少年人形

shounen ningyou

少年人形
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神24
  • 萌×28
  • 萌13
  • 中立3
  • しゅみじゃない5

--

レビュー数
21
得点
194
評価数
53件
平均
3.8 / 5
神率
45.3%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
大洋図書
シリーズ
SHYノベルス(シャイノベルス・大洋図書)
発売日
価格
¥1,190(税抜)  ¥1,285(税込)
ISBN
9784813011620

あらすじ

全部、俺が女の子にしてあげる──名門進学校に通う遠山由宇は、多忙な両親に代わり、義理の叔父である瀬名匠によって大切に大切に育てられる。誰よりも自分を甘やかしてくれる匠を由宇も心から慕っていた。でも、もう甘えることはできなかった。なぜなら、自分のなかにある背徳と禁忌を知ってしまったから……けれど、由宇の欲望が露になったとき、ふたりの新たな関係が始まり──心と体を支配する、甘く残酷な官能と恋の物語。
(以上、版元あらすじ)

表題作少年人形

義理の叔父 匠
女装願望のある地味な高校生 由宇

その他の収録作品

  • 愛玩人形
  • あとがき

評価・レビューする

レビュー投稿数21

不健康な共依存

崎谷先生の作品がとても好きで色々と読みましたが、この少年人形の不健康さがとてもやみつきになります。
不健全ではないんです、不健康なのです。
色々と過程なども描かれていて、それでも不潔さを感じさせません。(個人差はもちろんありますが)
内容的にはひどく偏るところがあるので万人受けするとは思いませんが、ただのBL作品ではくくれないような病的であり芸術的な作品だと思います。

2

めくるめく、

背徳と禁忌の世界。


叔父に愛されるために女の子になりたい由宇
そんな由宇を身体だけでなく、心も調教していく叔父・匠

虚弱な少年と魅力的な叔父
ふたりだけの閉じた世界で繰り広げられる官能。
由宇の健気な想いと、匠の甘く残酷な支配が、すれ違いながらも通じ合っていく。


匠に愛されたい由宇と
由宇の想いが自分に向いていると気づかない匠


匠に愛されるために、ふさわしくなるために女の子になりたい由宇
その想いが匠に全く伝わっていないところが、もどかしく切ない。

最初から最後まで、ふたりだけの世界。
それが良いのか悪いのかはわからないけど。


作中のイラストもとても耽美で素敵。

3

崎谷先生は大好きな作家さんの一人ですが、

残念ながらこの作品は好みではありませんでした。
もちろん好き嫌いの問題であって、作品自体は良作だと思います。

実はお互い想い合っている2人なんですが、
微妙に気持ちがすれ違っている。
由宇は別に女装願望があるわけではなく、
ただ綺麗になる事で匠の傍に居るに相応し存在になりたかったんですよね。
その願いを、匠は「由宇には別に好きな男が居る」と思い込んでしまう。
そのせいか、エチが痛々しい事もあったり・・・

年の差・年上攻め等、私の大好物なんですが、
女装エチシーンの描写がどうしてもダメでした。
しかも、すごく読みごたえのある本だったので、
途中で何度も挫折しかけましたよ、頑張って最後まで読みましたが(笑)

二人の気持が通じ合ってからは、すごく良かったです!

4

これぞ調教

受け、攻めともに依存していく様子を濃厚につづった一冊。

全編通してヤっているという印象しかないのに、不思議と心理描写まで描けていて、その移り行きをきちんと感じ取れる作品でした。
セックスにあたって準備とか、本来エグい部分も描かれている作品は珍しい。
しかも、そのエグさを感じさせない耽美な雰囲気には酔いそうでした(笑)
個人的に衝撃だったのは、小さいころのエピソードでしょうか。
受けが何の疑問も持っていなかった分、現在よりかなりアブナイ依存のしようです。
小学校入学までの空白の一年のエピソードとか気になるんですけど…!
個人的にショタが好きなので、おいしく頂けましたが(←)かなりの人はドン引きするような攻めの尽くしようでしたね。
そうやって現在に至るまで育てられて、高校生だと思えないような無垢な受け。
まさに、源氏に育てられた紫の上です。

