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表題作ラブシーン

片山依光,切られ役の俳優,30歳
瀬野千波,俳優,27歳

同時収録作品ラブシーン SCENE2

片山依光
瀬野千波

その他の収録作品

  • ラブシーン SCENE1
  • あとがき

あらすじ

シャープに整った容貌の人気俳優・瀬野千波と、時代劇役者の片山依光は同居人兼セックスフレンド。
二人の関係は、つきあっていた男に千波が手酷く捨てられた6年前から続いている。
甘やかしてくれる依光を本当の恋人のように思えることもあるが、失恋の傷は深く、千波は本気の恋を恐れていた。
そんな折、千波に映画出演の話が舞いこむ。
好きな監督の作品だったので喜んで出演を決めた千波だが、千波を捨てた男・谷脇も出演が決まっていて―。

作品情報

作品名
ラブシーン
著者
水壬楓子 
イラスト
水名瀬雅良 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
シリーズ
ラブシーン
発売日
ISBN
9784344807334
3.7

(24)

(7)

萌々

(7)

(8)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
8
得点
88
評価数
24
平均
3.7 / 5
神率
29.2%

レビュー投稿数8

神だけど萌じゃない。

BLに癒されたいと思って読む方にはオススメ出来ません。酷い目にあいます。受も、読み手も。
でも面白い。やっぱり水壬さんは私にささる。
水壬さんにはまり、過去作を爆買いした中の一冊で、事前情報は何もなく、裏のあらすじさえも読まずに軽い気持ちで読み始めた私…。一昔前のライトなテイストの表紙に予想を裏切られました。でも嫌じゃない。
必ず、続きである「クランクイン」とセットで読んでほしい。こちらだけだと消化不良。クランクインまで読んで、完結。
色々と重すぎて萌という軽い言葉では表せない作品でした。

2

攻めの強さ

シリーズとは気づかず、図書館で先にファイナルカットを借りてしまったので、作中に出てくる木佐監督の息子CPに興味を持って最初から借りてくることに。

一作目となるこちらは、攻めの依光と受けの千波が出来上がってる(千波はセフレとか同情的な捉え方してますが)とこから始まります。
千波に寄り添う依光は冒頭から読み手にはダダ漏れな愛情を持ってるんですが、過去の痛い恋愛から千波は依光に依存したくないと頑な。

千波に映画出演の話が出ますが、何と手痛い振られ方をした元彼が共演者で…(ここの部分がファイナルカットとリンクしています)木佐監督の采配で大団円をむかえるんですが、逆恨みした元彼が千波を複数人でレイプし、動画を流すという最悪の事態に。
ここのシーンは、苦手な方もいると思うので、ご注意を。そんなに激しい書き方ではないですが(もっと強め、の作品は山ほどあるので)、ダメな方はそこはすっ飛ばしてもお話自体は成り立ちます。

そんな中でも依光は千波に寄り添い、我慢強くサポートします。周囲にも恵まれ、立ち直っていく千波は強い!依光の支えがあるからなんですが。

この2冊のお話だけでも、スケール感が大きくて水壬楓子さんの良さがよくわかります。
さて、次のクランクインを読みます〜

2

痛さてんこ盛り・・・でも私にとっては『痛い作品』ではない。

私の感想としては、ある意味レビュータイトルがすべてと言えるかもしれません。

私はとにかく『痛い』作品が苦手です。読む前にわかれば確実に回避します。ただ、『痛い』と言われる作品を読む(私からしたらそうではないように思えるので読んでみる)たびに感じるのですが、私の『痛い作品』の捉え方は、一般的なもの(それこそレビューなど)とはどうも違うようです。

これもそうです。『痛さ』は山盛りです。そこを否定する気はまったくありません。痛いです。大変に痛いシーンやエピソードの嵐です。
でも、作品としては、私の『痛い作品』の範疇には入らないんです(私基準で、『あとに引き摺って浮上できない』種類の痛さではないってことです)。

私は『ハッピーエンド至上主義』で、『王道』も『あまあま』も大好物、基本的にヌルイ好みかもしれませんが、それ以外がダメなわけではないんです。最終的にきちんとハッピーエンドなら、大抵のことは許容できますね。

こちらも、読んでる最中はかなり『どよ~ん』と来ますし、気持ちに余裕のないときには絶対に読みません。でも、読み終わったらそこで自分として区切りをつけられるんです。つまり、読んでる最中の辛かったり痛かったり哀しかったりを、本を閉じた後まで引き摺らないってことです。←これができれば、私にとっては『痛い作品』ではないんですね。

ただ、作中のすべてを『これでよかった』と感じているわけでもないんです。
依光の『判断』は、私個人の感覚でアリか?と訊かれれば、イヤないだろ、としか言えません。でも、その行為の是非はともかくとして、『もう書かれてしまった作品』に対してなら、私はこれもよかったと思っています(ある意味『諦め』入り)。

