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梅太郎さんのリーマンものです。梅太郎さんの作品で2番目に好きなシリーズです。セレブ攻めと不器用で一生懸命な受けが、かけがえのない存在になっていく過程が丁寧に描かれています。
恋多いけど不器用で振られているばかりの波平が片思いしているのは、朝コーヒーショップで見かける千束です。千束は、いつもそこで仮眠を取っていることから、眠り姫と呼んでいます。
ある日、ホテルに男同士で入っていく千束を見かけ、男でもイケる人かと勘違いした波平は、声を掛けるのです。事実は違ったけど、そのことがキッカケで、付きあうようになります。
でも、付き合っても冷たい千束の態度に、遊ばれているのではと不安になる波平。会えない理由はちゃんとあったのですが…。
一生懸命に千束と向き合おうとする波平が可愛かったです。片思いの時の切ない気持ちや、付き合ってからの不安が伝わってきてキュンとなりました。
対して、肉食獣のような千束に男の色気を感じて、ゾクゾクしました。「もう俺の匂いしかしない、他の男は手を出せない」のセリフに萌えました。波平が愛しくて呼ぶ、「ちび王子」も気に入っています。
当て馬の梶だけが可哀想でした。次巻で梶も運命の人に出会うのですが、幸せになってほしいです。
このシリーズはお話が丁寧で、付き合い始めから一つ一つ乗り越えて二人が本当に信頼し合えるカップルに成長していくシリーズの第1作目です。
登場人物みんなが健気で誠実でやさしくて、いい人ばかりです。
受けの波平君が、ただ健気で素直なだけの子ではなくて、実はけっこう経験豊富だったり、振られてもちゃんと立ち直る強さを持っていたり、あまり口数の多くない千束の真意をちゃんと汲み取れたり、と意外とできる子な部分を見せてくれます。仕事にしたって、ちゃんと成績を上げています。
それはやっぱり、何事にもきちんと誠実に向き合おうとするところから来るんだろうなぁ…とついつい人として存在しているかのように想像してしまうほど、キャラクターがよく作られています。それらがさりげない日常の場面などから自然とわかるように書かれているので、王道のハーレクインのような王子様&お姫様話が着地しているのでしょう。
シリーズを通して、二人がカップルとして、人として成熟していくところに読みごたえがあると感じました。初々しい二人がとてもよかったです。
主な登場人物は3人。
そのどの人も好感が持てる人でした。
この作品では特に波平の健気さが際立ってる気がします。
毎朝コーヒーショップの同じ席にすわってきっかり20分過ごすハンサムな男性を見るためだけに、早起きをして駆け込んでじっと黙って眺めてるだけ…って、まるで初恋のようじゃあありませんか!このピュアさがキュンキュンでした。
その受け様をじっと見ている友人の梶もいい奴で、台詞は少ないんですが、その視線がなんともよく彼の心を語っているのもキュン。こちらもとても切ない。
攻め様はデキる男で多忙の上、言葉もそれ程多い方ではないので、なかなか本音が分かり辛いのですが、クールな男と思いきや、野獣のように熱い所もあるのが魅力。
それが出た時には「ワ~オ!」と思わず喜んでしまいました。
ピュアな恋も、大人の恋愛も楽しめる作品だと思います。
これすごく良かったです。
もう胸がきゅ~んとなります。 (笑)
主人公の貴史は、毎朝友人の勤めるカフェに立ち寄ってから出勤するのが日課。
彼はその店で朝いつも仮眠をとっている、名前も知らないカッコいいリーマンに恋していました。
朝のその時間にだけ現れる彼に、心の中で”眠り姫”と名付け、ただ眺めるためだけにせっせと通う貴史。
貴史がゲイであることを知っている友人は、
「いーかげん誘っちまえよ。いつもみたいに」
と言うのですが、貴史は乗り気ではありません。
「・・・誘わないよ。もしうまくいってもどうせすぐ終るし」
貴史はね、どうやら報われない恋ばかりしてきたようなんですね。好きになって、自分から誘って始めても、結局どこかで軽く見られて遊ばれたり、信じてもらえなかったり。
経験ばかり増えてしまって、身体はオトナになってしまったのに、心の中ではいつも本当の恋を探してるんですね。
ずっと眺めているだけで満足だと思っていた貴史でしたが、ある晩偶然彼は、その”眠り姫”が男とホテルに入るところを目撃してしまうのです。
”眠り姫”がゲイだと分かった貴史は、『せめて一度だけでも・・・』と、わざと慣れたフリで自分から誘いをかけるのですが、彼がゲイだというのは全くのカン違いだとわかり・・・!?
この後ね、貴史は”眠り姫”と結局そのことがきっかけで付き合うようになるのですが、
貴史のね、恋する様子が本当に切ないの。
ずっと想っていた相手と付き合えるようになって、貴史は幸せをかみ締めるのですが、
”自分が慣れている”ことを悟られてしまうのが怖くて、なかなかセックスにまで進めないのです。
「俺きっとあの人相手じゃ自制きかないし、いきなりすごい反応とかして引かれたくないじゃん?」
と友人に打ち明ける貴史。
でもね、貴史は恋人に強く望まれるまま、一夜を共にしてしまうのです。
今までに感じたことのなような幸福感と、深い快感に翻弄される貴史。
自分が好きな人に愛してもらえる喜びにひたる貴史でしたが、翌朝目覚めると、もう恋人の姿はそこにはなくて・・・!?
というお話。
貴史のほうは身体の関係を持って、ますます相手のことが好きになるのに、彼の態度はどんどん冷たくなり・・・。
友人の前で、恋人と初めて夜を過ごした翌朝に貴史が見せた幸せそうな表情、恋人と会えなくなって不安なのに必死で笑顔を作ろうとする様子に、本当に胸がきゅんきゅんさせられるのです。
彼の恋は報われるのでしょうか?
ぜひ続きは買ってお読みになって下さい。 (笑)
大満足の作品です。
毎朝コーヒーショップで見かける男に、密かに淡い恋心を抱いている波平。それは、そっと見つめるだけの恋だったが、ある夜、取引先の部長に、絡まれているところを彼に助けられて…。
とにかく、中学生の初恋みたいな気持ちと、大人の身体をもてあましている波平が可愛いかった。
コーヒーショップで仮眠をとる名も知らぬ彼に、『眠り姫』なんてニックネームをこっそりつけて呼んじゃってるあたり、発想が乙女です(笑)
そして、波平の想い人、千束のクールな横顔がたまりませんっ。
『眠れる男』は、二人の想いが通じ合うまでのお話。
『明日、彼のベッドで』は、ハッピーエンドのその後のお話です。
コーヒーショップで見かけていただけの関係から、いきなり交際がスタートしてしまったため、お互いに理解が足りないというか手探り状態の恋。
千束は、大人で落ち着いていて、あまり感情を表に出さないタイプ。
同性との恋をいくつか経験してきた波平は、良くも悪くもあきらめが早いというか、悲観的な傾向があるため、千束の些細な言動で傷ついたり、ちょっぴりヤケになったりしてしまいます。二人の気持ちのすれ違いが、切なかった…。
個人的に、梅太郎先生の作品は、基本的に学生モノが好きなのですが、リーマンモノもなかなかいいなぁ~と思いました。お気に入りの一冊です。