しかし、この小説のマイナスは、挿絵でした。
私が小説を買うにあたって、かなり挿絵を重視する人間なのでかなりマイナスにさせていただきました。
内容が内容だけに、このような幻想的なイラストにするのは悪くないと思います。
続きらく胴長であろうと、バランスが悪かろうと別に気にしません。
しかし、これはあくまで挿絵であることを忘れてほしくなかったです。
挿絵は、小説では伝わらないものを補うものです。
たとえば、文章に「笑顔」という文字があったとして、その挿絵を見ます。すると、「ああ、このキャラクターはこんなはにかむような笑顔なんだな」と、新たな発見があります。文章では伝わりきれないものを表現できるのが挿絵の役目なのです。
しかし、この作品の挿絵の場合、そのようなものは一切ありません。
文章がないと、何をしているシーンなのかもわからない。表情も似たり寄ったり。
文章があるから、ああ、悲しいんだなと分かる程度。
一枚絵ならともかく、挿絵がこれでいいのか。
文章に補ってもらわないと分からないような挿絵なんて、私には、受け入れられませんでした。

7

読む人を選ぶ、とは思います

読む人を選ぶ作品ではあるけれど、傑作だと思います。
挿絵の佳嶋さんの表紙の独特の雰囲気が内容を物語っています。
どこか退廃的で倒錯的、言うなればJUNEっぽい香りのする作品で、これをもっと文学的に書けば普通に文学としてイケるんじゃないかと思うんですよね。
それ位の精神的美学というか、BLの枠を超えた何かを感じます。

由宇〔受〕は女の子になりたい。
そんな願望を義理の叔父である匠〔攻〕が丁寧にじっくり時間と手間をかけて叶えてくれます。
そのプロセスはとても丁寧で詳細に描写されていて、エロなんだけどそれはどこか美しいのです。
この辺りは語るよりも実際に読んでこの空気感を感じてくれとしか言えない部分が多い。

自分的には今のところ、これが崎谷さん作品ナンバー1の傑作だと思ってます。

5

崎谷作品の真髄

BLというくくりでは収まっていないような作品です。
耽美でJUNE的+純文学的な、古きよき時代の文学に精通する重さを感じる精神世界の話です。
あとがきで「当初はプレイ的な側面が多かった」と崎谷さんは仰っていましたが、きっとそれだと「ただやってみた感」だけが強くて、BLというカテゴライズでプレイ萌えの人には受けそうですが、改稿で精神性を重視されたのが正解でした。グッと濃くなった閉塞感に由宇というひとりの少年性の危うさが見事に描写されていたと思います。
ただ、個人的にはもう少し匠の心情を読みたかったという気持ちはあります。由宇を壊してしまいたいほどに愛している、という気持ちはわかるのですが、何故そこに至ったのか。彼の生きてきた環境の中で、愛情表現を歪ませてしまう何かがどこにあったのか。
その辺りがプレイ面が強すぎて、弱かったのが残念です。
ので、妄想補完しておきます。(笑)
※実は姉の里香のことがものすごく嫌いだったとか。虐待を受けていた、とか。何処かで匠自身にも性倒錯があったとか。

5

倒錯的な世界


おもしろい。
だけど読んだ後に少し胸焼けしそうな濃い話でした。

最初の「少年人形」は女の子になりたがってる由宇を義理の叔父の匠が女の子に変えていく話。

由宇が女の子に変わっていく過程がリアルでなんだか見てはいけない世界を見ているような気分になりました(・ω・)
匠が18歳の由宇をまるで幼児に言い聞かせるように話すので尚更。
由宇は自分が変だって悩んでるけど本当の変態は匠だと思う。

2話目の「愛玩人形」は男の格好のときは触らせないのに、女の子の格好のときはなんでも言うこと聞いちゃう由宇に焦れる匠の話。
きれいな格好じゃないと自信ないっていう由宇の気持ちもわからんではない。
だけど匠は元々男の子の由宇が好きだったんだから、じゃあ男の子のままでいいじゃん、って思いました。

たぶん私は由宇みたいな繊細さを持ってないからあまりこの話に入り込めなかった(..)

