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表題作メビウスの恋人

海門高雄,レストランチェーン社長
八重垣陽,インテリアショップ店員

あらすじ

一代で大手レストランチェーンを築いた辣腕の青年社長・海門。
欲しいものは必ず手に入れてきた男が、今一番執心しているのが、美貌の店員・八重垣だ。
何度も通いつめて口説いた末、ようやく海門に身体を許してくれた八重垣。
けれど「あなたは好きだけど、恋人にはなれない」と告げられてしまう!!頑なに恋人になることを拒む、その理由とは…!?運命に翻弄されるドラマティックLOVE。

作品情報

作品名
メビウスの恋人
著者
火崎勇 
イラスト
紺野けい子 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199004315
2.5

(6)

(0)

萌々

(1)

(3)

中立

(0)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
4
得点
13
評価数
6
平均
2.5 / 5
神率
0%

レビュー投稿数4

掴めそうで掴めない

特に目新しい要素は感じなかったのですが、攻めの攻勢をうまくすり抜けていく受けが気に入りました。
掴めそうで掴めない、影法師のような、そんなミステリアスな所も秘めてる受けに、攻めがどんどん惹かれていく様子が私のツボにはまりました。
でも、受けが言う「秘密」がストーリー中盤で読めてしまったのがもったいなかったかな。
私的には、もっともっと受けに攻めを翻弄してほしかった(笑)。
攻めが結構オレ様なので、こういう傲慢な男が一人の人間に振り回されてるのって面白い。

0

ソフトな王道BL

 一代で大手レストランチェーンを築いた辣腕の青年社長・海門。
 欲しいものは必ず手に入れてきた海門だったが、今、どうしても手に入れることができないものが二つあった。
 一つ目は、新規出店予定の店の土地。
 今まで失敗したことなんてなかった海門が、その慢心から事前調査を怠ったばかりに、一部の土地を買うことができなかったのだ。
 おまけに、その土地の持ち主が、学生時代からライバル視していた男で、交渉をしに行ってもケンカになってしまい、うまくいかない。
 そしてもう一つが、美貌のインテリアショップの店員・八重垣だった。
 今まで恋人というものには事欠かない海門だったが、八重垣だけは別。
 口説きたいとは思っているものの、いざ本人を目の前にすると、何もいえなくなってしまう。八重垣に勧められるがまま、小物を買って帰るのが関の山。
 けれど、ある日、八重垣からその気のあるそぶりを見せられて、海門は八重垣を食事に誘うが、八重垣はあっさりと帰ってしまう。
 そして思わせぶりな一言を残す。
 その後、ようやく八重垣が海門に身体を許してくれて、海門のことを好きだと言ってくれるけれども、「あなたは好きだけれど恋人にはなれない」と告げられてしまう。
 どうして八重垣は海門の恋人になるのを拒むのか……。

 というような話でした。
 海門は二つの懸案事項を抱えていて、実はその二つが複雑に絡み合っていた……という感じ。

 最初、八重垣は大分余裕がありそうなキャラクターとして出てくるんですが、実際はそんなことなくて、真面目で嘘を吐いて遊ぶことのできないタイプ。
 だからこそ、海門に対して「恋人になれない」と告げ、海門に別れを告げるんですが、海門は八重垣がそう言った理由を知った海門は本気にならなくをえなくなり、公私混同で、八重垣を手に入れるために本気で動き出す……という話でした。

 八重垣が美人なのに、とてもかわいらしくて好感が湧く、ソフトな王道BLでした。
 派手な萌えはないですが、あまり人を選ばずに楽しめると思います。

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傲慢なようで優しい

火崎勇先生作品ならハズレはなかろう。その期待に添う作品。

一貫して攻め視点。
主人公は元々陶器店の息子で、今や自分の才覚でレストランチェーンを大企業まで押し上げた海門(かいもん)。
今回、レトロな洋食店をやりたいと企画し、大体の用地買収まで漕ぎ着けたがその用地の一角で一軒の小汚い洋食店が営業していた。
その立ち退きと買収を急ぐのだが、なんとその洋食屋の店主が高校時代からのライバルだった…!という冒頭。
しかし本作は海門と店主のBLではないですよ。
全く関連が無いか、と思われた商店街のカーテン屋、その店員の八重垣に恋をする海門。
八重垣は海門を受け入れるのか否か、何とも思わせぶりな態度を取りつつ、この恋の障害に気づいてほしい、と海門に謎かけをしてきます。
シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」をなぞらえて…

さて、主人公の海門。
いかにも俺様で傲慢、欲しいものは必ず手に入れる、と思われがちなタイプですが、読んでみるとそこまで傍若無人じゃない。
ビジネスにおいては筋道を立て、若き日のライバル意識を引きずって喧嘩腰になりつつも、そんな自分の思考回路や今の状況をきちんと分析して対応する度量を持つ男。
そんな男がロミジュリ状態の八重垣をやはり諦められずに欲する恋心…
買収問題と恋愛問題を同時に解決していく後半のスピード感や、いよいよ恋する相手をモノにするその時の激情をたたみかける終盤に読み応えがありました。
海門の秘書の河島のクールなツッコミが楽しかった。
紺野けい子先生のイラストも良かったです。

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ヘタレ社長が最終で挽回

惚れた男の為に、ヘタレ社長がはりきって頑張るのが見物でした。
受けがなぜ思いを受けいられないのかと、受けの正体を探るのが作品の肝でした。

レストランチェーン社長・海門高雄 ヘタレ単純攻め× インテリアショップ店員・八重垣陽 マイペース受け
海門は用地買収をして新しいレストランを作ろうとしていたが、あと1軒で計画がストップする。
廃屋だと思っていたそこはレストランを営業していた上に、犬猿の仲の木原がオーナーだった。
案の定、ケンカ別れになって、用地入手は上手くいかない。
お店に行く度に八重垣から新しいアイテムを購入する程、八重垣に惚れているが、まだ誘うことが出来ない。
思いきって誘うと、どうやら脈がありそうで。

攻め視点なので、海門のヘタレっぷりがよく伝わってきました。
秘書の河島も優秀で社長の海門にぽんぽん口を出すので、もしかして河島と、それとも木原と上手くいくんではと疑いを持ってしまった位、八重垣の熱を感じられなかったです。秘密にしているから、情報を小出しに出しているからなのかもしれませんが。
攻めの海門の方が八重垣は女と結婚しているんじゃと疑惑を抱いたり、悶々としているのが妙に新鮮でした。
肝心の秘密が秘密でないというか、肩透かしでした。
ロミオとジュリエットを気取るほど、そんなに深刻で悲劇って仲でもないので、受けの芝居がかった感じの台詞にすごく違和感がありました。
それ位の事は普通に言えばいいのにって、思ってしまいます。
攻めの本気を受けが手玉に取るというか、尻に敷く感じで、攻めがぐるぐるしているのが珍しいと言えば珍しいです。
八重垣の美形という以外の個性を、もっと見たかったです。
かかあ天下で尽くす攻めがみたいという方には、いいかもしれません。

エロ:★2 普通
総合:★2 受けの性格と個性と秘密が弱いです。

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