• 紙書籍【PR】

表題作罪人は愛を知る

傲慢で高圧的なハトリー伯爵
秘密を抱えた天涯孤独の少年・シリス

あらすじ

出生の秘密を抱え、天涯孤独になった美貌のシルス。
母親の遺言にそって、ハトリー伯爵を訪ねるが、彼は傲慢で複数の男と関係を持つ自堕落な男だった。
失意を覚えつつも、彼の力添えを望むシルスは、付き人として伯爵家で働き出す。
近習にとっては傲岸不遜な伯爵だが、領民には寛大な領主として慕われていた。
彼の意外な一面を知り、心を揺り動かされ始めるシルス。
そんな折、伯爵の秘密を偶然覗いてしまい、怒った伯爵から性的な暴力を受け―。

作品情報

作品名
罪人は愛を知る
著者
大鳥香弥 
イラスト
一馬友巳 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
発売日
ISBN
9784344809123
3.2

(5)

(0)

萌々

(1)

(4)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
16
評価数
5
平均
3.2 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

傲慢な男が改心するお話がツボな方へ

萌萌。(MAX:萌萌萌:神に近い)
傲慢なハトリー伯爵(35)×秘密を持った天涯孤独の少年・シリス(17)、少しファンタジーが入った異国ロマンスです。
初めての作家さんなのですが、この傲慢伯爵の献身的ヘタレへの華麗な変身がツボってしまいました。
鼻持ちならん男の凹む姿って……いいわぁ。
同じようなツボに心当たりがある方にお勧めします。

主人公・シリスは亡き母の「ハトリー伯爵を頼りなさい」という言葉に従い伯爵の元を訪ね、付き人として雇われることになります。
このハトリー伯爵は領主としての手腕はあれど、自分に背く使用人には容赦のない冷酷さや男の愛人を複数持つような自堕落なところがあり、自分の事情を打ち明けられる相手かどうかシリスは様子をみることに…。
しかしある日、命令に従わなかったシリスに激情した伯爵は、罰として無理矢理体を開かせ――。

という感じで伯爵さんは強姦してしまい、以来シリスとの間には距離ができてしまいます。…当たり前じゃ!
シリスの怯える態度に苛つく自分の気持ちが分からず、それからも結構酷い言動の伯爵ですが、自覚してからのこの男の変化は実に見ものでした。
シリスに嫌われていると自覚して傷ついたり、自分には打ち解けてくれないのに初対面の人間に笑顔を見せるシリスにショックを受けるとか、妙に可愛い。
高慢ちきな態度なのに弱気という、どんどん可愛げのあるオヤジになっていくんです。

でも、シリスにはシリスの事情がある上に最初の伯爵の所業がネックとなり、伯爵の気持ちはなかなか届きません。
…当たり前じゃ!とここでも思いつつ、高圧的に相手を従わせるばかりだった男が、シリスを喜ばせようと一生懸命になったり、必死に説得する姿とか、情けないのが大変よろしい!
初恋に翻弄されまくる35歳の純情に萌えますた。
そして、簡単に流されないシリスの性格も魅力のひとつ。
その芯の強さに救われて、可哀想なヒロイン話になったり、簡単にロマンスに走ったりしないのです。

しかし、このお話の醍醐味はここから。
最初に述べたようにシリスにはある目的があり、その事が二人の今後に大きく関わってきます。
これから一体どうするんだろうとラストまで目が離せません。
シリスの選択は、ある意味これから二人にとって辛い選択とも言えます。その辺のシビアさが伯爵の一途さを引き立たせ、切ない余韻が後を引きます。
そんなわけでとーーーっても二人の将来が気になる!続きが読みたい!勝手に妄想しちゃう。
政治に関しての描写が個人的には物足りなかったんですが、伯爵に萌えたので満足。
初めて愛というものを知り、喜びに震える伯爵の涙にもらい泣きしそうだった自分にびっくりでした。

1

もう少し練って欲しかった!

さらっと軽く読めるファンタジーもどき。
中世っぽい世界観で、貴族やら王族やら皇位継承やらのお決まり展開がわんさかです。
ですがあくまで「~っぽい」感じなので、しっかりしたファンタジー好きには向かないのではないかと思いました。
あくまでBL的ロマンスをファンタジー風味で味付けした感じという印象なので、私には少し物足りなかったかなというのが正直なところ。

微妙にSM要素ありますが、責め方が生ぬるかったです。
かといってソフトSMかというとそれほどでもなく、いまいち中途半端で、SM要素を書く必要があったのか微妙です。
脈絡なくいきなりそっち系になって仰け反ってしまったので、単にスパンキング描写がしたかっただけなのかな……というもやもやが。

ストーリーは特に破綻することもなく、それなりに楽しく読めました。
傲慢で高圧的な攻と、ぼんやりしてるように見えて気位高い受が、なんともいえないバランスで非常によかったです。
自己中な攻が、好きという感情を自覚してから、受の気を引こうと必死にあがく様にニヤニヤ。
もう一押しあれば、評価は上げていたと思います。
こういった話は嫌いじゃないので、もったいないなという感じでした。

0

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP