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表題作ヴィクトリアン・ロマンス

名門大貴族公爵家の若き当主 アーサーコルトレイン
人買いに売られた天涯孤独 勇刀

その他の収録作品

  • 公爵の秘密のお悦しみ

あらすじ

天涯孤独の勇刀は、幼い頃から英国商人の家で下男として、蔑まれ虐げられてきた。そしてとうとうある日、主によって人買いに売られてしまう。暗い船倉の檻の中、行き着く先は異国の娼館だと知らされ、必死に救いを求める勇刀。諦めかけたその時、勇刀の前に美貌の英国人貴族・アーサーが現れた!!驚く勇刀に、彼は英国から勇刀を迎えに来たと優しく抱き締めて―。19世紀末に咲く運命の恋の花。

作品情報

作品名
ヴィクトリアン・ロマンス
著者
篁釉以子 
イラスト
タカツキノボル 
媒体
小説
出版社
リーフ出版
レーベル
リーフノベルズ
発売日
ISBN
9784434071751
2.5

(2)

(0)

萌々

(0)

(1)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
4
評価数
2
平均
2.5 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

小公子は受難に甘んじる…

これは19世紀のデカダンスな英国貴族社交界に、ある日突然…
ポンッと放り込まれた哀れな小公子のお話です。
小公子とはいえ…この主人公、昨日の昨日まで日本の異人館で、
下働きをしておりました、菫色の瞳の日英ハーフの14歳です。
商家の下働きから英国侯爵家の嗣子ですから、人生はジェットコースター!
ところがこのシンデレラ的物語、甘くも無く、非っ情にビタ-なのであります。
侯爵家の使いのごとく登場したアーサーには、流されたように体を奪われるし…。
(↑あまりにあっけなくて、これでいいのかしら? …と。)
閉鎖的なヴィクトリアンな社交界は、東洋の少年にはとても厳しく..
(↑あくまでも、綺麗な日本のお人形さん扱いなのよね、やっぱり!)
頼みの綱の恋人(のはずの)アーサーは、頼みの綱には細すぎる(ww)
清純な主人公・勇刀だけでは、エスプリが足りないのやら何とやらで…
アヴァンチュールを求めて、ひとり社交界へくりだすとはまぁ(怒)
(↑BLではあまり無い展開ですわねぇ…人間的というか、俗物的というか~)
あーあぁ、これだから貴族ってヤツは! …と、
思いたくなくても実感させられる展開です(苦笑)
(↑このアーサー卿の行動パターンを見てると、ヴィクトリア朝の貴族ってのは…
  社交界の花になるのが仕事で、それ以外の時間は狩猟でも楽しんでて、
  残ったあとの時間は擬似恋愛でも楽しんでるのが、
  貴族の人生スタンスなんじゃなかろうか? って、本気で思いましたよ!)
エレガンスも裏側にチラ見えする、支配階級のちょっと高慢なエゴ…
庶民読者としては、見たくないような、でも現実にゃありがちな…
まことに夢のないストーリーではあります。
対する小侯爵・勇刀はと言いますと…これがまぁ、
全部理解した上で自分なりにケリを付けようとしているのですから、
こちらも貴族的といえば貴族的な対応なのですねぇ!
(↑いつの間に、ここまで必要以上に大人になってしまったのやら…)
とはいえ…私は、このアーサー卿を、ただの俗物オンリーとも言い切れません。
決闘でもって勇刀の名誉を守ろうとする心意気は、実に貴族的ですし(笑)
イザとなったら、素直に反省できるのも…育ちの良さゆえと思います。
このお話…良くも悪くも貴族的な部分がストレートです。
正直…勇刀には「貴族社会に染まらないでね!」と思っちゃいます。
社民読者にはあずかり知らない、ビターな世界ですが…。
さて、お楽しみのエロですが~やってくれました、ヴィクトリアンなメイド写真☆
ペチコートにクリノリン、レース満載のドレスを着せてます…男の子に。

0

健気受けの頑張りが見物

篁釉以子さんの話で、浮気をする俺様攻めと清純受けとの組み合わせは相性が悪い気がします。
浮気ネタの使い方があまり上手くなくて、攻めの駄目さ加減が途端に際立ちます。
この作品以前に出た『Crash,Crash,Crash』もそうですが、清純さに惹かれたって言うと受けじゃなくてもいいって話になって、納得出来ない感じになります。

アーサー・コルトレイン(24)俺様長髪攻め×勇刀・エイドリアン・ソールズベリー(15)清純健気受け
屋敷でこき使われているが、年に一度の誕生日にだけはめかし込んで写真を撮る。
使いを頼まれてその家に行くと、人買いに売られてしまう。
そこに伯爵の後継者探しにきたアーサーが勇刀を助けてくれて。
自分の父が偉い人だったことや、見捨てられていなかったことを知る。
アーサーに言われるまま、領地を相続する為に教育を受けるが、突然現れた後継者に皆は冷たくて。

最初は、アーサーをいい人だと思っていました。
打たれたり過酷な扱いを受けていた勇刀に二度とそんな思いはさせないと抱き締めて、勇刀の清純さに惹かれたのに。
時間がちょっと経てば、そんなこともすっかり忘れて、頼る者は攻めしかいないって四面楚歌な状況で、受けを放って一人で遊びにいってしまう。
アーサーが連れてきておきながら、びっくりな状況です。
刺激が足りないだなんて、冗談でも言っているのかと思いましたが、本当にそうで。アバンチュールを楽しみに行ってしまって。
屋敷に残された勇刀は、兄が好きな弟のヒューには苛められて、内罰的なので内にため込んで、本当は領地の中の狩猟地が欲しかっただけでアーサーにとっては遊びのようなものと、自ら悟ってしまう。
アーサーの友人で勇刀を助けてくれるはずの人もヒューの方が大事なので、勇刀の事は二の次。
一人取り残されて、それでもアーサーの為に頑張る健気な受けが、ただただ可哀想でした。
その後、帰ってきていくら正論を吐こうが、信じられるものではなかったです。
浮気をして、受けの良さがわかるという展開が苦手みたいです。
最初からするなよ、そんなに大事なら気付けよと、そんな攻めを不甲斐なく思ってしまうようです。

『公爵の秘密のお悦しみ』
勇刀の誕生日写真コレクションが1年分抜けてしまうという思いから撮影してみると、気にいったあまりに自分で撮る始末で。
調子にのって、女装姿の勇刀の写真を撮影して。
ペチコートもつけて、ドレス姿です。
このイラストが挿絵であったら、嬉しかったかも。
もちろん、いちゃエロエピソードです。

エロ:★3 初心な受けとのH、女装H
総合:★3 健気な受けはよかったのですが、アーサーの駄目具合が気にかかりました。

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