全体的に倒錯的な世界で絵も幻想的。なんだか一風変わったBLでした。

2

まさしく、少年・・

最近、自分の好みにあったシチュエーションの描写のある作品ばかり即物的に読んでいたので、読了直後は、「ひ弱な少年」という描写が初盤だけで終わっていることに少々不満を漏らしていたのですが、あとから内容を咀嚼していると、少年期特有の微妙な社会的常識に縛られたままの同性への憧れと、恋心、そして目指す先の紆余曲折なる心理描写がとても繊細に、やさしく綴られた作品ということに気づきました。
すり切れたマイノリティーには、懐かしくも痛々しいその葛藤に初々しさを久しぶりに求めたくなりました。
シチュエーションは、ひ弱な少年という設定だけでも垂涎ものなのに、失禁、腸内洗浄、嘔吐まで。変態にはたまりません。

3

BLのくくりではない神作品。

ちるちるさんの紹介で見つけて、あ、確かうちにある♪と、手にしました。
我が家のは表紙折れのヤケた本ですが、SHYノベルズだったのかとびっくり、装丁とイラストそして小説と、丸ごと1冊が特別な作品でした。

小説の内容は、生来の虚弱体質でコンプレックスの塊りで孤独な「由宇」の、求めたものが同性の「匠」だったことから始まります。

その匠は、忙しい父親や学校からは貰えない、安らぎや温かさを惜しみなく与え見守ってくれる、由宇の世界の唯一の存在。
でも、由宇は成長と共に、同性の自分と匠がこのままでいられない事に気付き悩み妄想し、傍にいられる理由を「女装化」に見出してしまう。

決して、由宇は“性同一障害”ではなく、狭い世界の中の年齢よりもずっと幼い由宇の足掻きが“女装”を願っただけなのです。
また匠も、自分の子・弟・生徒のような特別な由宇の願いを、意識も知識もあり受け入れたのですが、その時はまだ執着の外堀という感じです。

由宇が願い匠が適えるだけなら、倒錯的な愛とその交換で済んだかも知れません。
ですが、匠側にも見過ごせない感情があったのです。
長年培われた由宇への執続き着が、可愛い可愛い由宇の“女装願望”は自分以外の誰かの為?と考えると嫉妬が燃え上がって・・・、
そして、由宇の特別は自分だけだと知っても、次に欲しいものー女装していない素の由宇ーが適わず苦しんで・・・、
ページをめくる毎に、性描写しかり心の葛藤しかり、2人の間に痛みが伴って窒息感も増していきました。
読み手は、2人の気持ちを知っているだけに、眉をひそめて成り行きを見守るしか無くて結構辛かったです。

もっと早くお互いに吐露してたら、もっと早くお互いの欲しいモノを手に入れる事ができたのに、難があればある程、作品を読み手が自分に浸透させていくものだと納得。
厚めの2段組みの本ですが、作者の上手さもあって一気に読み進め、2人が分かりあえた所でやっと息を付く感じ^^、クセになりそう。

好評なエロ部分ですが、期待を膨らまし過ぎたか、流して読んだ訳ではないと思うのですが自分にはそれほどって感じでした。
作者がポルノなエンタメを意図していたらゴメンナサイなのですが、多分男女差があるし(想像<視覚!)、2人の心情の方が自分の心に暗く圧し掛かり、官能的な描写をクラマシテしまったのかと。
だから、自分にはエロ部分の詳しさは無用でした。
だからと言って、この作品が自分の中で一段下がったとかは全くありません。

