ほら……俺の恋人になるって言えよ

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表題作君に捧ぐ恋の証

東洋平、受様の性癖に気づく遊び人のクラスメート
高橋秀、友人を好きな事をひた隠しにしている優等生

その他の収録作品

  • 恋人の資格
  • あとがき

あらすじ

高校三年の高橋秀は、同性にしか興味を持てない嗜好をひた隠しにしていた。
しかしふとしたことから『遊んでいる』同級生・東洋平に知られてしまう。思い詰める秀へ、東はあろうことか本当にゲイなのか証明してみせろと挑発し、さらには「つきあおうぜ」とまで迫ってくる。そんな東をどうしても信用できない秀は、まずはセックスフレンドからという東の要求を呑むことに。
躯だけの関係を続け、初めての快感に溺れる秀だったが、幼なじみの山岡大輔に知られてしまい――
出版社より

作品情報

作品名
君に捧ぐ恋の証
著者
楠田雅紀 
イラスト
南月ゆう 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
ISBN
9784576080901
3.5

(41)

(12)

萌々

(9)

(12)

中立

(5)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
12
得点
137
評価数
41
平均
3.5 / 5
神率
29.3%

レビュー投稿数12

ラブレターから仕切り直して。

楠田雅紀先生の文庫デビューの作品なんですね。
たまに無性に読みたくなる一冊です。


受け様は高校3年生高橋。
ゲイであることをひた隠しにしている、真面目な優等生タイプ。

攻め様はクラスメイトの東。
チャラい遊び人だったんだけど、優しい気遣いもできる男なんだよなぁ。


高橋は、東から「本当にゲイなのか、証明してみろよ」と挑発される形で触りあうのだけど、初めての快楽が気持ちがよくて嬉しくて。
「付き合おう」と言われるけれど、"付き合う"という意識が軽い感じの東を信じきれず、気持ちいいことだけをする関係に。

真面目で奥手だった高橋が、遊び慣れた東に対して臆病になるのはわかるなー。
ちょいちょいもう飛び込んじゃえよって背中を押したくもなりますけど。

そして、そんな高橋に対する東の独占欲とか執着とかがめっちゃいい( ☆∀☆)
甘いし、必死だし。

なんといっても1番の萌えきゅん所は、高橋が親友だと思ってた大介からレイプされた後、東に会いに行く場面。
どう見ても何かあったらしい高橋に対して、追い詰めないよう、めっちゃ優しく何でもない風で話しかける。
内心、嵐が吹き荒れてるはずなのにこの神対応なやり取りがきゅん。
東の嵐の内心を思うと、更に萌えましましです。

ここが好きで何度も読み返しちゃってます。

仕切り直しのラブレターも、高校生の青春だなぁってかわいくてにまにまです。


イラストは南月ゆう先生。
チャラそうでいて高橋を見る優しい表情の東にうっとりです。





1

軽い

ごく軽い高校生もの。遊び人の攻めにちょっかいをかけられて、体から始まるけどいつの間にか好きになっている、という、まとめてしまうとそれだけの内容でした。

当て馬で出てくる硬派の山岡くんとくっつけばいいのに、と思ってたんですが、レイプするだけの役でした。

何となく、遊び人攻めが本当は本気、っていう説明が後から足されて行くんだけど、やはり遊び慣れてて悪いこともしているキャラに好感を持てず。

何でこんなに評価が高いかもよく分かりません。

本編はさらっと短く、SSが3つ入ってます。
本編では本番がないので足された感じ。決してエロエロではなく、むしろ少なめですね。

1

まさに『ボーイズラブ』って単語がぴったりの良作

この話は高校3年生同士の男の子が、お互いの身体も心も好きだって気持ちに向き合う様子を等身大で感じ取る事ができる良作だった。

制服を着ていた十代の頃って外の世界をかじっているような経験値があるんじゃないかって雰囲気の同級生が妙に大人びて見えたものだった。
多分、主人公・秀(受け)の目から見た同級生・東(攻め)の第一印象ってそんな感じだったんじゃないかな、って思えてくる。

