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表題作12時の鐘が鳴る前に(新装版)

叶,傲慢で皮肉屋の元医者
朋也,負けず嫌いの高校生

その他の収録作品

  • 新装版あとがき
  • Short Stories

あらすじ

「服を脱いでサイズを計れ。まず胸からだ」高校生の朋也が家政婦として訪れた、荒れ果てた古い屋敷。そこの主・叶は皮肉屋、傲慢、人ギライと三拍子揃った嫌な男だった!出会うなり「乳首のサイズを計れ」と高飛車な命令。当然反発した朋也だが、だんだん叶の隠れた面を知り、彼に惹かれていって…!?

作品情報

作品名
12時の鐘が鳴る前に(新装版)
著者
ひちわゆか 
イラスト
円陣闇丸 
媒体
小説
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイノベルズ
発売日
ISBN
9784862632487
4.6

(65)

(48)

萌々

(10)

(6)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
18
得点
298
評価数
65
平均
4.6 / 5
神率
73.8%

レビュー投稿数18

ショートショートが最高すぎる

あらすじを見て嫌厭されている方がいたら勿体無い!
攻めは別にセクハラ親父な訳ではなく、あのセリフと行為はとある誤解から生じたものでして…
本編を読んでもらえばわかると思いますが、おそらくあらすじを読んだ時とは違う印象を受けると思います。
攻めと受けの両方の視点から話が進み、心理描写が丁寧に描かれています。もどかしい展開もあり、だからこそ2人の関係が成就した瞬間、心から良かった〜と感動できました。

で、本編はもちろん最高なのですが、本編後に載っているショートショートが最高すぎます。
全部素敵なのですが、とあるショートがたった2行しかないのに、ものすごい破壊力でして…
本編読んで、それまでのショートショートを読んだ上で、是非この2行を堪能して欲しい。
たった2行で情景が頭に浮かんで、かつ激しく萌えられるってすごくないですか?
とにかくこのショートショートを読んで欲しいです(もちろん本編も最高に面白いです)

歳の差地雷でなければ、ぜひ読んでみてください!!

0

鐘が鳴る前にする事とは♡

攻めが好きでした!
さりげない優しさに心を掴まれました。

勘違いしながらすれ違っていく叶と朋也。
お互いに大切に思い始めながらも、なかなか素直になれないのもそのせい。
それを三上はニヤニヤしながら眺めてたんじゃないかと思うと、全ては三上の掌の上の出来事のように思えました。

ストーリー的には運命の出会いと再会……と、いうお伽話のような展開。
少しチープに感じてしまう部分もありつつ素敵なのは、やっぱり叶の優しさのせいだと思う。
車海老を食べちゃったのも、海老が死んでしまったのを隠そうとしたため?……なんて、思ったり。

後半のショートストーリーも面白かったです。
特に、セーターのくだりは笑ってしまったw

全体を通して優しさに満ちた素敵なお話でした。
世間知らずで健気な朋也も可愛かったです。


0

神です!!評価変えたい…_(:3 」)_

再読です。最初に読んだ時に評価ミスりました…神です〜(/ _ ; )
もう最高に良かったです。

まず、こちらの作品、最初に刊行されたのが2003年。私の読んだ新装版の刊行が2007年です。旧版を未読の為、本篇の加筆修正の有無は不明なのですが、作者様が後書きで何も仰られていないので本篇はそのままなのかも?。
新装版では描き下ろしが付きます。この描き下ろし、本篇あってのものなのですが、本当に最高です。
平均して1、2ページくらいの超ショートが10篇入っております。1番短いものですと、驚きの2行です。私はその2行で、かわいいっ!と萌えたのですが、たった2行で人の心を動かせられるって凄いですよね。

本篇のお話は、王道。気難しい攻めと負けず嫌いで頑張り屋の受けの歳の差ラブストーリーです。
最初に読んだ時は…あくまで私の感想なのですが…授業で習ったような正しい句点で、句点が多くて読み難い。私は句点で一呼吸おいて読むので余計に読み難く感じたのかも知れませんが…。お話は王道で良い萌だった♪と、萌2の評価をしていたのですが、今回再読すると萌2どころの萌えじゃなかった…! 
句点が多く読み難いなと思っていた文章は、なんと美しく、読ませる文章なのか!と、過去の私にビンタです。

肝心の本篇のお話を。(叶×朋也)
お話は基本的に受け視点で進み、時々攻め視点が入ります。
先にチラッと触れましたが、見事な王道です。
気難しく人を寄せ付けない休職中の医者の叶が足を骨折し、叶のギプスがとれるまでの世話を知人から頼まれた負けず嫌いな朋也。世話は必要無いと言う叶に最初は嫌がらせまがいの事もされ、追い出そうとされるのですが、負けず嫌いな性格がわざわいし(結果的には功を奏し。笑)、時には反撃しながら叶に立ち向かっていきます。
そこに、お互いの過去や、叶の勘違いが絡み合い、深みや萌えをもたらしてくれます。
お互いに惹かれていく様子が丁寧に書かれていて、余裕のある歳上攻めの利点が活かされたエロもお見事でした!
朋也の純真な無垢さは、可愛いなとクスッと笑え、お話の中の癒しでもあります。

円陣先生のイラストがお話にピッタリです。
特に酷薄そうな叶が良い(*´◒`*)♡

さて、長いレビューになってしまいました。素晴らしい作品は、やはり、いつまでも色褪せず素晴らしいままです。
歳の差王道ラブストーリー、オススメです♪

1

締めくくり方がロマンティック!

