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表題作負けるもんか!

鷹司正親 生徒会副会長
谷中馨 超ブラコンの新寮生

同時収録作品負けるもんか!

三池世晴 寮長(高3)
朝倉陸 馨の兄と同室

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

血の繋がらない兄を追い??憎くて愛しいその人をどうにかする予定で、山奥の全寮制男子高校に入学した馨。ところが入寮早々起こしたトラブルの罰として、生徒会副会長鷹司の雑用係をする羽目になる。なんで俺がこんな目に!! 鷹司に呼び出されるたび腹が立つのに、だんだん兄よりもその食えない男が気になってきて……? 「でも、しょうがない」の青籃学園を舞台に描く、書き下ろし寮生活エンジョイ☆学園ラブ!
(出版社より)

作品情報

作品名
負けるもんか!
著者
榊花月 
イラスト
金ひかる 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
ISBN
9784403521362
2

(5)

(0)

萌々

(0)

(2)

中立

(1)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
5
得点
7
評価数
5
平均
2 / 5
神率
0%

レビュー投稿数5

毒が足りない

寮ものです。
『でも、しょうがない』のスピンオフですね。かなり登場人物がかぶってるから、先にそっちを読んでおいたほうが面白く読めると思います。読んでなくてもストーリーを把握するのに問題はないですが。

主人公は、義理の兄を追いかけて山奥の全寮制の学校に入ってきた弟くん。かなりのワガママ坊やで、あっちこっちに噛みついて騒ぎを起こします。
義理の兄に対しては、愛と憎しみの相反する気持ちを持っている。
で、問題起こした主人公は、罰則として学校の生徒会副会長をしている攻めのパシリをさせられることになる。

主人公のワガママっぷりはキライじゃなかったです。あまりにもアホガキすぎて、むしろ憎めない感じ。
ただ、彼にはもっとちゃんと恥をかかせて欲しかったなァと思いました。自業自得でドツボにハマって、心底後悔する場面が欲しかったですねぇ。
成長を描く過程のなかで、読んでていたたまれなくなるほどの毒を潜ませてほしかったなと。ぬるい、と思いました。榊花月さんの他小説では、こういうキャラにきっちり恥をかかせるような場面をよく読むので、それがないのが残念でした。
攻めがこの主人公に執着する理由もよく解らなかったんですよねぇ。段階かあっても良かったのに。攻めをもうちょい俺様キャラにして、本気でいたぶってパシらせまるとかさ。てかそれを期待してたのに。俺様キャラ、榊さん得意なのにな。

あとトラウマの使い方。いろんなキャラに手当たり次第(のように見える)にトラウマをくっつけるのは安易に思いました。深いところまで描けないなら、わざわざトラウマを作る必要はないと思います。キャラに影を持たせるのによく使われるトラウマだけど、安易な使用は逆に作品全体を浅薄にしてしまうし。

なにより、寮生活のワクテカ感や、男だらけの日々の萌えみたいなものがちゃんと描けてないのが残念だなと思いました。
なにげにこれが一番の残念ポイントかも。

惜しいなァと思います。
材料は揃ってるのに、調理の仕方を間違えた感じ。

1

悲しき兄弟愛

『でも、しょうがない』の主人公・陸と同室のヒロのお話。イラストの攻めがすてき。前作の主要キャラ「深池」が、今回「三池」に表記が変わっちゃってます。

ヒロがなんともつかみどころのない自由人なところが魅力的で、彼と弟との関係性に興味があったので個人的には嬉しいスピンオフでした。でも、今作はヒロ本人ではなく、ヒロ弟が主人公。

前作でも触れられていましたが、ヒロと弟の馨は血が繋がっていません。馨はその事実を知って以来荒れに荒れ、その扱いに困ってしまったヒロは全寮制の高校に進学して家から逃げたところもあって…。馨が兄の後を追って青籃高校に入学したところからお話がスタート。入寮するやいなや兄貴探しです笑

その際、上級生のスリッパを勝手に拝借したためにペナルティとして持ち主の鷹司のパシリにさせられてしまった馨。ポケベル(時代…)を渡されて、呼び出されたらいつ何時でも鷹司のもとへ馳せ参じなければならなくなりましたが…

生徒会副会長の鷹司はヒロに似たタイプで、自分の感情に支配されない飄々としたキャラ。兄への満たされぬ思いを抱えた馨が、反発を覚えながらも彼に慰めを見出していく様子に恋の予感が。

兄のそばに屈託なく寄り添っていられる雨宮に嫉妬する馨が起こしたトラブルによって、兄弟共に反省室へ送られてしまうのですが、そこで二人が交わす会話に思わずホロリ。このエピソードで馨は自分の気持ちに片を付けたんだな、って。榊先生、不意に涙腺を刺激してくるんだよな…

