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樹要さんの漫画は原作つきしか読んだことなくて、オリジナルは初めてだったのですが、すごく面白かったです。
スピンオフ作品らしく、元になった漫画の存在は知らなくて未読…ですが単品でも問題ないと思います、多分・・。
気になるのは主人公の歩がそちらの作品では攻めだったらしいことですが、
これだけ読んだ分には可愛いやんちゃ系受けにしか見えません。
受けとしてしっくりくるって、きっと攻めキャラが魅力的だからなんだろうな~と思います。
主人公の歩は親友の貴に長らく片思いしていますが、貴には好きな人がいます。
友人としてこのままの関係を続けたいと願う歩に、陸上部の憧れの先輩・沢渡に気持ちがばれ脅迫されて弄ばれます。
1話目から部室でいきなり強姦ってそんな。
こんなわかりやすい「バラされたくないなら言う事きけよ」な脅迫→凌辱
の展開、久しぶりに見た気がします。
さらさらストレートヘアで釣り目の鬼畜攻め、外見はとても好みでした。歩の表紙のような悔しさを顔に出しながら言いなりになる姿がスタンダードなんだけど凄く燃えます。
ベタベタだからって、見飽きたな~て感じでなくて、むしろこのベタさをうまく料理していて、このベタさがいいよなあと思えるお話。
強姦から始まるといってもむしろ王道のくくりだと思います。
沢渡が最初から歩が好きなのはまるわかりなんですが、歩は手頃なおもちゃにされていると思い込み、それでも貴を思って凌辱にも堪えます。
それがまた沢渡には、おもしろくない。
この二人、特に歩が沢渡に好感なんてとても持たなさそうで、ホントに結ばれるのか?て感じなんですが、ちゃんと歩が沢渡のこと好きになってくんですね。
この好きになってく心情の変化、気持ちが動いていく過程をちゃんと説得力あるようにかかれています。
たま~に凌辱系で、一体受けは攻めのどこを好きになったの?^^;て作品もあるけど、これはそんな事なく上手いお話だなぁと思いました。
最後くっついてから、強姦された記憶に怯える歩に対して、悪かったと謝り、歩が受け入れてくれるまで無理に手出ししない沢渡のフォローもよかったです。
私はこの作品と出会えてよかったと思うのは、攻め設定の人物が受けになっているところです。
こちらの作品は「セルフポートレイト」という作品のスピンオフです。私はセルフポートレイトは読んでおりません。人物関係わかるかな?と不安になりましたが、大丈夫でした。
言いたいことはたくさんあるのですが上手く文章にできそうもないので一言だけ言えるのは、本当に素晴らしい作品で何度も読みなおしたということです。
この作品には「セルフポートレイト」という前作にあたるリンク作があります。
そのリンク作が描かれたのはこの本が出る10年以上前なので、絵柄はかなり違うんですが、そちらのリンク作を読んでいた方が物語の背景は良くわかると思います(この本単独でも理解はできるとは思うんですが)。
この作品は主人公の歩がまだ高校1年生なので、「セルフポートレイト」の後それ程時間が経っていないと思われます。(絵柄が全然違うので、みんな別人みたいに見えるんですが^^;)
主人公二人のうち、私は攻め様がとても気に入りました。
なんでも器用にこなすクールな先輩で、寡黙で女子にも人気があるんだけど、受け様に対しては意地悪(笑)。
この先輩の意地悪な時の表情が、日本人形のように美しい樹さんの絵では、ほんとに背筋がゾクッとするほど怖く見える時があります。それがまたいい!(笑)
歩の立場からしたらやめてくれ~という感じなんですけど。^^;
好きな人に、好きだと伝えられない先輩の意外な不器用さとか、ふと見せる優しさがよかったです。
陸上部の先輩×後輩。
歩は友達の貴が好きなことを先輩の沢渡に知られてしまう。
そのことをバラしてほしくなくれば、また自分の退屈しのぎにと歩は無理矢理抱かれてしまう。
沢渡が鬼畜で萌えました!
煙草を吸う姿もすごくかっこよかった。この鬼畜でかっこいい先輩な攻めにハマりましたw無理矢理が多かったのはあれですが。
あとがきで知ったんですが歩は元は攻めキャラだったんですねwいやいや受けの方が合ってましたよ!笑
歩はどっちかっていうと可愛い感じですしね。でも貴相手だったら攻めですねw
陸上部所属の柏木歩は、同級生の篠原貴人に密かに想いを寄せていた。
けれど、貴人はどうやら写真部顧問の泉のことが気になっているようで、友達の座も失いたくない歩は、貴人を諦めようとしても諦められず、切ない想いを独りで押し込めていた。
そんなある日、陸上部の先輩でもあり、同じ走り高跳びをやっている沢渡に、貴人に対する歩の想いを見破られてしまう。
沢渡に押し倒され、イカされてしまったのに、「それを自分も貴人に対してしたいと思っていたのだ」と罪悪感を覚え、貴人のことだけを考える歩。そんな貴人に知られたくないという気持ちを利用され、退屈しのぎの玩具として扱われる。
冷たいかと思えば、ふに優しさを見せる沢渡に、反発を感じつつも戸惑う歩。
しかし、こんな関係を続けるわけにいかない、と思った歩が「こんな関係止める」と言った瞬間に、今まで最後の一線は越えずにいた沢渡についに犯されてしまう。
そんなことがあり、自然と沢渡を避け始めた歩だったが、以前と比べて貴人を見る目が変わっていることに気がつく。
沢渡は、歩の想いが自分にないと気がついて、ついうっかり襲っちゃったんだって考えると、ちょっとかわいらしく感じてしまいます。
もっとも、実際にこんなんことやられたら、たまったもんじゃないと思いますが。
当初、攻め的ポジションだった、歩君が受けになってしまった今回の巻ですが、前作でもちっとも手を出すどころか、最初から諦める方向で考えてたヘタレっぷりといい、今回のまるで子犬の様な素直さといい。
きっともともと受けキャラだったんだよ! と、個人的にはあっさり受け入れてしまった僕。(作者もそんなこと言ってない……)
でも、歩が「受け」であることには、そんなに違和感を感じませんでした。
きっと好きになる相手が違えば、好きの気持ちも違って、好きの形も違うんだから、それでいいんじゃない? と。
まぁ、それで受け攻めまで変わったらまずいのかもしれませんが。
実は、ワンコだった歩がかわいくて仕方無くて、沢渡先輩の想いも切なくて、いい感じの話だと思います。
端的に「好き過ぎて暴走」っていうパターンの王道だと思うんですが、そういう切なさにキュンキュンできるいい作品でした。