偏屈で人嫌いな医者の元へ、期間限定の家政婦として通うこととなった高校生。

この受けがとても素直でスレてなくていい子なんです。
だけど攻めはあからさまに疎んじて、セクハラめいた嫌がらせをしたり冷たくあしらったりするんだけど、メゲません。
それどころか攻めが追い出そうとすればするほど、負けず嫌いな性格ゆえここで逃げ出してたまるか!とばかりに家事に励む。

昼夜逆転をしていた攻めのお布団を朝になれば引っ剥がし、掃除機をかけ、朝食を食べないとダメです!とお小言めいたことさえ言うし、時には負けじとやり返すところもかわいい。
この攻めと受けとのやり取りが面白かった。

ちなみに受けを紹介してくれたのが風俗を経営している旧友ということもあり、攻めは受けのことをウリ専ボーイだと思い込んでます。
それにしては変だと思うことが多々あるくせに、最後のほうまで誤解したままの攻め……。

最初は鬱陶しいだけだったのに、いつしか受けの存在が生活の一部となっていく、その過程が丁寧に描かれていて良かったです。

そして「運命の人」「シンデレラ」「懐中時計」といった幾つかのモチーフが伏線となって作中に散りばめられているのですが、それが最後ですべて綺麗に回収されたところもお見事でした。

幼い受けが出会った丘の上の王子様ならぬ懐中時計の青年から言われた「きっといつか運命の人が……」という言葉。
それを心の支えにして受けが生きてきた一方で、攻め自身はそれを否定するようになってしまっていた。
そんな二人が出会う事により……という運命の巡り合わせを感じさせる素敵なお話でした。

あらすじには「乳首のサイズがうんちゃら」とあるので、さぞや変態チックなエロラブコメなのかと思いきや、ラストの締めくくり方がとてもロマンティックなんです。
なんであんなあらすじなんだろ?


書き下ろしにSSが複数収録されているのだけど、これがまた楽しい。
日常を切り取ったかのような二人の甘くて、時にはコミカルなやり取りのSS揃いで、まさに壁になった気分を味わえます。

性的な事に疎い受けに、これがセックスの作法だ、これが普通だとシレッと教え込む攻めと、恥ずかしい…と思いながらも攻めが言うならそういうもんかと信じてしまう受けというのが大好きなんです。

この作品の攻めは、電気はつけたままするのが普通だと教え込むんですね。
その「電気」ネタが書き下ろしSSに幾つか収録されていて、萌えるし、笑えます。
とりわけたった二行の電気SSの破壊力たるや!!
萌え死んだ。

本編だけなら神寄りの萌萌だけど、この書き下ろしSSの数々が非常に良いので雷です。

電子(シーモア)はあとがきが無くて残念。



2

嫌われたくない=好き?

積み本の中でも高評価(神率80%超え!)の本作をやっと読みました。17歳の主人公・朋也(受)と、30代後半の医師・叶(攻)のお話です。

叶は両親の死を切欠に人が変わったように厭世的になってしまい、勤めていた病院も退職して自堕落に過ごしている男です。彼の親友である三上の紹介で叶の家政婦のようなバイトを引き受けることになった朋也は、叶に露骨な嫌がらせや意地悪をされながらも、負けず嫌いな性格ゆえにへこたれずに叶の身の回りの世話を続けます。ふと垣間見える叶の優しさや彼が抱える哀しみを知り、朋也はやがて叶に恋心を抱いていき、一方の叶もちょっとした勘違いで朋也に複雑な想いを感じていきます。

叶の性格が一変してしまった理由は納得できるというか…衝撃的だなぁと思ったのですが、朋也と叶が惹かれ合う肝心の部分があまり心に響いてこなくて残念でした。あとがきに「本作のキーワードは<運命の人>だった」と書かれているとおり、運命の人と運命的に再会して恋に落ちるという展開は分かりやすかったものの、20歳ほどの年の差やらセクシャリティやらを超越するほどの何かを私は読み取れませんでした。

2003年の作品の新装版ということで、ベッドシーンはありながらも奥ゆかしさを感じる作品でした。書き下ろしのSSが楽しかったです。

2

この作品が収納されている本棚

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