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表題作誰かが君のドアを叩いている

不破貴洋 リーマン、受けの姉の元嫁
紺野類 バイト

あらすじ

紺野類は姉の元夫である不破貴洋が勤める広告代理店で、バイトをしている20歳の青年であった。「周囲の人間とずれを感じる」ゆえ、他人と付きあうことを恐れる類。しかし、そんな彼だったが気になるひとはいたし、そんな彼を好きになってくれるひともいた……。類が愛のない肉体関係から、真実の愛情を見つけるまでを綴ったラブ・ストーリー、ここに登場!

作品情報

作品名
誰かが君のドアを叩いている
著者
榊花月 
イラスト
荻山知弘 
媒体
小説
出版社
白泉社
レーベル
花丸ノベルズ
発売日
ISBN
9784592861829
3.5

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萌々

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中立

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趣味じゃない

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レビュー数
2
得点
7
評価数
2
平均
3.5 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

言葉=エッチ?

「萌」寄りです。

広告代理店が舞台の、義兄弟もの。受けの姉の元夫が攻めです。作者様のお話、設定や恋愛観が妙に生々しいんだよなァ。だけど不思議と抵抗なく読めちゃう。キャラに掴みどころがないからか、見え隠れする作者様のシニカルな視点のせいなのか…。ラブも焦らしてくれますね〜。

主人公の類は、美人で頭が切れて気が強い姉・茉莉絵とは正反対で、引っ込み思案で我がない。ついでにお勉強も得意ではないので、高校を中退して家を出てバイト生活をしていたところ、姉の元夫・貴洋の職場で臨時社員として採用される。

二人の関係性が徐々に明かされていく描き方なんですが、本作はなんというか……BL脳で読まなければ、当事者さえよければいいんだろうか?的な嫌悪感と紙一重なところがある。

茉莉絵と貴洋は結婚して3ヶ月で離婚。外ヅラだけはいい貴洋は彼女の両親から信頼を得ていたので、離婚後も義理の息子として付き合いが続いています。貴洋が茉莉絵の次に家を出た類まで面倒を見ることになったのはただの成り行きではない…、そう思わせる布石の打ち方が自然なんですよね。

茉莉絵が貴洋を初めて家族に紹介した時のシーンで、類の反応にちゃんと表れているんです、彼の気持ちが。

初めて読んだ時は、貴洋と類の関係がなんだかジメジメしてて病んだお話だなー、茉莉絵は可哀想だけど強い女性だなーくらいの印象でした。でも再読してみて、男同士だからこそストレートに「お前が好きだ!」「俺も好きだ!」と表現できない煮え切れなさや、相手の態度に一喜一憂する刹那的な片恋の切なさを汲み取って、地味に萌えてしまった…

二人がそうならざるを得ない事情の盛り込み方はもはや妙技?ですよ笑。義弟に元妻の服を着せてセックスする歪んだシチュとか、類が初めて姉に本音を告げる最後とか、なにげに残酷な見せ場が上手くて読ませてくれるんですよね。

当て馬の敷島の方が良い男…。本作の受けはあんまりグッとくるタイプではなかったので、きっと他にいいコいるよと気を揉むことはなく笑。『恋してるとか好きだとか』に敷島の名前が出ていたので、彼の行く末が気になります。

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榊さんはつくづく俺様攻めがお好き

榊花月さんはつくづく俺様攻めが好きですねー。
そういう私は、榊花月さんの書かれる俺様攻めがタイプなもんで、いろいろ読んでるんですが。
この作品に登場する攻めもやたらと俺様なんですが、今回は健気な受けのほうに感情移入しちゃいました。

もう三年近く関係を続けてる攻めと受けなんですが、その関係はあいまいです。
攻めは受けの姉の元旦那です。攻めは受けに別れた嫁の服を着せ、別れた嫁の名前を呼びながらセックスする。もうこの時点で、身勝手な俺様攻めにウンザリして本を投げ出したくなる人がいるだろうなと思いましたw私は好きなんですよねー、こういう悲惨さは。
受けはその仕打ちに、黙って耐えてます。ただ、「義兄のことが好きだから」という理由で。

最後、妙にぐっときました。
本当に強かったのは、受けのほうなんだなと。
攻めの弱さや人間不審を許容し包み込めるのは、柳のような強さを持つ受けだけだったんだな、と。
そんなことを思いました。

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