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表題作二重螺旋 3 攣哀感情

篠宮雅紀,22歳,美貌のカリスマモデル
篠宮尚人,高校生2年生,雅紀の弟

あらすじ

兄の雅紀に「好きだ」と告白されて以来、より甘く淫らになった悦楽の時間──。その濃密な愛に支えられ、連続暴行事件の怪我から復学した尚人。ところがそんな尚人に、同じ被害者の一年生・野上が急接近!! いまだ心の傷が癒えない野上は、尚人にだけは懐き、頼ってくるのだ。野上に嫉妬と危惧を覚えた雅紀は、尚人を「おまえは俺だけ見ていろ」と抱きしめて!? 背徳のディープ・エクスタシー!!

作品情報

作品名
二重螺旋 3 攣哀感情
著者
吉原理恵子 
イラスト
円陣闇丸 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
シリーズ
二重螺旋
発売日
ISBN
9784199003998
4.1

(46)

(22)

萌々

(10)

(13)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
9
得点
189
評価数
46
平均
4.1 / 5
神率
47.8%

レビュー投稿数9

なんかスゴい人ばかりになってきました(笑)

良くも悪くも、吉原さんの作品だなぁと思うお話です。1巻で丁寧に家庭環境や二人が関係を持つまでを説明し、2巻では長兄と次男のラブを中心に心の内を詳細に描き、この3巻では主人公達の社会生活、交友関係と徐々に世界が広がって来ています。丁度上手い具合に「起」「承」「転」と進んでいる感じですね。すると次が「結」?!いや、それはヤダ。早すぎる。正直、吉原さんにライフワークにしてもらいたい位好きなお話なんですもん!

普段BL小説を読んでいる時には、二人だけで終始する特有の狭い世界に辟易することが割とあるのですが、この作品の場合は「早く二人だけの世界を」とか思ってしまっている自分に我ながら情け無さを感じつつ・・・3巻の終わりに、少し不安になりました。
というのも、その昔、吉原さんの書かれたライト系学園モノで唯一気に入っていた作品があったのですが、その終わり方が酷かったのです。伏線引くだけ引いておいて「後はいつか機会があればね」的な中途半端な終わりで、その後その作品の続編は出ることがありませんでした。ええ、もう10年以上昔の話です・・・
今回の「二重螺旋」は、世界が広がった割に終わり方は結構唐突に感じられたので、私の中に以前感じた絶望感が甦り、もしかしたらこの先このカップルで念願の甘々が読めないのではないかという不安がムクムクと芽生えて来たのですよ~
こんなに広げちゃって、登場人物それぞれが個性を発揮し始めちゃったら、作者がまとめるの面倒臭くなったりとか飽きたりしないかしら~なんて、作家さんには非常に失礼なんですけれども、昔の古傷が・・・

それはともかく、今回のお話の目玉が面倒な後輩君です。これがこの先への何かに繋がるのかまだ分かりませんが、はっきり言ってこの後輩君には苛々させられっぱなしです。「そっちに割く時間は是非お兄さんに!」と私が尚人にお願いしたくなる位ですから、当然兄雅紀や弟裕太もヤキモキしています。裕太が電話口で後輩君にビシッと言うところは爽快でした。兄は大人の余裕で見守っていますが、勿論面白くはないわけです。まぁそれはHで効果的に吐出されておりますが。ちなみに口絵のそんなHシーンは、兄の右手親指に注目です。円陣さんグッジョブ!(笑)

設定が大好きなため、このシリーズは「神」評価せずにはいられないのですが、吉原さん独特の言い回しは、苦手な人がいるかもしれません。実は私も気になる方です。
例えば、読点の打ち方。そして、カタカナの使い方やルビ、「どっぷり」「きっちり」など独特の形容表現。
でもそれらを入れても、やはりこれほど萌える兄弟モノって私史上他に類を見ません。

あとがきで作者が「ラブラブはまだ先」って言ってましたが、2巻以降は結構甘々な感じがしていたので、これ以上ラブラブになるのかと思うとホンットに先が楽しみでなりません(笑)

4

なんかいつの間にか、脅迫されて手篭めにされてるはずの尚人が
雅也に~されて嬉しい・・・ソワソワなんてしはじめまして
いつの間に?!と思ってたら、その後になるほどな~な展開でしたね。
確かにもともと、雅也だけが尚人を気にかけてくれて、雅也だけが・・雅也が~
な尚人だったわけなので、「好きだ」「お前だけだ」「お前がいるから」なんて言われたら囚われてもしまうわな(/ω\)ショウガナイw
な今回。
なんだかんだで進展も多かった一冊ではないでしょうか。
相変わらず不幸の連鎖冷めやらず~ですが。

本編は、前回の暴行事件の引き続き。
尚人と同じく被害にあった後輩君、怪我は治ったのに引きこもり
部屋から出ることもままならない。精神的に病み病み
そんなさなか、みごと復活を果たした尚人になんとか息子を助けて!
な母親から始まるお話。
ま、なんにせよこの話、、、基本女は怖いというね・・orz
でもペアレントってこんな感じなんだろかと思ってしまう。
愛情が深いのはいいことなのだけれど、行き過ぎた愛情は・・・

そして我らが(ぇ)桜坂くんが・゜・(ノД`)・゜・
なにげに一番好きなのは桜坂くんでありましてですね
なに?なんなの?あの尽くしよう。
番犬よろしく、あーいう見た目なのに、心許した・・
一度主人と決めた相手にはトコトンみたいな子好きデス。
というか、番犬トリオおいしすぎるwwww好きw
不幸の連鎖は続いておりますが、あーいうところでは癒されたり

