁ。

祐真は最初から遼一にドキドキしていて、私はてっきり最初から祐真は遼一が好きなんだと思っていました。でもその告白を聞いて、男同士だし、好きなんてありえないと否定するのにも違和感が。
じゃあ冒頭から遼一にドキドキしときめいていたのは一体何だったのでしょうか?

冒頭からあまりにも甘々で男同士の会話じゃないと思っていただけに、中盤以降になり急に「男同士で恋愛感情はありえない」と否定する様子にしっくりこなかったです。

何より一番単調に感じてしまったのが、裕也が巻き込まれた事件の真相です。
たいていの人なら事件が起こった一番最初から犯人が予想できてしまう内容だったので、せっかくだからもっと面白く展開できたらよかったのにと残念に思いました。

遼一が優しく何でもできる男性で、最初から無条件で祐真に甘く、祐真を守ってくれます。
最初からそうなので恋に落ちる過程というか、新鮮味がなかったというか、余りに問答無用でやさしいので、お話のキャラクターとして面白みがなく、優しくていい人なだけの薄いキャラクターに見えてしまいました。祐真もかわいらしく健気で欠点のないキャラクターだったので、少々面白みに欠けたというか…。

もともと「妄想恋愛」というものを書きたくて書いた作品らしく、妄想恋愛というものは事件の真相に大きくかかわってはくるのですが、せっかくの面白いテーマを活かしきれていない気がします。

ただ、べたべたに甘い二人読みたい、という時にはオススメだと思います。

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