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表題作大公は彼を奪う

クラウス・フョードル・セルゲイ シレジア外務大臣
三条鷹司 在シレジア日本国大使

あらすじ

敵国の大公・セルゲイに口説かれる帝国大使の三条。一度だけ、囚われた部下のため取引として彼に抱かれたが、その後はしたたかに求愛をかわしていた。しかし、独占欲を露わにしたセルゲイに攫われ、脅迫されてしまう。「何も考えなくていい。私の腕の中で艶やかに啼いてみせろ」最奥に受け入れた熱に溺れ、愛しげに触れてくる手に追いつめられる──。互いの職務を思い封じた恋慕が掻き立てられて懊悩するが、自分を庇ってセルゲイが撃たれて...!? 有能な男達の、色香漂う駆け引き。

作品情報

作品名
大公は彼を奪う
著者
橘かおる 
イラスト
亜樹良のりかず 
媒体
小説
出版社
プランタン出版
レーベル
プラチナ文庫
シリーズ
皇帝は彼を寵愛する
発売日
ISBN
9784829623503
3.3

(6)

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萌々

(2)

(4)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
20
評価数
6
平均
3.3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

大人同士の恋

『皇帝は彼を寵愛する』の続編。前作でも登場した三条大使とセルゲイ大公のお話です。前作に比べると、アダルトな雰囲気。ポイントは、大人の駆け引きの狭間に覗く真摯な愛情、これですね。
舞台は20世紀初頭の架空の国、シレジア(ロシアがモデルです)。二人の関係は敵国の大使と外務大臣。ともに背負うものは重く、自分の感情に従って突っ走ることはできません。とはいっても、お話の雰囲気は重苦しすぎず、随所で二人のウィットに富んだ会話が繰り広げられます。二人のやり取りは、軽口、誘い文句を言うセルゲイに対して、三条が冷たくかわす、というパターンが多いんですけど、テンポが良くって引き込まれます。三条は、知的で責任感が強く、部下に対する情も深い、理想の上司、という感じの人。セルゲイは、一見、傲岸不遜に見えつつ、懐の深い人物です。脇もいいですよ。三条の部下で、大学の同期でもある都築。こともあろうに、上司を駆け引き上手の「高級娼婦」呼ばわりするのには大受けしました。言い得て妙です!うん、確かに巧みな駆け引きで(当初は政治的な意図だったんですけどね)遊び人だった相手を自分にぞっこん惚れこませ、独占欲の塊にしてしまった三条は、「高級娼婦」とよばれるに値する。あ、決して軽い人じゃないですよ(笑)
三条はセルゲイに魅かれているけど、一度の「取り引き」以外に関係を持つつもりはないし、決して「恋人」になろうとはしない。それは恋人としての二人の関係には、未来が見えない、と考えているから。クールを装いながら、葛藤を抱えてぐるぐるする三条。そんな三条の気持ちを推し量って取ったセルゲイの行動が素敵でした!俺が全部背負ってやる!みたいな。ここまでされては三条も降参でしょう、という感じ。国家の関係や自分の異動でいつ終わるか分からない関係の中、せめて今だけは、と溺れて行く三条の姿にはグッと来るものがありましたね。自分が置かれた状況を把握しつつ、命がけで愛し合う二人の関係はとても読み応えがありました(実際に命を懸けるんです!)。
ただ結末が少し中途半端だったかな、という感がありますね。え、ここで終わりですか?という感が拭えない。二人の未来が見えない、という流れで来ていたんですが、この終わり方だとどうやって今後二人が関係を続けていくのかが示されていないというか。その点だけ、物足りなさがありましたが、その他は大変満足のいく作品でした。 

1

高級娼婦!

