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富士見二丁目交響楽団シリーズ第2部 金のバイオリン・木のバイオリン

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表題作富士見二丁目交響楽団シリーズ第2部 金のバイオリン・木のバイオリン

天才指揮者・桐ノ院圭
バイオリニスト・守村悠季

その他の収録作品

  • ヴィナスの昏い洞窟
  • オー・ソレ・見よ(外伝)

あらすじ

悠季が超難関コンクールへの挑戦を決意する。圭の尽力で銘器「まほろば」を入手。コンクールへの準備が着々と整う中、コンクールのための伴奏者として出逢ったピアニストの三条薫子から思いがけない侮蔑の言葉をたたきつけられて…。表題作他、「ヴィナスの昏い洞窟」、外伝「オー・ソレ・見よ」収録。

作品情報

作品名
富士見二丁目交響楽団シリーズ第2部 金のバイオリン・木のバイオリン
著者
秋月こお 
イラスト
西炯子 
媒体
小説
出版社
角川書店
レーベル
角川ルビー文庫
シリーズ
寒冷前線コンダクター 富士見二丁目交響楽団シリーズ
発売日
ISBN
9784044346126
3.7

(8)

(3)

萌々

(1)

(3)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
29
評価数
8
平均
3.7 / 5
神率
37.5%

レビュー投稿数2

三条さんからの思いがけない言葉

シリーズ第2部の4冊目。通しで7冊目になります。

《出版社あらすじ》
富士見二丁目交響楽団のコンサートマスター・悠季は難関コンクールへの挑戦を決心する。彼を見守る恋人で、天才指揮者・圭の尽力で銘器「まほろば」も入手。そんな中、コンクールのための伴奏者として出逢ったピアニストの三条薫子から、思いがけない侮蔑の言葉をたたきつけられて…。(表題作)その他、圭の里帰りで家族との確執が明らかになる外伝等、オーケストラを舞台にした青年音楽家達の純愛物語3編を収録。

収録作
・ヴィナスの昏い洞窟
・金のバイオリン・木のバイオリン
・オー・ソレ・見よ(外伝)

「ヴィナスの昏い洞窟」では、悠季がバレエ団との共演打ち合わせで圭の妹:小夜子と初顔合わせします。日コン入賞を目指して福山先生のレッスンを2年ぶりに受けることにもなり、休息する暇もない悠季はヘロヘロです。心配した圭は彼に無断でサフランのバイトを辞めさせるのですが、そのことを知った悠季の怒り心頭時の行動が面白いです。また圭の方も非常に多忙であり、さらには悩み事のせいで不眠症になっているのですが、悠季は自分のことで手一杯なため適切なフォローができません。懊悩する圭が音壷でピアノを弾いているシーンは切なく印象的です。

「金のバイオリン・木のバイオリン」では、ピアニスト三条薫子さんの言葉が印象的でした。悠季の演奏を聴いて「しこしこオ○ニーやってるみたいなバイオリン」と一言。また、小田弦道さん作の悠季の弓が出来上がり、それに合わせて圭のツテで新しいバイオリンを時田さんから借りることとなり、その時田さんのツテで西大路さんに悠季自身のバイオリンを作ってもらうことにもなります。圭は東コンが始まりますが、未だ不眠症は解消されていない様子で心配です。

「オー・ソレ・見よ」は、圭視点です。クリスマス・イヴの日に成城の桐院屋敷を訪ねてから悠季とのクリスマス・デートを楽しみ、正月を成城の実家で過ごす話です。正月行事などを通して、謎に包まれている桐院家の様子が少し分かります。悠季との未来を真剣に考えている圭が良いです。茨の道を歩むことが約束されているような2人ですが、桐院家との対決は序章といったところです。後にも出てくる家政婦のハツを覚えておいて下さい。

1

まほろば

富士見二丁目交響楽団シリーズ第2部第4巻です。
悠季24歳・圭23歳交際8カ月目

『ヴィナスの昏い洞窟』
6月8日圭うなされはじめ
6月17日サフランのバイト、日コン、パ・ド・ドゥの練習で悠季疲れきる。
6月18日福山先生に日コン出場とレッスン依頼、小夜子と初顔合わせ。
6月19日圭が無断でサフランを辞めさせ、悠季激怒。圭・不眠。
6月20日圭が酔って音壺でピアノ。

『金のバイオリン・木のバイオリン』
7月7日圭、学校周りながら自分の初指揮コンサート。
7月9日時田さんより日コン参加のため「まほろば」を借りる。小田さんより弓受取(出世払い)。
7月13日西大路さんに悠季のバイオリン作成依頼。
7月14日悠季肩こり自覚。
7月17日圭東コン1次予選突破。

『オー・ソレ・見よ』
時間は遡って12月、悠季と圭が恋人になって2ヶ月目の頃の圭の話です。
12月24日圭が成城の実家へ顔だし。
圭父が悠季を調査。圭は調査された写真伊沢さんより確認。
おじいさんへ悠季のバイオリンの録音を持参。
圭、悠季と帝国ホテルでクリスマスディナー。(雰囲気に慣らせる目論見あり)小夜子が同じレストランにいることを確認。
年末 母が圭に家に戻る(=後継ぎ)よう依頼・断る。
1月1日ハツ悠季の存在を知る。
1月3日ハツより祖父と伊沢の関係について聞かされ、男に走るなんてとんでもないと説得を受ける。

ローンで買った数十万のバイオリンを使っていた悠季が、アマーティの写しですら凌駕し、欲目のないホンモノから将来性を認められ、弓と名器を使用し始めるって展開は、本当に小気味がいいというか、圭のサポートだけでなく力をつけているのがわかるのがいいですね。
そして、悠季目線では長らくスーパーマン圭として語られてきましたが圭も苦悩してるよってお話ですね。ハツさん、大旦那さまの秘密を圭にばらしていいのかよ・・・(笑)

<褥状況>
・一次予選突破祝いH。腰を高く上げた後背位のケダモノチックな卑猥感にメロメロしてしまった様子です。
・悠季童貞と自白。
・ストイックな日コン練習の合間のえっちはタガが外れるようです。

<別視点話>
・圭がうなされた経緯は「記念祝祭日には花を」(第2部5巻「サンセット・サンライズ」収録)

<主な曲>サティ「きみが欲しい」、クライスラー「愛の悲しみ」(音壺での圭のピアノ)
「ツィガーヌ」日コン用

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