2人のキャラクターも魅力的で心理描写はスムーズ、物語の切なさや痛さは琴線に触れ感情移入し易かった。
BLというカテゴリー分類だけではないですね、小説を読む男性なら勧めても大丈夫だと思います。
出版社さんも特別な作品としたかったのでしょう、装丁が素晴らしい。

“神”ですが、今まで自分が評した作品とは隔しての、別棚に置いた“神”にします。

5

久しぶりの手応え。

耽美でJUNE的、久々に満足のいく小説を読んだ気持ちになりました。
萌えに走らない女装少年、エンタメ化してない調教、ポイント高いです。
旧JUNE読者としてかなり満足。一読をおすすめします。

3

変化球

いわゆるBLらしいBLではないけれど、根っこにあるのは、かつての耽美なJuneっぽいテイストで、ある意味、王道?
でも、イマドキのBLからは大きく外れていますね。
崎谷さんだからこそ、この外しを楽しませてくれるのかもしれない。

いろいろ読みたい人には、いわゆるテンプレ王道に食傷気味になった時にいいかも。

1

官能小説

これはすごい。
まずボリュームの多さにびっくり!ニ段組みでかつ、この厚さ。
読むのに結構時間がかかりました。

義理の叔父×女装願望のある少年のお話です。
叔父なんて言うから、結構年食った攻めかな~と思いきやそうでもないです。
「女の子になりたい」と叔父に告げて以来、徹底的に女の子になるための調教が始まります。
調教の表現がリアルです。すごい!イチから十まで事細かに描かれています。プレイの内容も。
身体だけ、の調教だけではなく精神的な調教です。もはや、洗脳?
少しずつ「女の子」にされながら、攻めに思いを告げるのですが、ここまでがとっても焦れったいです。
また受けがはっきり言えない性格でして焦れったさに拍車をかけてます。
攻めの叔父、とってもドSです。ええ、とても。
受けは19歳なのですが、それにしても幼いです。考えとか発言とか。ショタかと思う程です。

エッチは濃厚、まさに官能小説です。

3

この倒錯感がたまらない

多忙な両親を持つ由宇は、親代わりにかまってくれる義理の叔父、匠が大好きだった。
高校生になった由宇はいつまでも匠に甘えていられないことと共に、自分の中に眠っていたある嗜好と想いに気づいてしまった。
勢いで罪を犯してしまった由宇に優しく理由を尋ねる匠。
そして、二人の新しい関係が始まる……

なんかいろんな所で異質だ異質だ言われていたのを目にしていたせいか、とても身構えて読み始めた一冊でした。
だけど読み始めると色々そんなに気にならなかったというか、ごく自然に読めました。あれ、それも問題なのか……?

たしかにエロの長さと濃さはもうお腹いっぱいです。
精神的調教はいいよね。
肉体的に痛い話は見ていてもしんどいけれど、こういうのならぜんぜん抵抗はなかった。

主人公の由宇が女の子になりたいという出発点は、結局のところ「好きな人に似合う人物になりたい」だと思うし。
個人的にはネタとしての女装よりもこれくらい倒錯感がある方が楽しいなあと。

お互いにお互いしか見えていない二人の関係はどこか歪んでいるけれど、だからこそ美しい。

確かに万人受けする話ではないかも続きしれないけれど、私は楽しかったです。


4

絶版本以外の全崎谷作品、レビュー完了

これは20禁くらいにした方がいいと思います。ポルノだからという意味でもありますが、この精神世界を未成年が読んで果たして理解できるのかが疑問です。

この作品に限っては、本編よりあとがきを先に読むのもアリだと思います。特にネタバレはないし、作者がどのような考えを持って書いたのかよくわかります。「女装」や「調教」がテーマというより、精神的な「歪み」と「依存」が柱に来ていると思います。BLにおけるエンターテイメントとファンタジーを取り除いてチャレンジしたということでした。