そんな遊び人に見える東に、秀自身の内心は同性が好きって本心を見透かされてしまい、身体の相性から見極めてみようって事になっていく。

秀はいざ付き合ってみて初めて気づく東の優しさ、一途さにたちまち惹かれていく。
学業よりも身体で覚えたての気持ち良さや、恋心で一杯になってしまったりする感覚も十代ならでは。
秀が信頼していた友人にレイプされたって経緯も、心に傷が残るものなんだって書かれ方ではっとさせられる。
その友人の秘めていた葛藤に流されずにキッパリと否定した上で改めて東の気持ちも受け止めていき、二人が恋人として成長していく過程がまさに『ボーイズラブ』って単語通りだった。

実を言うとこの楠田さんのデビュー作、発売日に買っておいたまま、長年積読本状態にしてしまっていたのだった。
そのおかげで、今更になって後悔する羽目になった一冊がまた出てきた。
もっと早く読んでいればその後の二人の同人誌も入手できたのに…と、せっかくの旬を逃すリスクも改めて実感した…。

1

証明シリーズ

高校生のラブっていいな~と思える作品でした。いわゆる「カラダから始まる…」タイプのお話ですが、二人とも高校生らしく悩んだり強がったり反省したりするので、クドい印象はほとんどなくて面白かったです。クールな秀才でもある秀が初めての快楽に花開いていく様子がまさに萌え!でした。こういう、素直に応援したくなるカップルは読んでいて楽しいです。

秀と山岡との顛末は今まであまり読んだことのない感じで新鮮でした。特に、決着の仕方がちゃんと男らしくて、引き摺ることもなく、私は好きでした。

こちらの情報ページで関連作品が沢山あることを知って作者さんのサイトを覗いてみたところ、「証明シリーズ」としてまとめて公開されており、その後のお話が色々と読めるようになっています。また、あとがきでも触れられていますが、文庫化に当たって秀のセリフの一人称が「ぼく」から「おれ」に変更されています。公開されているものをナナメ読みした限り、秀は元々はもっと天然っぽさが強く、隙が多くて可愛い(だけの)キャラクターだったのかな、と。個人的には文庫化された方のキャラクターが好きなので、こちらを読めて良かったです。

1

まったく入り込めなかった・・・

初読み作家さんです。

『体から始まる関係』は確かに好みではないんですが、一様にダメなわけではありません(『無理矢理』からでさえなければ)。
でも、なぜかまったくストーリーに入り込むことができませんでした。

とにかく、キャラクターに好感を持てなかったんです。2人の心情の変化も唐突で、すべてが噛み合わないままなんとか読了。読み進めるのが苦痛でした。

もともとサイト掲載のシリーズをまとめたものだそうですが、せめて1編目の内容でまるまる1冊書いてくれたらまた違ったかもしれません。2編目は、ただの付け足しかと思うくらいどうでもいいと感じましたから。

高校生同士は、描き方にもよるものの個人的な好き要素ではあるんですが、なんというかこれは私には『高校生もの』のよさが感じられませんでした。
シリアスなエピソードも組み込んだわりにあっさりしすぎ。山岡を完全に『悪役』として切って捨てたのがなんとも安易だと感じました。別に山岡に思い入れはないんですが。

それと、たぶん『萌どころ』なんでしょうが、私は秀(受)の酔った時の舌足らず口調にテンション下がりました。たぶん、ほんの一言二言ならまだよかったかも。

唯一、東の『ラブレター』は単体ではいいと思ったんですが、あまりにも唐突でこれを出すんならそこまでに東のキャラクター描写をもうちょっと何とかできなかったのか、と残念でした。

結論として、どうもこの作家さんとは合わなさそうだな~という感じです。少なくとも、他の作品を読みたいという気にはなりませんでした。

3

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