少しずつ引きこもり末弟も、頭起こしてきましたね。
これからどーなるのか楽しみです。

さて、問題のお兄様ですがww
この人、なんだかんだいっても、ちゃんと人としての理性はまだ持ってるのがあれですね。
素直に応援してやろう・・というのにはまだなんか粘っこいものを感じるのですが
尚人さえいればいい、誰よりも執着を持っている兄。
だけど、家族という意味での末弟の存在。
癒し、安らぎという意味での親友の必要性はきちんと認めた上で
という表現は、恐ろしいまでの執着愛においても~なモラルのようなものを感じました。

長女~な話もちらほら挟まっているのは
これから何らかの事件に関わるんでしょうか。楽しみです

4

事件を乗り越えて、強くなる絆

兄と弟のタブーな恋愛のお話、3巻です。
2巻で起こった傷害事件の影響は、まだ継続されています。

今回は、同じ傷害事件の被害者の野上が、尚人に近付きます。この野上の母親が、息子命で他人なんかどうでもいいという態度にイライラします。野上も、尚人の都合もお構いなしに振り回すし。思い込みも激しくて、嫌いな親子です。
そんな性格が起こした、野上の、桜坂への傷害事件。ほんと、前回から、桜坂は怪我してばかりで可哀想です。
だけど、桜坂を含め、尚人の友人たちが皆いいコでホッとします。
おまけに、引きこもりだった末弟が会話するようになり、野上にも噛みつくのがスカッとします。

長男と次男の恋愛面では、傷害事件以降、ますます兄の溺愛振りに拍車がかかってニヤニヤします。兄の、弟への甘いセリフや「な~お」と優しく呼ぶ声にキュンキュンします。
弟も、兄への依存が強くなってるし。エッチの時の弟の、普段とのギャップもたまりません。

気になるのは、妹の長男への引きずっている思慕と、桜坂の尚人への忠犬っぷりです。恋に変化することはあるのかと、ドキドキします。

3

加々美さん登場の巻

コミックから入って、小説後追い中。
来ましたっ帝王加々美さん登場です!(多分この巻が最初)加々美さん出てきただけで嬉しいので萌2です。あー早くコミックの方でも加々美さん出てこないかなあ。この方のビジュアル見るだけで武者震いしちゃうんですけど。

2巻でナオを襲った犯人をぶっ飛ばした雅紀。そのことからMASAKIに弟がいること、その弟が連続襲撃事件の被害者であることがマスコミにバレます。イタリアから帰宅したアズラエルの加々美にも勿論そのことはバレバレです。片やナオはなんとか学校へ行っています。そんな中、同じ襲撃事件の被害者である野上の母から野上に声をかけてもらえないかと依頼され・・と続きます。

篠宮家以外の方々は
<業界側>加々美蓮司(モデル、帝王、雅紀をモデルにスカウトした方)、ミズガルズの面々少々(ナオの大好きなバンド)、瀬名(ミズガルズのマネージャー)
<ナオの学校側>立花(ナオの学年の主任)、桜坂、中野、山下(ナオを守ろうとする同級生)ぐらいかな。

**この巻の盛り上がり箇所

なんてったって加々美さん。やんちゃな表情の挿絵があります!それからナオの大好きなバンド、ミズガルズのプロモに出た時のMASAKIの様子が、加々美さんとの会話の中で語られます!(これ後で効いてくるエピです)。ナオが好きだっていうからプロモに出たって、まーちゃん、もうナオにメロメロ・・・

それから裕太がちょっと改善してきます。自分でご飯炊いて待ってるなんて、エライ!嬉しい変化です。
そしてそして最後の最後にナオがまーちゃんに甘えさせてもらって、すりすりしていますーっ羨ましいっ
2巻よりさらにナオを一生懸命護る感が出てきたお話でした!

2

再生する絆

1巻では壊れ行く家庭が綴られ、2巻では兄が弟に向ける歪んだ愛情と父への怒り。
そしてこの巻で、やっと兄弟の立ち居地が確立した話へと進みました。
まず、末っ子裕太が少しずつ兄達に歩み寄ります。
尚人の事件以来、生き方を変えることを決意した裕太は、引き篭もりを徐々に改善してゆきます。
まだ不登校のままですが、部屋から出て家事も手伝うようになりました。

尚人の1級したの生徒・野上が事件の精神的ストレスから引き篭もりとなっています。
何とかして欲しいと野上の母親にすがられますが、尚人は感情に流されることもなく淡々とそれを拒否しました。しかし、尚人の根底ある優しさから、つい手を差し伸べてしまいます。
野上の母親はまるで息子の事を理解しておらず、赤の他人である尚人が理解しているなんて…、その辺の描写もわかりやすく書かれていて、ストーリーに引きずり込まれてしまいました。
尚人の存在が野上には理解者を得た喜びとなり、ここにも歪んだ独占欲で狂っていく様が描かれていました。
野上も壊れてゆきます、尚人を独占したいあまりに、尚人の友人を傷つけるほど狂ってしまいます。そして母親はなぜか無力なのです。

野上に対し、同じ引き篭もりの経緯を持つ裕太は快く思っていません。
尚人を都合よくボランティアに使って欲しくない、と尚人を守る行為に出ます。
野上を見て、自分を照らしあわす裕太は、苛立ちながらも引き篭もりが甘えであった事を認め反省してゆきます。

この巻でも相変わらず雅紀と尚人は濃厚な関係ですが、尚人へ対する愛情がたくさん書かれていて、いやらしいのですが温かみさえ感じます。
それは裕太も同じで、兄として家族として尚人を大切に思う気持ちに、父も母も姉も居ない篠宮家に幸せの予感すら感じてしまいました。
たぶん、まだそれはなさそうですが…。
壊れた家族が新しい形で再生してゆく、そんなストーリーでした。

4

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