主人公の由宇は普通の少年。義理の叔父である匠のことが好きなのですが気持ちを伝えられず、匠に好きになってもらうために「女の子になりたい」と考えるようになります。それを知った匠は由宇に一から全てを教えていきます。

顔のベースケアから産毛やビキニラインの処理まで詳細に書かれています。それが凄い。ビスクドールのような衣装を身につけ、化粧をして「かわいい女の子」になった由宇。しかし外見だけではない「女の子」になりたいという由宇に匠は「男に抱かれて、とろとろに濡れる身体にしてあげるから」と告げます。

お風呂で腸内続き洗浄する場面やアナルを拡張していく様子はリアルで読み応えがあります。セックスの仕方を教えてほしいと言う由宇に対し「それは誰のためだ」と訊く匠。本人だとは言えない由宇に匠は「そんなにそいつに抱かれたいのか」と、ここから二人のすれ違いが始まりました。
匠は優しく残酷に由宇を「女」に変えていきます。ラストで二人の気持ちが通じあった後、初めてのセックス描写は胸焼けするほど濃いものでした。

後半の『愛玩人形』は「暴力を使わない精神的な隷属に至る過程」が完成したものでした。女装だけではなく、性の道具も使って由宇を「猫」にする描写も凄いです。他のBLで見られるようなプレイ的なものではありません。

匠の出張中は自慰も禁止され、排泄でさえ匠の管理下に置かれた由宇。「隷属」という言葉がぴったりだと思いました。しかしそれは同時に、由宇だけではなく匠も相手に隷属し依存しているということなのだと感じました。

ラストのシーンでは完全に匠の「人形」になった由宇がいます。もしもこの人形が壊れてしまったら、匠も一緒に壊れて狂ってしまうのだなと感じさせる終わり方に鳥肌が立ちました。


これで絶版になっている崎谷作品以外は全部レビューが済みました。長かった…。しかしこれからも文庫化されるものや、新作が多く出版されることでしょう。

この『少年人形』は数ある崎谷作品の中でも一度は読むべき作品だと思います。最後に、崎谷さんがこの作品を出版するにあたって、崎谷さんの担当さんの「相当やばいですけど、これで行きましょう!」という開き直った言葉がよかったです(笑)

12

醜く歪みながら1つの芸術作品になってしまったような感覚。

崎谷はるひさんの実験的な作品。
女装、調教、依存、倒錯・・・単語は違うけれど
すべて“恋”につながっているのではないだろうか。

主人公の少年は、5歳のときに出会ってからずっと
義理の叔父に依存しつづけている
叔父の愛情を得ようとして思いついたのが
美しくかわいらしい女性になること。
少年は、愛されようと女装し叔父の人形になろうとする。

義理の叔父もまた、同じように少年に依存しつづけている
少年の女装を肯定しつつ矯正している・・・
真綿で包み込むように精神的な調教をしつづけるわけです。

ファンタジーやロマンスといったイメージを払拭するために
直腸洗浄などの手順をリアルに盛り込み
どこまでも生々しい倒錯の世界でした。

少年が19歳という年齢なのも
いわゆるショタじゃないと思うんですよね。
義理の叔父も
ただ単に若い肉体(幼児性のともなうような)が好きなわけじゃない。

エロティックな文章が大半を占める本ですが
少年も叔父も、歪みきった心の支えをお互いに求め
求めているのはあくまでも、見た目の美しさや肉体ではなく
精神的なモノなんで続きすよね・・・
醜く歪みながら1つの芸術作品になってしまったような感覚。

挿絵が、作品のイメージをワンランク上質にしていると思いました。
これがほかの挿絵だったら、ちょっと耐えられなかったかもしれない。

少年も叔父も、酷く幼稚で精神的にギリギリのラインを生きているのに
他人の前では仮面をつけて生活しているんですよねー。
ファンタジーというよりも、個人的にはホラーに近い戦慄がありました。

この先、少年が30歳になっても40歳になっても
彼らの時間は、止まったままなのだろうか?

