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表題作雪花の契り

元親友で桂木商会社長 桂木尭弘・25歳
伯爵家子息 花房薫・25歳

その他の収録作品

  • 天上の午睡

あらすじ

「帰ってきたよ―おまえに復讐するために」花房伯爵家の跡取り・薫の前に現れたのは、かつての親友であり、忘れられない男・桂木だった。
学生時代、薫の父の商略により桂木家は破産。
全てを失い単身アメリカへ留学する彼を、薫は物陰から見つめるしかなかった。
八年後、艶めく容姿の薫とは対照的に精悍な風貌となって男は戻ってきた―瞳に憎悪の光を宿して。
複雑な想いを胸に秘めた薫は、憎しみをぶつけるような口づけに翻弄され。

作品情報

作品名
雪花の契り
著者
秋山みち花 
イラスト
北畠あけ乃 
媒体
小説
出版社
笠倉出版社
レーベル
クロスノベルス
発売日
ISBN
9784773003758
3.3

(9)

(2)

萌々

(2)

(3)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
2
得点
28
評価数
9
平均
3.3 / 5
神率
22.2%

レビュー投稿数2

こういうの好きです。

学習院で同級生だった桂木と花房。
しかし、親友だった2人は桂木の家の没落をめぐる経緯もあって変わっていく。
その原因の一因が自分の家にあると知った花房はなんとか桂木のためを思って行動するのだが。
8年後再会を果たした桂木は花房を恨んでいて…。

正直、こういう対立モノ(?)好きなんだって再確認しました。
ホントは想い合ってるのに、それがいろいろな擦れ違いで最後まで両想いにならないというか。
対立しても屈しない受が好きなのかも。
帰って来た桂木は復讐するためだと宣言したくらいで花房の家を潰そうとしてくる。
仕事の上での正式なやり方で花房と事業を争うことになったり。
もちろん、個人的な意味あいでも花房を貶めるように辱めたり。
とはいうものの最後まで致すには至らないのですが。
至ったきっかけは花房の方が作って。
この花房のやり方が結構好きです。
事業を有利に動かすために別の男に身を差し出さなければならない。
けれど、その前に桂木への想いに気付いてしまった。
だったら、せめて最初は桂木に捧げたいと思い、それとなく桂木をその気にさせるために挑発する。
そのためにわざわざ自ら桂木邸へ出向く。
桂木は花房の想いなど知らないからはしたない男だとしか思っていないし、それなりの抱き方というか言葉を投げつけたりもする。
それでも、花房は自分の本当の想いは告げずに減らず口を叩きながら桂木に抱かれる。
この素直じゃないところが好きです。
が。
ここで桂木が「ずっとこうしたかった」とか言っちゃうんだな。
これがちょっと自分の好みとは外れていたかもしれません。
その後も花房と男の逢い引き現場に逆上して無理矢理花房を抱いちゃうんですが終わった途端に我に返って心配しだすんだ。
どうせなら、最後の最後までそういう優しさとか想いとかは表わさずにいて欲しかった。
最後の最後でドカーンとぶつけてくれる方が好きだなーと思ったのが残念でした。
でも、最後のえちはわりと満足です。
両想いになっても甘々という感じではなく、↑の男とのやりとりはどうだった?とかどうされた?とかいろいろ聞きながら苛めながら進める桂木はステキだと思った。

北畠さんのイラストもステキ。
花房が麗しいんだ!
キレイじゃなくて麗しいんだ。
そして、成長した桂木がとても同い年には見えない件…。

1

古典な王道、でもこのテーマは永遠ですね~

明治後期の舞台で、華族を据えた復讐もの。
どっかで見たような?なデジャブ感満載ですが、このシチュは永遠なのですよね。
ついつい手を出してしまう自分、結構メロドラマ好きかも?

学習院で同級の桂木と花房は親友。
花房はその美貌と家柄から薫姫と呼ばれ、言い寄る上級生も数多い。
でも番犬のようにことごとく桂木が守り、花房も桂木を特別に思っている。
もし桂木が勝ったら言いたいことがある、とビリヤードの勝負をするのですが、引き分けて終わる。
そして、それが桂木と会う最後になってしまうのです。
8年後、ある舞踏会に招かれた花房はそこで桂木と再会する。
そして、「お前に復讐するために帰ってきた」と言い放ちキスをするのです。
折しも花房の父親は病で伏せっており、花房が代理を務めているが、会社の業績は芳しくなく、花房の会社の仕事はことごとく桂木に取られて、苦境に立たされ、花房は以前から花房を好いている海軍軍人の植村に身体を許すことで仕事をとろうとさえするが、そこへ桂木が現れて・・・

簡単なあらすじ読んだだけで、はは~ん、、なるほどね♪ってわかっちゃいますよね。
なので、どこが萌えどころなのか?と問われても、どんぐりの背比べで、突出した萌えは特にはないのですよ。
桂木も一見酷い復讐の仕方をと思えば、花房の切迫ぶりもさほど伝わってこないので、余りひどさを感じない。
花房はあくまでも美しく、優しく、真正直で、会社には向いてませんね。
元々医者志望だったのを、桂木を秘密裏に援助するという取引を父親としたために跡を継ぐ形になってますので。
植村という軍人も、適度にイイ人。
いっそ桂木がもっと鬼畜で、花房がもっと悲惨になれば、もっともっとドロドロして面白くなったでしょう(自身の趣向によるが)
なのでまっとうな、王道のお話。
表紙はとっても雰囲気ぴったりであってます。

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