海に眠る

海に眠る
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神6
  • 萌×22
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
3
得点
38
評価数
8件
平均
4.8 / 5
神率
75%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
日本文芸社
シリーズ
Karen文庫(花恋文庫 小説・日本文芸社)
発売日
価格
¥600(税抜)  ¥648(税込)
ISBN
9784537141054

あらすじ

公衆トイレの片隅に、へその緒をつけたままで捨てられていたリュウは、虐待に耐えかねて孤児院の牧師を虐殺し、逃亡する。親の愛さえ知らず、あまりにも孤独で、十六年のリュウの人生は暗闇も同然であった。しかし逃亡中に出逢った一人の青年が、リュウの運命に光を与える―。

表題作海に眠る

孤児院から逃げ出したリュウ
心臓に欠陥があり病弱な祐介

その他の収録作品

  • 思い出させてあげよう
  • さよならは言わない

評価・レビューする

レビュー投稿数3

心に響きました

答姐トピでオススメ頂いて読みました。手に入れたものの、初読みの作家さんだったことと、どう転んでもネガティブなあらすじと表紙絵からページを捲るのを躊躇していましたが、読み始めると、静かながら迫力のある筆致と破綻のない展開、なにより心に響く物語の重さのようなものにグイグイ惹き込まれて一気読みしました。

関連しないお話が三篇収録されているので、作品集という感じの一冊です。

・孤独な二人の青年が出会い、束の間、強く惹かれ合う「海に眠る」
・幽霊として愛する弟を見守る兄の執着が爆発する「思い出させてあげよう」
・姿を消した恋人に対してやりきれない思いを抱え、二人の日々を追想する「さよならは言わない」

正直、もっともっと痛くて重い作品だと思っていたので、そうではなく喜怒哀楽の詰まったドラマ作品だったことにまずは一安心…。その上で、捉え方は様々ですが私はすべてハッピーエンドだと思いました。

どの作品も印象に残っているのですが、特に「さよならは言わない」が私は大好きです。BL作品って具体的にそういう描写があろうとなかろうと攻も受もセックスに対して前向きで基本的には「したい」続きと思っていることが大前提なので (勿論わたしも読み手としてソコを期待するところではありますが)、この作品で眼から鱗が落ちたような気分になりました。

オススメしてくれた方に感謝しつつ、またこういう重厚なドラマ作品と会えるといいなーと思います。

1

眠れる名作

5ミリ程度の期待で読み、完全にやられました。
「海に眠る」、2007年に発行されたものですね、表題作他三編が収められていて、それぞれ「小説イマージュクラブ」という雑誌にかなり前に掲載されたようです。
まず、「海に眠る」。攻めのリュウは孤児であり、自分を性的に虐待してきた牧師など二人を殺害して、海辺の町に逃げてきました。そこで受けの祐介と出会います。
祐介は心臓が弱く、繊細なガラス細工のような青年です。
光のない世界に生きてきた16歳のリュウと、ずっと養父で愛人の男との生活が世界の全てだった祐介。
せつなく、深く沁み入りました。
二番目、「思い出させてあげよう」。出産時に亡くなった双子の兄が主人公の不思議な趣きのある短編。
この兄、涼は幽霊で、人知れず弟の凪を見守ってきたのだけど、凪は何かに怯えている。どうしたんだろう?という感じの話です。
凪の友人の体に乗り移り、愛する凪とセックスします。
不思議な感動、明るい感じに描かれていますが、涼の存在がせつなく、胸を打たれます。
ラスト、「さよならは言わない」。前二作と違い大人な感じです。
さよならも言わずに消えてしまった続き恋人のことを話してる場面から始まります。同棲してたのにセックスレスだったのですが、それは…という内容です。
作者は葛城ちかさん、凄い作家がいたものだと、読み終えてから他に作品は、と検索しましたが、残念ながらこの一冊だけのようです。
レビューを書くために読み返していて気づいたのですが三編どれも生と死がひっそりと寄り添う作品でした。
葛城ちかさん、できれば他の作品も読んでみたいけどそれより、お元気で暮らしていらっしゃればいいなと思います。

4

大人のビターな味わいを・・

昭和の香りなつかしい、耽美小説を精力的に復刻しているKAREN文庫です。独特の文体は携帯小説世代にはまどろっこしいかもしれないですが、静謐で、しかも泥臭さとあざとさも同居し独特の世界を醸し出しています。
そしてエンディングが、一般的なハッピーに収まりきらないというのも、特徴かもしれません。「ある意味、二人にとってもこれは幸せだよねえ。。」とあまりに悲しいエンディング。
主人公リュウは、ゴミ箱に捨てられて愛を知らずに育ちました。施設内でも性的な虐待を受けていたため人を愛するという気持ちが理解できません。
そして殺人事件を起こし、食料やお金を奪いながらの逃避行。逃亡にも疲れ海辺の町にきたとき、偶然同じ施設にいた祐介に巡り会います。
心臓が悪く義父に囲われている祐介。
二人きりの密かな暮らしは、いつまでもは続かず迷惑を掛けたくないとリュウは祐介の元を出ていくことに・・祐介もまたあれほど慕っていた義父との生活を捨ててもいいとまでリュウのことを思うようになりリュウを追いかけます。
あまりに悲痛なラストに、やりきれなさを感じるかもしれないですが・・これが「耽美」です。
一話は短いので続き、ちょっとだけ“大人のビター”の苦い余韻を味わってみてください。

8

この作品が収納されている本棚

PAGE TOP
  • 電子書籍
  • レビューを見る
  • 評価レビューする
  • 関連作品
  • 攻受データ