4

よくぞコレを出版したと、、

その剛胆さに拍手したくなるような、
荒唐無稽なセックスファンタジーと対極にある、真摯に文学的なポルノグラフティでした。
耽美で装飾的な挿絵と、ガッツリ対峙するのは、
豪華なドレスに包まれた、克明な調教物語。

それにしても、この2段組でたっぷりと、
ここまで書くか、の、調教と開発の詳細なプロセス。
底なし沼にうっとりと沈んでいくような結末。
「BL」では括りきれない、ある意味究極の「BL」

読み応え、たっぷりでした。

この作品。CD化したら、とんでもなくポルノな、エロ作品になりそう。
「…おにいちゃんの、…」
誰に言わせたいかなぁ、、、
言葉責めするお兄ちゃん・匠は、是非、ゆうきゃんにやって欲しいけど、
由宇はだれがいいだろう、、、

5

JUNE的官能小説

飼育、調教、倒錯、女装とポルノの要素で出来上がった一冊でした。
しかし、碕谷さんの女性ならではの文体で、それは甘く切なく、佳嶋さんの絵と相まって雰囲気もさることながら、上品な仕上がりになっています。

一般的なポルノ作品と違うのは、
少年由宇と、義理の伯父匠のすれ違い、勘違いからエスカレートしてそしておさまるという、機微の描写をただの性表現で済ませていないところなのでしょうか。

伯父に愛される体になりたいと、女の子になりたいとのたまう由宇。
「女の子にしてあげる」と女装と体の調教もしていく伯父の匠。
特に美少年でもなく、虚弱で、存在さえ薄い自分に自信のない男子が主人公であり、対する伯父は女も男もほれぼれするような外見設定。
しかし、ありがちなエンタメ的ポルノになっていない点は、作者の意図するところでもあり、その点は成功していると思います。

JUNEの香り十分な作品ですが、二段組みのボリュームある文章の厚いノベルズになっておりますが、大洋図書さんの、こういった取組も自分的には好きです。

6

閉じた耽美な世界

豪華な装丁に耽美なイラスト。しかもブ厚く、中身はニ段組。
これはなにやら、いつもの崎谷はるひ作品と趣が違う……?と。
ドキドキしながら本を手に取りました。

同性である義理の叔父が好き。
彼に愛されるために女の子になりたいと願う由宇。
しかし由宇は別に女装癖があるわけでもなく、
性同一障害でもありません。

同性を好きになる自分はおかしい。男同士は不自然だ。
でも好きな人の側にいたい。好きな人の隣りにいて、
不自然ではない可愛い女の子になりたいだけなのです。
この心情が凄くいじらしくて……!

そんな由宇に「女の子にしてあげる」と甘く囁く義理の叔父・匠。
ここから倒錯的で濃厚な世界が始まります。
匠の施す女装がとにかく本格的で。
また由宇が少年から少女に変わる過程を、
これでもか!これでもか!とねちねちと描いているのがエロいです。
濡れ場は何でもありの濃厚なプレイの連続で。まさに官能小説。

そして濡れ場だけではなく、心理描写も濃厚です。
気持ちが擦れ違ったまま身体を重ねていく由宇と匠の葛藤が
読み応えがあり、「そのままの君が好き」というラ続きストが最高です!

5

主人公の叫びがかき消されるとき

近年のアカデミックの潮流のひとつに「クィア理論」というのがあります。端的にいえば、レズビアン・ゲイスタディーズから派生した異性愛だろうがなんだろうがみんな「クィア(オカマ・変態を意味するスラング)」なんだからそこから何を問えるのかを考えるもの、と言っていいでしょう(気になる人はジュディス・バトラー『ジェンダー・トラブル』をどうぞ)。
で、この作品とどのようにリンクするのか?
それは、主人公の意識のあちこちにある「自分」という存在への違和感。
コンプレックスという言葉で片付けるにはあまりにも生ぬるい徹底振りには正直感心しました。

