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表題作灼熱のハイシーズン

仁科,旅行会社企画部チーフ,30才
工藤,旅行会社企画部新人,22才

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

「フラれたのなら俺が慰めようか」―ある夜、酔ったいきおいで見知らぬ男に抱かれた工藤。
ところが念願叶って入った大手旅行会社でまさかの再会!?その男、仁科は企画部の有能なチーフ。
精悍な容貌に妥協を赦さない姿勢で、新人の工藤を厳しく指導してくる。
あの夜とは別人のような態度の仁科に、好奇心を煽られる工藤。
けれどある日、仁科と二人での海外視察旅行を命じられ…。

作品情報

作品名
灼熱のハイシーズン
著者
秀香穂里 
イラスト
長門サイチ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199003790
2.7

(8)

(0)

萌々

(0)

(6)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
20
評価数
8
平均
2.7 / 5
神率
0%

レビュー投稿数4

真面目なふたり

今度は旅行会社です。皆さんよく働きます。プロフェッショナルなので当たり前だとは思いますが、みんな複数の外国語がしゃべれるものなんでしょうか?尊敬しちゃう。

さて、セックスが合わないと彼女に振られた工藤が、行きずりの男・仁科と優しい一夜を過ごし、その男が職場の先輩だったからさあ大変っていうお話なのですが、これからの展開をハラハラドキドキ楽しむタイプではなく、気持ちとしては既に両想いの二人がどんな過程を経てまとまっていくかと言うお話です。なにせ周囲の皆がすでに応援体勢ですので。

それにしても、自分にも部下にも厳しい完璧男仁科の過去の恋人が気になる。こんなに四角四面なのに付き合えた人ってすごいと思う。私だったら気がつまってしょうがないもの。しかし、工藤ちゃんは負けず嫌いで人一倍向上心がある子なので、そういう意味では仁科にうってつけの存在ともいえます。

お互いを尊敬し、認め合い、高めあえて、なおかつセックスの相性もバッチリだったら、言う事ない気もしますが、なんか疲れそうなんですよね。熱すぎて。(だからタイトルが“灼熱の”なのか?)
旅行の企画を軸にしたストーリー展開はただの旅行と違って斬新でしたし、読みやすかったので評価は萌にしましたが、この二人の関係は私には重過ぎる。瀧本くんと耀子ママが中和してくれているからいいんですが。

1

夜の虹

ファーストレビューの久江羽さんも書かれているとおり、
「この二人の今後はどうなるのっ!?」という展開ではありません。
バーの耀子ママ目線で見守るように読むというのがいちばんですね。

この作品の読みどころは、きちんと描かれた旅行会社のお仕事内容。
花形と捉えられることの多いツアコンではなく、一般の利用客の目にはなかなか触れることのない企画部です。
仕事も恋もまだまだ初心者の工藤が鉄仮面と評されるデキる仁科に公私ともに鍛えられていくのです。
ただ、仁科と工藤は似たところがあるので長く続いてゆくにはお互いの努力が必要だろうな、とも思ったり。

夜の虹というロマンティックなモチーフもよかったですよ。
星降る夜にそんなコトを…というのが甘くてグッときます。

1

タヒチ観光ガイドブック?

タヒチ行ってみたいなぁ~って、つくづく思いましたよ。
観光ガイドブック顔負けの魅力的なうたい文句に、すっかり気分は
タヒチに飛んでました~♪
夜の虹って初めて聞きました!
う~ん、ロマンチックですよね~ww
男2人でタヒチの夜の虹を見てる姿は、なんとまぁ美しいことでしょう!
そっちの方が見てみたいかもwww

肝心なとこでうっかりミスの多い工藤と、8歳上の仕事を完璧にこなす
仁科ですが、いくらなんでも仁科さん完璧過ぎじゃあ~りませんか??
船舶の免許(大型クルーザーも可)を持ち、英語・フランス語・ドイツ語
もしゃべれるときたもんだ!
まだ30才で、バリバリ働いている彼にそんな勉強する時間はあるのか?
とか考えたりもしますが、海外ツアープランナーだと当たり前なのかな?

一方、工藤はうっかりじゃ済まされない失敗を仁科と犯して
後悔に苛まれるマヌケ者。
彼女に「セックスが楽しくない」から別れようと言われ(←これもかなり
憐れだわ...)、ヤケ酒して酔っぱらい、店の客にからんでケンカしそうに
なったところを助けてくれた仁科(この時はまだ就職前で他人同士)に
抱いてくれと懇願し抱いてもらう。
で、その十ヶ月後、就職先で出会った自分の先輩が仁科だった!
おまけに。仁科と2人きりでのタヒチ視察旅行でも
金髪男性に薬を入れられ、熱くなった体を抑えられない工藤は
またしても仁科に抱いてもらう...と言ううっかりを越えたただのバカ。
まぁ、仁科はそんなところがかわいらしく思うんでしょうが...

全体的に観光ガイドブック的な描写も結構あって、
その意味でも楽しめました。
そのせいか、萌えポイントはやや少ないものの、普段寡黙でバリバリ
働く男が恋愛に関しては熱くなるってとこには萌えました。
ゲイで工藤に惚れている仁科は、優しく優しく抱いてあげるんです。
でも、一番の萌えポイントは、工藤の告白のセリフが
「(仁科を)しあわせにしますから」ですね。
え~普通逆でしょ!?って感じですが、なんだか仁科もまんざらじゃ
なさそうで、近いうちに立場逆転しそうな気配がwww

1

ロマンティックな夜の虹

旅行業界の最大手企業に入社できた工藤は、本来浮かれるはずなのに毎日毎日ため息をついていた。
それは、厳しい先輩社員の仁科のせい。だがそれはイビられているとかではなく、10ヶ月前のある出来事が原因だった……
…という思わせぶりな冒頭。
何が起きたのかというと。
付き合っていた彼女に、セックスがつまらないと言われてフられてしまった工藤が、やけ酒を飲んで他の客と喧嘩しそうになり、止めに入ってくれた大人の男性に慰められ何故かそのままホテルへ…という出来事があったのですが、なんとその時の男性が後に配属先の直属の先輩として目の前に現れた‼︎
しかも、その男性・仁科は仕事上非常に厳しい。そしてあの夜のことなど一言も口にしないのです。
工藤は仕事の厳しさと共に仁科の考えていることがわからず、ため息ばかりの毎日。
そんな仁科と工藤が恋人になるのですが。
やる気はあるけれど最後の詰めが甘目な工藤が、厳しいけれどいつも自分の仕事と顧客への責任を考えて真摯に誠実に向き合っている仁科と共に、新しい旅行プランを立て、どう皆が楽しめるのかを考え検証し、一人前への一歩を歩み始める…
そんな「お仕事BL」としての側面も強い作品となっています。
後半、工藤が初めて立てたタヒチツアー計画の下見での、タヒチのリゾートライフはとても素敵です。2人で見上げる夜の虹…ロマンティック!
もちろんエロの匠、秀香穂里先生ですからエロも充実。
ノンケだった工藤が酔った勢い的に抱かれた初回から仁科が忘れられなくなる様、タヒチのバーで外国人にからかわれて飲み物に変な薬を入れられて仁科に鎮めてもらう姿、やっと言葉で好きだと伝え恋人として抱かれる時の陶酔、それらも十分に描かれております。
でもすぐに顔に出ちゃう若い工藤と同じ部署での社内恋愛…なんか危険な感じがする〜…
イラストは長門サイチ先生。大人の仁科がカッコいいです。

1

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