痛さ・鬼畜さが目的じゃない(たとえ同じようなシーン・描写だとしても、これが私にとって非常に重要)、大変『愛情』溢れる作品だったと感じました。

仮定の話についてもっと言えば、千波が複数に襲われるのまではなんとか飲み込めても、その画像を流す、というのはやり過ぎというのが本音です。もちろん、作中の行為としてではなく(そこは是非を問うまでもない)、それを小説として書くこと、です。
でも、これがないとあの『ラブシーン』には繋がらないのは確かですからね。

私はもともと『陵辱・強姦』は苦手です。とりわけ攻から(所謂『無理矢理から始まるってヤツ』)はまったく受け付けません。キライなシチュエーションのトップに来るんじゃないかというくらいに。

でも、攻以外の第三者(たち)からは、もちろんまったく好みではないものの、攻の愛情あるフォローさえあれば、意外とすんなり読めるんですよね。
だからと言って平気ではないですよ。読み返すたびになんとも気が重いのは確かです。

それでも、他の作家さんの『無理矢理から始まるラブ』の作品のレビューでも、『第三者からの方がマシなんじゃないか』と書いたんですが、この作品を読むたびにホントにそうだと感じます。

私は、シリーズの中でこのCP(依光×千波)がいちばん好きですし、それぞれのキャラクターも大好きです。依光、なんでこんなにカッコいいんだよ!惚れたらどうしてくれる!←いや、どうって・・・・

依光は、常に攻には厳しい私が、ホントに好きだと思う数少ないキャラクターのひとりです。依光のインパクトが強過ぎて、千波のキャラクターが霞むな~とは感じましたが、千波もやっぱり好きですね。

読み終わって、あ~よかった、千波幸せになってね、と簡単に言えるものではない、なんとも重すぎるストーリーです。

でも、作品としては私はかなり好きです。

10

メンタルに重く響く

内容は、「ラブシーン」の「SCENE 1」と「SCENE 2」で構成されています。
そして、何と言っても圧巻なのが「SCENE 2」の方。
もう読んでて痛くて、辛くて、涙が浮かんできてしまった…

「ラブシーン SCENE 1」
俳優同士のカップル・依光と千波。
依光は時代劇の特に斬られ役として頑張っている30才、千波は連ドラの準主役に抜擢されてから若手の有望株と称されている27才。
2人は実際はカップルというよりはセフレ的な関係で、売れている千波が依光を部屋に住まわせ、依光が家事を担当したり千波にマッサージしたり。何より千波が同じ劇団にいた売れっ子俳優に捨てられて荒れていた所を体でも慰めてくれた存在だった…
「SCENE 1」では別れてから初めて映画で共演することになった前の恋人・谷脇にいちいち嫌がらせをされ、ついにレイプ未遂に遭う、という話になっています。
危ないところで助けに入ってくるのが依光。
この映画というのが次作「ファイナルカット」で語られる木佐監督の「トータル・ゼロ」であり、依光は実は木佐の実子であり、降板した谷脇を押しのけて依光が代役になる、というところまで。
ところが、この事件が後々まで響くことになる…という部分が「SCENE 2」に続きます。

「ラブシーン SCENE 2」
映画「トータル・ゼロ」で新境地を開こうとしている千波だったが。
谷脇はずっと千波と依光を狙っていたんでしょうね…
千波を拉致し、薬物を打ち、仲間と共に輪姦して、それを録画・配信する。
依光と依光のマネージャー・花戸が気付いて削除はしたけれど、時は既に遅く。
この痛々しさ…
こんな事が、こんな犯罪が、面白おかしく起こされていいんだろうか。
本当に胸が痛くて、読むのも苦しくて。
依光は全身全霊で千波を支え、守ろうとしますが、千波は屈辱・恥辱に耐えかねて自殺を図り…
そんな千波に、依光が起こす行動は…
これはもう驚きでした。
木佐のカメラの前で依光が千波を抱く。そして何もかも晒して、その時の顔も晒して、本当に好きな男とのセックスで感じている千波と強姦されて配信された時の千波とは違う事を見せようとするんですね…
こんな愛し方があるのか…
こんな想い方があるのか…
胸をつかれました。
千波はやはり心情的にも復帰はできず、アメリカに渡る事になります。それでも依光の大きな愛情で少しずつでも立ち直っていける、いってほしい、そう思います。

3

一種の超展開

整った容貌を持つ人気俳優の千波は劇団時代からのつきあいの時代劇役者、依光と同居人兼セックスフレンドという関係。
お互いの仕事の関係でなかなかあうことのできない二人だが、自分を甘やかしてくれる依光を恋人のように感じる瞬間もあった。けれどかつての失恋の疵を抱える千波は本気になることを恐れているところがあった。
そんあ時、ある映画出演を機にかつて千波を捨てた男・谷脇と再会するが……

大部屋俳優×人気俳優。
中盤以降突然ものすごく重くて痛い展開になってびっくりした。
色々あって千波が薬漬けにされてやられちゃっている動画が流出。そこからスキャンダルに発展して、人気俳優だった千波はメディアに追われて大変なことに……
痛い。そして辛い。
ショック療法とはいえここまでやるかなラスト(DVD撮影)には驚いたけれどこのぶっ飛びっぷりは嫌いじゃないです。
依光男前すぎだろ。
千波ともっともっと幸せになればいいと思った。

6

この作品が収納されている本棚

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