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萌え要素がギッシリ!美形・医者・眼鏡・年下・トラウマ・ニップルクリップ・言葉攻め・・・・・なので、評価も「萌え」程度では足りないかと思い「神」にしました。
ストーリーとしては、非の打ち所がないとは言いませんが、それぞれの登場人物の背景がしっかりしているので、大変読みやすいです。
親友から関係を迫られていたところに出くわした同僚に助けてもらったことから、どんどんとSM的な関係に落ちていくといったお話。非道徳的なようで、「個人的にSMなのはかまわないじゃない」と思わせてしまうような「受が救われている部分」が多いと思います。攻も救われています。
でも結局この作品のメインはエロだと思います。
徹底的にエロいです。おなかいっぱいになれます。
心療内科医の加藤と伏見。
ふたりは同じクリニックのカウンセラーという間柄。
友人だと思っていた男から強姦されそうになった夜
助けてもらった男に犯されるというはじまり。
SMの世界のお話なんですが、もっと深い。
大人になるまでの過程で、人は誰しも【秘密】を抱える。
【秘密】の大きさは人それぞれ・・・
【秘密】を明け渡し、共有してくれる相手を見つけるのが人生なのかも。
そういった無二の存在のために人は成長過程で何度も傷つき
【秘密】を作るのかもしれないよね・・・。
はじまりからおわりまで終着点が見えないので
すごくスリリングでドキドキしました。
SMという性趣向を私はうまく語れないのですが
磁石のS極とN極のように、引かれ合う対のようなもの。
まさに“黒い愛情”読み応えあり!
奈良千春さんの挿絵も絶品。
うーん。唸ったよ。
CDキッカケで知った作品。
ちるちるでの評価はCDの方が高いですが、深層心理に踏み込むSMが大好きな身としては心理描写がしっかりとなされる原作の方が読み応えあって面白かったです!
CDを聴き終わった時に「これ、シナリオが悪いんじゃないか…?」と感じたのは当たりで、原作にはもっともっと精神的な方に突っ込んだ世界が広がっていました。
評価が面白いほど分散しているところを見るに万人受けしないことは確実そうですが、私はかなり好きです。
SMと表現していますが、プレイを通して云々と言ったお話ではないので、そっち方面を期待する人には期待外れになってしまうかな。
心の奥深くに厳重に鍵をかけた「黒い箱」をしまい込んでいるカウンセラー同士のお話。
加藤(攻)に身体と心を強引にこじ開けられ少しずつ解放されていく伏見(受)の視点で進行していくお話なので、小説だからこそ冗長に感じさせず書ける伏見の心理描写が非常に重要で、CDにするにはシナリオ力がとても試されそうなお話です。
私はどちらかというと加藤タイプの人間なので、伏見視点で読みながらも自然と加藤側に同調しており、加藤が伏見に感じている「この人なら自分を見せても大丈夫なんじゃないか」「この人なら自分を否定しないんじゃないか」といった一縷の希望のようなものを一緒に感じながら読めたことが、この作品に引き込まれた理由としては大きいかもしれません。
加藤の目に伏見がどんな風に映っているか。
ここを想像するの、結構重要なポイントだと思います。
自分で自分に呪いをかけ続けて生きてきた加藤こそ、伏見によって霧が散るように解き放たれたと思うのですよ。
魔法をといてもらえたと言っているのは決して大袈裟ではないなと思いながら読み終えました。
作者自らがあとがきで「調教」という言葉を使われているので仕方がないですが、個人的にはこの作品を調教モノと表現しない方がいいと思うけどなぁ。
他にも「共依存」「破滅型」と不穏な単語が並んでいますが、そんなことないと思う私の感覚がおかしいのかな。
濃い霧が晴れて優しい清々しさに包まれるような読後感でしたよ。
「おまえ、ちゃんと泣いてるか?」
伏見が加藤にさらっと聞くこのセリフが、加藤に必要だったものと伏見が加藤に与えていたもの(つまり伏見の「優しさ」の種類)を端的に表している気がします。
もう1枚CDで聴いている秀香穂里さんの作品があってそちらもストーリーが好みだったし、他の作品も興味をそそられるものが多いので、これから少しずつ読んでいきたいな秀香穂里さん。
ハマれそうです。
ソフトSM、というか精神的調教。執着攻めにも近いかな。
と言ってもキツくないです。唯一登場する道具が乳首クリップ。
がっつりSMが読みたい方には物足りないと思います。
でもエロいです。基本、ねっとり言葉責め。じっくり羞恥を煽るタイプ。
そのへんが個人的にはすごく好みの度合いで楽しかった。
濡れ場のたびに登場する乳首クリップが、だんだん
「二人の間のおやくそく♪」
みたいに見えてくるのがなんだかいっそ微笑ましく…(笑)
調教モノというと弱みを握って脅して、とか
暴力で押さえつけて始まるようなのが多いですが、
これは受が葛藤しながらも攻に従ってしまう、というスタンスが基本なので、
本気で痛い、辛い、貶めるような描写はありません。安心です。
かと言ってポルノみたいに
「ビッチな受が簡単にあんあん喜んじゃう」ような展開でもなく、
色々と葛藤したり考えたりしながら関係を深めていき、
自分の内部、相手の内部にも向き合っていく…という展開。
エロ重視な小説、と聞いていたので、
あれ?エロ以外も案外ちゃんとしてるなーというのが率直な感想。(失礼でごめんなさい;)
予想できない部分もあって、最後まで飽きずに読めました。
秀香穂里さんは2冊目でかなり間が空いたので文体を忘れていたのですが、
文章も比較的読みやすく、嫌味のない文体だと思います。
カウンセラー同士の会話なんかもわりあい丁寧に書かれていて良い感じ。
読了後に序盤を読み返すと「この会話はなるほどこういう意図が…」と思ったり。
エロ多めだとストーリーまるっきりそっちのけな話も多いので、
意外にバランスがいいなあと感じました。
ただエロ多めのせいなのか文章のクセなのか
心の描写が若干パラパラと散らかって見えると言うか…
ちょっと、若干、推敲が足りなく感じられちゃうのが惜しい。
心理描写がもう一息、あと一歩突っ込んで練られていたら…と思います。
でもこれなんか好きだなーきっとまた読むなーと思うので萌×2。
秀さんの他の作品も読んでみようかな。
エロとメイン2人がカウンセラーという設定の為に心理描写やトラウマまでがっつり入ったお得な一冊、それも文庫でリーズナブル!
エロ的に見逃せないのはやはり乳首クリップでしょうな。
乳首クリップつけたまま公衆面前に連れ出すというのは萌えシチュですなー、そしてそのままトイレでプレイ。
SMにも似た彼らの関係に微かな依存を感じるところもいいです。
そして封印されていた智紀〔受〕の黒い箱がついに開けられて彼は過去を思い出すところの描写もなかなか読ませます。
亮〔攻〕の過去の真実はどうだったのかは最後まで分からない、おそらく一生分からないままなのでしょう。
あとがきで瀬戸のその後を想像してちと笑ってしまいました。それはそれで幸せかもですな!
ちなみにCD化されてますがかなり良い出来。