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表題作自己破壊願望

千葉 ピンサロ経営者・やくざ
夏目亮太 呼び込みのお兄さん

あらすじ

「この際だ。見極めようぜ?俺とお前、本当にやべえのはどっちなのか・・・・」父親の借金を返すため、ピンサロで呼び込みの仕事をすることになった夏目亮太は、店の支配人でありヤクザでもある千葉に、力づくで身体を奪われる。男が男に抱かれる惨めさ、思い出したくもない自分の嬌態。たった一度のセックスで心を囚われることなどあり得ない。まして男相手に・・・苛立つ一方で、千葉の圧倒的な強さに反発しつつも惹かれずにいられない自分に気づいていた。身体を繋ぐことはあっても、視線は冷たい。優しい言葉をかけられたことなど一度もない。どんなに虐げられても、裏切られても、千葉から離れることができない夏目だったが・・・快楽と自尊心。暴力と誘惑。ハードコア・ラブ登場!!

作品情報

作品名
自己破壊願望
著者
松田美優 
イラスト
あじみね朔生 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHYノベルス
発売日
ISBN
9784813011354
4

(23)

(9)

萌々

(6)

(7)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
6
得点
91
評価数
23
平均
4 / 5
神率
39.1%

レビュー投稿数6

どこまでも堕ちる

「癒されたい、癒されたい」と念仏の様に唱えている毎日なのに、癒やしとは真逆の松田さん作品を読んでしまいました……ズーン……重い気持ちになりましたよ、毎度の如くなんですが。

でも、松田さんの書く世界に魅力を感じてしまうのです。
『暴力で無理矢理』って好きじゃないはずなのになぁ、どうしてなのか自分でもよく解りません。

松田さんの本の主人公は『一線を越えちゃう』ディーンエイジャーがよく出て来ます。
彼らの『解っていて、堕ちていく』感じが好きなのかもしれません。
抗えないのです。
この抗えない感じに恋を見るのかもしれません。

育み育て、互いに前向きの影響を及ぼす関係が好きです。
ちるちる的な書き方をしたら『光の関係性』とでも言いますか。
松田さんの書く物語は『闇の関係性』なんですよね、きっと。「そっちに行きたくない」と心から願っているのに『惹きつけられてしまう』んです。
よく「体が」とか言いますが、それだけじゃないんだと思うのです。
その人に惹かれる理由は明確ではない。
その『惹かれる強さ』だけが、くっきりと解る。

このお話は最後に所謂『救い』がありますが、なんなら「なくても良い」とまで思います。どこまでも堕ちていくほど好きになる、そんな一途さを感じさせてくれれば……疲れるんですけどね、読み終わった後。
でも、感動が残るんです。私の中に、確実に。

6

エロくてハードでリアル

松田さんの描く作品て胸にズシッとくるんです。
このお話も印象深く残りました。タイトルどおり期待を裏切らない。
ソープ経営のヤクザ×呼び込みの青年
悪い男を認めたくないけど好きになってしまったら・・・
こんな感じかなと自分でもいろいろ想像してしまうほど変に共感わいた。人間の感情をリアルに描く上手さがあって。
なんかほろ苦いような甘いような・・切ない気分にもなる。
いつも冷たく接するくせに、たまに荒々しく抱く男の心理を計って翻弄される日々。
主人公の複雑な境遇、冷たい男、男の腐れ縁の元ヤクザ、店の女の子たち
マユミやユイナみたいな女リアルにいそうっ
様々な人間を通して描かれる世界は十分に読み応えがあり、否応なく引き込まれた~。やっぱ面白い。
全体的には内容が内容なのでシリアスな雰囲気だけど、淡々としてるかな。
不幸な境遇に、諦めとか達観しつつもそれなりに明るい未来も捨ててない主人公好きだ~夏目~がんばれ~!
夏目のラストのセリフというか志がすごい!
身勝手な男に負けないがんじ絡めの強い愛みたいなのを感じました。

凌辱・暴力シーンも多数あるので苦手な方にはお薦めしませんが、ハードチック・ちょいリアルなのが読める方はぜひ一読を!


4

どうしようもなく惹かれてしまう

電子版、挿絵あとがきなし。Kindle版はunlimited対象です(2020年12月現在)。
心がヒリヒリするような、どうしようもない恋に溺れていく感覚を味わえる良作で、非常に楽しめた。松田美優先生は著作数は少ないながらも、独自の世界観があり、唯一無二の作家さんだと思う。
舞台設定がまた、BLとしては非常に独特。オシャレな都会のオフィスだったり、きらびやかなお屋敷とかじゃない。地方のうらぶれた小都市で、そこらへんにいそうなガラの悪い兄ちゃんとヤンキーじみた少年がアレコレしちゃうっていうのが、妙に生々しい。こういうBLは最近の作品ではほとんど見ないので、新鮮に思える。

私は普段は甘いお話が好きで、この作品の攻めみたいな「暴力振るう、威張る、口悪い」タイプってハッキリ言って全然萌えない。
もっと言うとエッチは9割レイプ、やる時は受けが気絶するまでやるっていう男。レビューで「なぜ好きになったのかわからない」ということをよく書きがちな私だが、終始「どこがいいんだこんな男…」と思いながらも、最後まで夢中で読んでしまった。
受けも作中でずっとそう思ってる。こんな男を好きになるなんて愚かだ、もう離れよう、と。
けれども本能とかそういうレベルで、攻めに抱かれることを望んでしまう受け。明確な理由なんてない。ただそんな男に惹かれてしまうのを止められない、受けのその細やかな心理が、淡々と描写されていくのみ。もしかしたら、恋には理由なんて必要ないのかも、と思わせられる。

9割がレイプの本作だが、1度だけ受けの方から誘惑したシーンがあり、そこがめちゃくちゃ萌えた。
どれだけ殴られても酷い目にあっても、松田先生の受けは悲壮感なく、めげないどころか、ちょっと図太いところが好き。これがはかなげ不憫受けだったら、とてもじゃないが痛々しくて読んでられないと思う。

攻めはひたすらツンツンツンツン…ときて、最後の最後にデレて、あっけなく物語は終わってしまう。このどっか据わりの悪いような、独特な余韻、後引きも魅力的。実は攻めの方が先に受けにメロメロだったっていうね……わかりにくいよ!(怒)
痛い描写に耐性のある方、甘いだけのBLに飽きた方にのみ、大変オススメな作品。

4

俺様ヤクザ攻め

俺様で腕っ節の強い年上×女好きな今時の若者。
今まで読んだ松田さんの作品は全てこのパターン。中でもこの作品の攻、千葉は一番鬼畜。職業もヤクザですからね。
激しいセックスをするのに素っ気なく、決して心を見せない。この男に夏目と一緒にもやもやしちゃいましたよ!
最後まで読むとツンデレだったことが判明するんですが(笑)

お気に入りのシーンは、初めて千葉のマンションに訪れた日の夜です。店の女マユミと電話する千葉。嫉妬した夏目がそれを妨害しようと包帯を結び直してと要求。
しかも電話を再開すると包帯をほどいてまた手を差し出します。子供じみた行動で気を引こうとする夏目が可愛い~。ヘタな駆け引きより断然萌える!

残念だったのは長谷川。途中までかなりお気に入りのキャラだったのですが、ラストで露見した悪役っぷりがなんとも小物臭くて。飄々としてる千葉の悪友だと思っていたのにイメージが一気に崩れ去りました。
でも夏目には案外本気で惚れこんでいたんですかね。

ラスト付近でようやく千葉にデレが!斎藤さんに夏目のことを饒舌に語っている様子を想像すると可愛い。借金も肩代わりしていた事にも驚き!夏目を引き止めなかったのは全てにカタをつけるため。つくづく夏目は愛されていますね~。
エッチの時にで千葉が「可愛い」「俺のもの」と言っていたという文に萌えました。ただ欲を言えばこのシーンをもっと掘り下げて描いて欲しかった!エッチ中の攻めのデレ発言が好きなもので(笑)

SHYノベルズのHPで本編後のSSが公開されてるので、本編読了後は是非!

4

あらすじを見て面白そうだと思って購入したのですが…。

あらすじを見て面白そうだと思って購入したのですが、少し物足りなさを感じてしまいました…。

ヤクザ・千葉×父親の借金のために働く青年・夏目

ガソリンスタンドで働く夏目は借金取りの計らいで千葉がオーナーを務める風俗店で働くことになる。
一目会って夏目は千葉に強烈に惹かれるものを感じたが、それまで女にチャラチャラしていたこともあって最初はそんな自分を受け入れられず。
千葉はといえば気に食わないことがあると暴力で支配するような男で。
暴力の延長線上の凌辱として一線を越える。
それは確かに凌辱でしかなかったはずなのに、夏目の中で感じる部分があって。
自分が千葉を好きなのだと自覚させられることに。

千葉がただの暴力で支配するような人物なら夏目も惚れるようなことはなかっただろうが、不意に見せる優しさがギャップ萌えして惹かれちゃうんだな。
9:1くらいで完全に暴力の方が比率が高いのに、その1があるがために嫌いになりきれない。
どんなに相手にされていなくても嫌いになれない。
好きで好きで仕方ない。
どちらかといえば夏目は時に駆け引きめいたこともするけれど、自分の気持ちを正直にぶつけて(顔に出やすいタチらしい)
一方で千葉は最後の最後まで本心を見せずにいて。
最後の最後で千葉がツンデレなんだってわかりました(笑)
いや、本心は見せてないし乱暴な抱き方はするけど、それが毎日とか朝までコースとかガッツいてるようにしか見えない部分もあるんですが。
それが夏目には「暴力」というか「支配欲」みたいなのしか見えない部分もあったみたいで。
最後にちゃんと千葉が告白?した時もどこか信じられないような面持ちだったし。
これからもきっと目一杯千葉なりの可愛がり方をするとは思うが夏目を大事にしてもらえるといいね。

個人的には長谷川がなんとも気になる存在でした。
途中までの軽いノリと実は黒幕的な。
結果的にワルイ奴なんだろうけど、なんか憎めませんでした。

1

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