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表題作刹那の恋人

真島弘幸,兄の親友,家庭教師
中神琳,片想い相手の弟,高校生

その他の収録作品

  • 土曜日の恋人
  • 夏休みの恋人
  • あとがき

あらすじ

綺麗な容姿と人を寄せつけない雰囲気をもつ高校生の中神琳は、家庭教師の真島弘幸に密かに恋心を抱いている。
だが真島の想い人は、優しい性格で誰からも好かれる兄の亨。
想いを悟られぬよう、真島と必要以上に親しくなるのを避けていた琳だったが、ある夜、泥酔した真島に抱かれてしまう。
翌朝、うろたえる真島に兄が好きなら、これからも自分を代わりに抱けばいいと持ちかける。
身代わりでも構わない―それなのにともに過ごすほど、苦しさは増し…。

作品情報

作品名
刹那の恋人
著者
可南さらさ 
イラスト
高嶋上総 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
発売日
ISBN
9784344812031
3.7

(17)

(3)

萌々

(8)

(5)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
63
評価数
17
平均
3.7 / 5
神率
17.6%

レビュー投稿数3

デレのないツンデレちゃんがデレるまで

琳は兄の親友で家庭教師を頼んでいる真島に片想いしている高校生。
告白して嫌われたり関係が壊れることを恐れるだけでなく、真島が密かに兄を思っていることを知っているから余計口には出せない切ない気持ちを抱えています。
優しく綺麗で華やかな兄にかなわないけれど、真島の気持ちに気づかない今なら少しの間側に居られるかもしれないと、酔わせて兄と勘違いさせて抱かれてしまうのです。
幼い行為ですが一生懸命なところが憎めないです。

翌朝あっけにとられる真島に、フラれたばかりで寂しいから背格好の似ている真島に代わりに慰めてほしい、そして真島は兄を思って自分を抱けばいいと言います。

あっけらかんと何でもないことのように軽い感じで言うことろが無理しているみたいで痛々しいです。
つんつんして憎まれ口をきくところも二言めには身代わりを口にするところも心の中で泣いたり笑ったりしている感情を隠しているのが丸わかりなんです。
誘い受け?ようなシチュエーションですが、実際は叶わない恋心が今だけ体だけでも叶うと思うと、刹那の恋であってもうれしくてひと時の幸せに溺れていく半面、兄の身代わりで近い将来離れることになる日を思うと揺れ動きます。

ブラコン兄に隠れての逢瀬を繰り返し終わりの日々を数えます。
そうして付き合っていくうちに真島がどんどん琳に心が傾いていきます。
後になって、傍にいてくれたら幸せだと思ったのを恋と勘違いしていた、と聞かされても兄ではなく自分を愛しているということを簡単に信じる気にはなれないと思います。

いくら言葉で説明されても、体の関係に心が引きずられているだけなんじゃないかとか、いつか兄に取られてしまうんじゃないかという考えをすぐになくすことができないと思います。

だから、琳が真島からの告白を拒絶したり信じられずに逃げ出す気持ちがよくわかりました。
そんなぐるぐるでネガティブな思いでいっぱいの追いかけっこの後半が飽きることなく見守れました。

きっとこれからも、やっぱり兄の方がいいんじゃないかとか、いつか返すことになるなんてことでぐじゃぐじゃする日もあるんじゃないかなと想像できます。
これからずっとそばにいてお前が一番だってことをわからせていくしかないですね。

1

両方からの視点がGOOD

テーマは切ない片思い。互いに「好きな人の身代わり」で抱き合う関係の二人が…という話です。実は片方にとっては身代わりでないというのも切なくて、私には好みの作品でした。

真島(攻)と琳(受)で、視点が入れ替わりながらストーリーが進むのですが、その切り替わりがすごく良かったです。片方からだけだと、真島が亨から琳に惹かれていく過程や、琳が真島の気持ちを受け入れない気持ちが分かりづらかったと思います。

始めは、真島に亨の身代わり扱いだった琳が、後半には、真島に架空の好きな人の身代わりだという思いをさせてしまうことになるという立場の逆転も面白かったです。

真島の視点で「やっちまった」からスタートするのもインパクトがありましたし、後日談の「土曜日の恋人」「夏休みの恋人」で甘い二人も堪能できました。ただ、亨視点のショートがあっても楽しかったのではと思いました。

1

くどかった

全体的にくどくて、読むのに疲れました。
受けの思考回路がさっぱり理解できなかった。
切なさと苦しさがせつせつと綴られてるんだけど、ちっとも伝わってこなかったです。

受けは、兄の友人(攻め)に恋している。攻めは兄に恋している。
攻めはある日、兄と間違えて、酔った勢いで、弟の受けを抱いてしまう。
『これからも身代わりで抱けばいい、おれもあなたを好きな人だと思うし、お互いさま』みたいな取り引きをして、身体の関係を続けることになる。
で、身体を重ねるうちに、攻めは受けを好きになります。
攻めは受けに告白して、メデタシメデタシ…とはならなかった。
なぜか受けが、『それは一時の気の迷いだ』と頑なに思い込んでるのだ。何回告白されても。
もう、気の迷いでもなんでもいいやーん、付き合えば?なんで逃げるん?恋なんてしょせん錯覚だよ?せっかく告白されてるんだから飛び込めよ~などと思ってしまって。後半ちっとも切なくなれなかったです。

4

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