「皇帝は彼を寵愛する」に登場した、セルゲイと三条のお話。
こちらは前作よりアダルトな雰囲気が漂っています。
というか前作だって二人とも30前後なんだし、けして若いわけじゃないんですけどね……

お話は前作のアレクセイが顕彦を拷問しているあたりから始まります。
セルゲイにアレクセイと話を渡してもらうために、三条が身体を差し出すところです。
ここが唐突に始まるので、前作を読んでいないとお話が分かりにくいと思います。
前作から読むのをオススメ。

シレジアという国と対等に渡り合うために無意識に「高級娼婦」の真似事をしていた三条は
まんまと外務大臣セルゲイをひっかけましたw
そして三条を目の敵にするイギリス大使が絡んで一悶着。
全体的に満足なんですが、このイギリス大使との悶着がちょっといきなりで不満かなー。
でもこの事件のせいでセルゲイは大怪我を負い、三条は自分の気持ちに素直になっています……
それでもシレジアと日本という埋められない溝に苦しみ、身を引こうとする三条ですが
セルゲイの力技でハッピーエンドとなります。
この力技をもうちょっと詳しく書いてほしかった!結局どうなったのか分からない!

二人ともタチっぽい容姿に言動。そういうのがお好きな方にオススメ。

1

恋のかけひきは…引き分けですね

「皇帝は彼を寵愛する」であるシレジアシリーズの第2弾の作品です。
「皇帝は…」を読んでなくて、この作品から読んでしまったけれど、楽しめました。
本当は、前作からの絡みがあるので、ところどころ?の場面はあったけれど、前作のあらすじとかを見てなるほどと思いながら読めました。

皇帝によって牢獄に囚われた部下の顕彦を救うため、以前から自分にちょっかいを出す、皇帝の従兄弟であるセルゲイ大公(攻)に、自分を差しだす三条(受)の場面から始まります。
「…今抱くか、指を銜えたまま見送るか…」と条件を出す三条に、「せっかくの据え膳。遠慮なくいただこうか」とセルゲイ大公。
なのに、セルゲイ大公は…男は初めてでした。三条も初めて…。萌えますね~(^・^)。

それから、2人の出会いや、かけひきや、魅かれあっていく物語はさかのぼっていきます。

で、結局、三条はセルゲイ大公に身体を差しだしたけれど、皇帝と顕彦は自分達で問題を解決しラブラブ…前作を読めばわかるらしいです(^O^)。

1度身体を許した三条は、2度目はないと、セルディ大公を避けます。
そんな中、三条は、数人の男に拉致され、もしや、セルゲイ大公の仕業ではと疑いますが…(いくら激情家でも、セルゲイ大公は有能すぎる外交官なので、他国の大使を誘拐するはずない…)と考えます。…が、誘拐犯はセルゲイ大公でした(笑)
そして、拉致されてセルゲイ大公の家に連れ込まれ、出されたお茶を飲んだら…睡眠薬入りで…(ここまでするか、セルゲイ。嫌われるぞ)と思いながら三条は眠りについて、セルゲイ大公に美味しく?いただかれるのでした(^O^)。

三条は、自分の立場と役割(仕事)を大事にしているので、セルゲイ大公に魅かれている自分の心を許せない…セルゲイ大公もそんな三条を判っていて受入れて貰えるように頑張ります。

でも、事件が起きて…三条は自分の為に傷を負ったセルゲイ大公に、「愛してます」と告げますが、日本から召還命令が来て、セルゲイ大公に別れを切り出すのです。

セルゲイ大公に別れを切り出し、彼の居る部屋から出る三条は、彼から離れられない自分の心に気づき、部屋へと引き返しますが…そこで、三条を愛するがゆえに悪だくみをするセルゲイ大公を発見し…激怒して…
と話はここで終わります(^O^)。

それからどうなるのでしょうね。セルゲイ大公はきっと怒られるのでしょうね~(>_<)。
でも三条はセルゲイ大公を好きなので、きっと許すんでしょうね。まあハッピーエンドですね。
まあ、恋のかけひきあり、エロありと楽しめた作品で、満足かな(^O^)。
いつか、前作も読んでみたいです。

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