同時に崎谷さんに高評価を抱いているのは、よく「学園祭の見世物」のような場所におかれやすい女装ものをあえて引き剥がしてみた、とあとがきであっけらかんというその姿勢。普通の作家ならば「女装」というものを一種のジャーゴン(隠語・萌え属性の言い換え語)としか見ないのに、崎谷さんはそれを否定しどこまでも「倒錯」スレスレで描いていこうとしてきます(由宇にとっては崎谷さんの女装観のほうがボーイズラブであっても生き延びることができる唯一の選択と思えるし、それ以外の方続き法は多分ないでしょうから)。

だからこそ、この作品には「萌え」という評価を下すことはできませんでした。そういう評価をしてしまうことは「主人公の叫びをかき消して」しまう暴力になると思うのです。

6

甘いけれど、残酷

正直これはすごいと思いました。
個人的には、かなり衝撃の作品です。

主人公・由宇は、自分の容姿や体格、個性までも自信が持てない高校生。
憧れの男性である義理の叔父・匠にふさわしい相手になる為に、無意識に選んだ方法は「女装」だった。
女性になりたい衝動が抑えられず、ついに匠に打ち明けてしまう。
それが二人の歪んだ愛情の始まりになってしまう。
由宇を溺愛する匠は、自分の手で由宇に女装させ官能と快楽を調教していく。

女装がハンパ無く徹底しています。
それは完璧に作り上げらる人形のような美少女。
しかし女装という手段は、由宇のコンプレックスを隠す為の道具でしかなくて、それに気付かない匠。
女性だから好きなのではなく、由宇だから好きなのだ、という重要な部分が最後まで巧みに隠されていて、読み応えがありました。

名前で呼ぶことを嫌い「お兄ちゃん」と言わせるところからも、幼い頃からの絆を壊さずにいる匠の歪んだ愛情は、その鬼畜な調教ぶりからも解ります。
やさしい微笑と穏やかな口調、だけどどこまでも羞恥を煽る残酷な言葉攻め。
泣きながら欲情する由宇をどこまでも苛めると続きころに、サディスティックがあります。
なのに愛情があると、はっきり解るところがいいです。
かなりドロドロに汚れる表現も多いですが、なぜか汚さを感じさせないのもいいです。

8

徹底的な女装調教物語

あらすじの通りの官能小説です。

ストーリーは、地味でおどおどしていてぜんそく持ちの少年が義理の叔父に女装願望(女装というよりは女性化願望でしょうか)を打ち明け、その叔父に調教されて……というもの。

特筆すべきは女装の徹底さでしょう。
「つるつるすべすべ」の二次元じゃないんです。リアルです。
幸い、主人公が細身で、毛深くもないので和らいでいますが。
女装するからこそ出る男性性というのでしょうか。それが表されているのは評価したい。
文章力があるので、かなりエグい描写も読めます。
文章のリアルさに幻想的なこのイラストは、好き嫌いが分かれるかもしれませんが、私は好きです。
むしろ中途半端なイラストを挿れると文章が和らいでしまうと思うのですよ。

個人的に(攻と受が同等の立場でいて欲しいと思う性質なので)キャラクターが苦手でした。
受は19歳のわりに精神的に幼い。言いたいことがはっきり言えない。攻にかなり依存している。
攻は受の義理の叔父で、10歳程度年上。長身美形でやさしくて女の子にモッテモテ。それがなぜか隠れ鬼畜で、依存している受をやさしい口調で甚振る――ただ続きのド変態です。

8

匿名さん

いっ、いいですね。私の好みかも(^_^;)
最近なぜだか、受けが女装させられる設定にはまってるので、読んでみたいと思いました。
それに、 叔父×甥ってカップリング自体もなかなか○……
ちなみに、義理ってのがあるのとないのでは全然違いますね!
血が繋がっているとダメなんですが、義理だと好きなんです。

唐突に己の萌えを吐き出させていただきました(笑)

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