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表題作夜叉と獅子

島津辰彦,37歳,やくざの若頭
和久秀晃,27歳,二代目彫神襲名

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

彫師の祖父の死後、跡を継いだ和久(わく)は、ヤクザの若頭・島津の刺青を手掛けることに。同時に島津から後ろ盾の申し出を受ける。しかし、密かに島津に憧れを抱いていた和久は、囲いものになるのが嫌で辞退する。そんな時、「刺青の図案に必要なデッサンがしたい」という和久の要望に、島津はなんと男とのセックスの現場を見せ付けてきた!?
動揺の中に嫉妬と欲情の兆しを見抜いた島津に、和久は巧みな手管で篭絡されていき…。

作品情報

作品名
夜叉と獅子
著者
池戸裕子 
イラスト
羽根田実 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199004643
3.5

(6)

(3)

萌々

(0)

(1)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
2
得点
19
評価数
6
平均
3.5 / 5
神率
50%

レビュー投稿数2

ヤクザといえば、入れ墨でしょう!

池戸さんといえば、お貴族さまやお医者さまというセレブなイメージがありますが。。
今回は、ダークです。ヤクザと彫師です。
しかもタイトルは「夜叉と獅子」そのまんま東映仁侠映画のタイトルになりそう・・
インテリヤクザっていうより、鶴田浩二とか高倉健ですよね。。(T_T)
もう期待しながら、ページをひらくと・・おおー彫師視点で話が進行します。。しかもこの彫師、背中フェチで、刺青フェチときて、刺青と聞いただけでずくりと背筋に喜びが走るちょっとあぶない主人公。
刺青を入れる針の感触が好きで好きで・・最後のほうは、墨を入れられるのも好きな変態君と判明しますが。。ヽ(^◇^*)/
でも和久、一途です。島津をすきになってしまい彫師としてのプライドも、何もかも捨ててもいいと言うほど好きになる分、相手にも同じだけすきになってほしいという、夜叉の一面をもっている自分に怖くなり、島津の元を去ろうとします。
自分のすべてを捨ててもいいほど愛している・・うううう、東映仁侠映画というより、大映映画ですか?
針をさす痛いシーンのはずなのに、和久の刺青に対する執着から、なんとも官能的なシーンにすりかわってちょっといたいのが苦手な方にもいけるのではないかという仕上がりです。

2

『女』の情念

刺青を彫る彫師という職業を、受けがしています。
攻めの刺青に興奮するフェチがあって、欲情描写がよくあります。
身体を繋いでヤクザの『女』になってから、男である受けから『女』要素を強く感じるようになりました。
個人的には女以上にどろどろした嫌な感じが出ていてそこが苦手でしたが、情念がつまった濃い目の話です。

ヤクザの若頭・島津辰彦(37)俺様極道攻め×二代目彫神・和久(27)気丈受け
三年振りに出てきた島津が、初代彫神が途中にしていた刺青を仕上げてくれと現れる。
10歳の時に20歳の島津にあって引きずられるように強く惹かれると同時に、違う世界の人であることを意識させられる。
途中にしていた初代の彫神の刺青をみたら、いてもたってもいられなくなってしまって。

組のオヤジの為に刺青を背負う攻めと、刺青に己の想いをこめる受け。
刺青ということが重要なものとして、出てきます。
過去に島津の彫り途中の刺青を見て興奮した事があって、その時の思い出が蘇る。
触れてはいけないもので自分とは違う世界の男であるが故に自制していたものが、抑えられなくなって。
堕ちてしまったら、想いはもう一直線で、その真っ直ぐな感情が怖い程でした。
ストイックに凛として性を排除して生きていた和久だけに、性を知って島津に更にはまってからの男への執着が恐ろしかったです。
島津の女絡みの嫉妬は女も真っ青な程に、島津の『女』は自分であると言う主張があったように思います。
最後の組のオヤジの理解振りは、逆に恥ずかしかったです。

エロ:★4 刺青フェチ的なH、立ちバックで誘い受け
総合:★3 どろどろ濃厚で、受けの情念に戦いてしまいました。極道世界どんと来い!なら、★4で。

1

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