兄弟萌えにはたまらないキュンキュンを体験できたのでそこは満たされたのですが、結果的に兄弟ものにはならなかった結末が清々しいような、切ないような…。兄弟好きのくせに、結ばれない作品に激しく萌えるという拗らせ性癖にはありがたいニッチパターンでした笑

さて、他に気になるのは美貌の生徒会長・貴道、妹思いの雨宮、理事長の息子・久和と義兄弟の奈々村。個人的には貴道にぜひ理解者を充てがっていただきたいところだけれど…、はぁ〜シリーズで読みたかったなぁ。

0

自分主人公な受けのちょっとした成長記

主人公の谷中馨(高1)が、山深にある学園寮へ兄の広明(高3)を追って来たところから始まる本作。
馨は自分だけ他人だったと知ってから家族に辛く当たっていた。
そんな馨から広明が離れていった事が悔しくて、時期を待って追って来たのだった。
短気・尊大・暴れん坊・オレ様な馨に、入寮している生徒達が絡んでーの、兄との和解と彼氏ゲットまで。

義兄の広明は、成績優秀で小柄ながら腕っぷしも強くとても優しい人柄。そんな広明でも、荒れた馨をどうしたものかと悩んでいたのだった。
馨は、心の底では大好きな広明に裏腹な言動を繰り返してしまう。
イジイジ悶々の馨に、広明と同級の生徒会副会長の鷹司が、何かとちょっかいを掛けてきて・・・

読んでて、馨の我がままっぷりに腹立ってきました。
広明と仲が良い雨宮(2年)への嫌悪感があからさまで、気持ちは分かると言ってもガキ過ぎるんです。
同室の久和の幼馴染み・華奢でちょっとドジな奈々村縁へも、優越感が見てとれるし。
なんでこんな子に鷹司が目を付けたのかな~?って不思議でした。

その鷹司は、体格も顔も良い資産家子息。
だけど会長でもなく成績でも2番手で卑屈な部分がある。
4人兄弟の中で1人だけ先妻の子だから、今の家族に遠慮している。

何でだろう?小さい事に受け攻めとも拘っているのは?
どちらもお金の心配はなく、思い遣りのある家族がいるんですよ?
そんなに重大な事か?と思う自分がズ太くて、感受しないのか?
でも、例え今同年齢であっても、ここの繊細な高校生らに同情や感情移入できなかったと思うんだけど。

他に、久和(兄弟然と育った奈々村への想いが)や
奈々村(学園前に捨てられていた孤児で久和家に養われている)、
広明や三池(寮長)とか、好みのキャラ揃っていたのにと残念でした。
考え合わせて「中立」です。

1

キャラクターが好きになれない。

『でも、しょうがない』の続編というよりはスピンオフでしょうか。同じ学園・寮が舞台で、登場人物もかなり重複しています。読むなら前作からの方がいいでしょうね。

前作は、まあそれなりにいいところもあるんですが、こちらを読んでちょっとがっくり。キャラクターの名前が変わってるよ。
前作の攻・深池世晴(みいけよし)が三池世晴(みいけよしはる)になってるし。←あくまでも『私が持ってる版では』ですが。特に読み仮名は単純ミスかも。

こんなのいちいち気にしなきゃいいんだろうとは思うんですが、私はこういうのが気になるんですよ。
・・・まあ、それはともかく。

キャラクターも、この馨(受)のような自己中でツンツンした我儘なヤツは好みじゃないですね。鷹司(攻)も、なんというか馨のどこがいいのか、どこに惹かれたのかまったくわかりませんでした。

ハッキリ言って、脇キャラクターの方が多彩で魅力的でした。とはいえ、あくまでも脇ですから、きちんとフォローできないのにあまりにも詰め込み過ぎ。

いっそメインより脇の方にシフトした方が面白かったんじゃないかとさえ思ってしまいましたね。いろいろ面白そうなネタやキャラクターが揃ってたのに、このまま使い捨てじゃもったいない気がしたんですよ。

とにかく、メインCPのラブストーリーとしてはまったくいいとこなしでした。

イラスト買いで、イラストはよかったんですが、これはもう『しゅみじゃない』でしかないなぁ。

1

空回り系主人公

スピンオフ作品だったのか~。道理で登場人物が多い上に脇キャラまでやたら細かい設定が用意されていたのね、と納得。
主人公のキャラが私はダメでした。一人で空回りして騒いでいるだけで喜怒哀楽のポイントも表現方法も可愛くない。微笑ましくもない。攻の寮長は一体この子のどこに、いつ、なんで惹かれたのか分かりません。
元の作品とのリンクを大事にした結果なのか、メインの二人にあまり関係ないと思われる周辺情報が沢山盛り込まれていて(元の作品を読んでいればスッキリしたのかな?)、読み終えてもメインの二人に愛着を覚えることができませんでした。
男子寮モノにはもっと色気があってほしいなぁと再認識しました。

1

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