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表題作便利屋には愛がある

便利屋/大河原悠一郎・33歳
無職/巽肇(ハジメ)/19歳

あらすじ

元エリートサラリーマンでバツイチの大河原悠一郎は、現在は便利屋を営んでいる。
ある日、ひょんなことからハジメと名乗る不思議な少年と同居することになった。
明るくて礼儀正しいハジメは、たちまちご近所のお婆ちゃんたちの人気者に。
そのせいで大河原たちは、行方不明の少女を捜すハメに…。
実はハジメは「見える人」だった!?人生はいつだってやり直せる!オカルトテイストラブロマンス。

作品情報

作品名
便利屋には愛がある
著者
久万谷淳 
イラスト
佐々木久美子 
媒体
小説
出版社
白泉社
レーベル
花丸文庫
発売日
ISBN
9784592875451
3

(2)

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萌々

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(2)

中立

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趣味じゃない

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レビュー数
2
得点
6
評価数
2
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

物に残っている持ち主の念のようなものを感じ取り、ある場所を探し当てたり、持ち主を当てたり。
自分の素性も明らかにしないハジメは、その素直さや無垢さは天使のようで、それでいて時折老成した顔を見せ、まるで本人こそが空から降りてきた人のようです。
しかし、不思議な能力を持っていることを覗けば、素直で可愛い、ごく普通の青年で、巻き込まれることになる心霊現象もハジメはとても怖がっていて、その能力を生かして探偵ごっこに積極的だとか、そういうところはありません。たまたまそういう能力を持っているけれど、それを駆使して事件解決する・・・ということに中心を置いた心霊探偵的展開ではないんですね。
そして、それが私的には良かったと思う。

年齢差のあるカップルですが、大人の包容力がありながらも隠せぬ戸惑いで接する大河原と、感情に素直に甘えるハジメがとっても良かったし、微笑ましくて暖かくて、二人の関係がとてもいい感じでした。
ハジメを抱き上げて背中を摩ってあげたり・・・年の差ならではのほんわかなシーンがたくさんあって、そういうのも萌えツボを突きました。

仕事や事件がご近所で起きるし、登場してくるお婆ちゃんたちや、大河原の親友・斎木(さいき)など、登場人物も魅力的で、住んでいる場所の情景が浮かんできます。
そんな中で起きる心霊現象も親子の情を絡めたもので、ごく日常的な町のイメージからも、浮いていないと思います。
そしてハジメがエクソシストのような能力を発揮するわけではなく、ごく自然に大河原と協力して解決に導くから、「見える人」と言っても、極端に現実離れしたものにはならずにちゃんと収まっているのですね。

大河原とハジメや、友人などとの会話に、気のきいたユーモアのセンスも時折感じられます。
大河原もハジメもとても魅力的でした。
ただ、大河原の友人の斎木、彼もとても面白そうな人物なのですが、物語に噛んできそうな登場の仕方をしておいて、途中から突然舞台から消えてしまったのがちょっと不自然には感じました。

これ、シリーズになってもよさそうな感じがするんですよねー。
大河原とハジメの話をもっと読んでみたいし、そして、この二人、実は最後までいってない!(笑)。 大河原なんて文字通りイッてさえいない。
幽霊がいたときはともかく、いなくなってからもまだ「少しずつ」なんて・・・ちょっと遠慮しすぎですよ(大河原じゃなくて作者が。) 
すぐヤる課・・・みたいなのがいいとも思いませんが、そのあたりでもう一本、書いてくれないかしら。

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どんどん新作出してほしい!

表紙では儚げな雰囲気のハジメですが、それだけじゃなくてなかなか凛々しい。しかもちょっとこのコ、不思議な力があるし。
オカルトテイストラブロマンスってなんぞそれ?と、ちょっとなめてかかったのですが、私が間違っていました。
すごく読みやすくて面白かった!
便利屋が脱サラした理由も、ハジメの過去も、ホラー話に巻き込まれちゃったりも、すべて自然な流れで丁寧に纏まっていたので、すっと入っていけましたがな。
脇キャラも魅力たっぷりで人情もの好きな私にはツボもいいとこ。鉱脈を掘り当てたような嬉しさです。

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