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表題作ひな菊

同時収録作品はしろうか

青島・エスニック雑貨屋店員・ロースと友達
肩口一久・ロースと呼ばれている・20歳

同時収録作品巷に風の吹く如く

同時収録作品夜鷹蜂雀

同時収録作品エンドレスサマー

つよし・光一という奔放な兄を持つ巻き込まれ型
明雄・光一が連れてきた元ウリ専ボーイ・美少年

同時収録作品ライジングアリゾナ

その他の収録作品

  • Taking my Friend
  • 赤井くんとオレ(描き下ろし)
  • その後(描き下ろし)
  • あとがき
  • この頃手伝ってみたりする(描き下ろし)

あらすじ

玖磨の幼い頃からの憧れは新ちゃん。かっこよくて頼りになる慎ちゃんは、なぜか同級生の赤井にはつらくあたるが…。
(出版社より)

作品情報

作品名
ひな菊
著者
雁須磨子 
媒体
漫画(コミック)
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
ルチルコレクション
発売日
ISBN
9784344807716
3.6

(13)

(3)

萌々

(4)

(5)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
47
評価数
13
平均
3.6 / 5
神率
23.1%

レビュー投稿数3

読んでない人もったいない

雁須磨子さんの作品はすべて、『過不足ない』素晴らしさで溢れています。
たくさんの手書き文字があるにも関わらず、それらすべては登場人物を表すのに必要な情報で、それでいて彼らの感情を文字で表しません。
彼らの感情のすべては行間に描いてあります。
言葉にしなくても伝わります。
まずは「はしろうか」から読んでみてください!!

あと、タイトルがます最高すぎます。
登場人物のネーミングセンスも、セリフのチョイスも、全部神です。

3

BLと呼ぶに呼べない作品集

表題作はコミックスの一番後ろに載ってます。
小さい頃から頼りになる慎ちゃん。
今はグレてしまっているけど、かっこよくて便りになるところは、幼馴染の玖磨にとっては変わらない。
そんな慎ちゃんはどうやら同級生の赤井に歪んだ愛情を持っているご様子。
慎ちゃんに憧れのような恋心のような複雑な想いを抱える玖磨。
そんな玖磨の想いが切ないです。
そして慎ちゃんも。玖磨のことは可愛いけれど、ひどいことをしたいのは赤井だけ。
歪んだ愛情ですが、なんとなーく赤井にも伝わっているみたい。
赤井視点でその後の話もアリ。
「慎ちゃんの愛が募るほど乱暴なことをされる」と玖磨に言われ、戸惑う赤井。
実際本当に「どこまでなら許すのか」知りたい(笑)
乱暴なことをしつつも自分を見つめる表情が気になる赤井。
この二人がくっつくのは時間の問題かな。
でもこれはくっついたとしても赤井の不憫な状況は変わりなさそう…(笑)

他収録作品はどれもBLとはいいづらい作品が多いです。
人間の心の弱い部分をガンガンと見せつけられて、読んでてうーんと悩むような作品が多かった。
そんな中でも精神的な繋がりや、少年たちの成長がテーマなのかもしれない。

一番BLっぽかったのは『はしろうか』
友人の“肩ロース”こと肩口一久に告白された青島。
青島の気持ちはうすうす気づいていた、でもロースが男だということが引っかかっていた青島。
「一度だけでいい」というロースの願いから、ロースを抱いてしまう青島。
結局は青島もロースのことが可愛いし、好きで、何かしてあげたいと思うんだけど。
結局お互い男同士で。どうしてもそれが引っかかってしまう青島。
ロースは青島のことを考えて身を引くけど、ラスト、ロースの玄関先に青島は立っていた。
そして、インターフォンがなる…。
切ないけれど、これは未来の見えるお話でした。
なんで肩ロースなんだろうと思ったけど、ラストの玄関先の名前を見てやっとわかった。
なるほど、見えないこともない(笑)

キュンキュンっとすることはないんだけど、なにかと心に残るものが多い作品集。
ちょっとシリアス目なものが多いけど。
たまにはこういう純粋なラブストーリーを読むのもいいものです。

3

青春の小箱


「おまえのことは一切合切 俺の青春の小箱に入れて…あきらめるから」

これは「はしらんか」での台詞。同性を好きになってしまった自分に混乱しつつも、友人への思いが止められずに動揺しまくっている青年が絞り出すように呟いた台詞です。
告白しちゃったけど無理だよな、だからこっぴどく突き放してくれ、そしたら諦めるから、と言っているわけです。
この「青春の小箱」というのがいい、とてもいい。
同性を好きになっちゃった側と、そして好きになられた側のそれぞれの混乱がうまく描かれていると思います。

他の収録作品は正直、あまりピンとこなかったのだけど「はしらんか」は好きです。

2

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