どうしよう。この人本気で俺のことが好きなんだ……

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表題作八王子姫

樋崎,受様のバイト先の見た目アキバ系社員
佐久間幸彦,姉の趣味で女装を続ける無自覚大学四年生

その他の収録作品

  • 夏宵姫
  • あとがき

あらすじ

姉に無理やり着せられたロリータ服姿を、バイト先の社員・樋崎に見られてしまった幸彦。とっさに口のきけない姉の友人・ユキを演じるが、会社では冷たい樋崎が気持ち悪いくらい優しく、ついには「君に恋をしました」と告白してきて!?  
その後もユキの正体を告げられぬまま樋崎とデートを重ねる幸彦は、彼の情熱に次第に惹かれていく。
しかし、ユキとは違い、幸彦としての自分には相変わらず冷ややかで無関心な樋崎に寂しさを感じ始めて――。
出版社より

作品情報

作品名
八王子姫
著者
海野幸 
イラスト
ユキムラ 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
ISBN
9784576080888
2.8

(26)

(1)

萌々

(8)

(6)

中立

(7)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
10
得点
62
評価数
26
平均
2.8 / 5
神率
3.8%

レビュー投稿数10

攻めの包容力

フォロワーさんのレビューで面白そうだったので。コミカルな中に切なさあり受けの内面的成長ありで感動。
ロリータ服を作り弟の幸彦に着せる千里は勿論、受け入れる幸彦も歪みに気づいてたのかな。
女装した幸彦に一目惚れする樋崎、幸彦が戸惑うのは解るけどストレートに素直な想いを伝える樋崎に心掴まれたと思う。樋崎の言葉には心を鷲掴みにされた。幸彦ではなくユキに恋する樋崎にもやもやする幸彦が切ない。バレてダメかと思ったけど幸彦じしんを見てた樋崎に感動。樋崎は幸彦をよく見てて姉との歪みからも解消する手助けしてくれて、その大きさが素敵だった。
実はSでえちの時は意地悪になるのも良かった

0

姉がいい味出してました

主人公の幸彦〔受〕は姉のストレス解消であるロリータ衣装作りで作った衣装を着せられています。
ついに姉は女装した幸彦を連れて八王子の街へと繰り出します。
この八王子っていうのがいいんですよねー、原宿でもない、渋谷でもない八王子なのがいい!!

女装姿で冷や汗モノで姉と八王子の街にいた幸彦は、よりにもよってバイト先の上司達と出会ってしまいます。
話の流れで、バイト先の社員・樋崎〔攻〕と女装姿のまま一緒に過ごす事になった幸彦。
口がきけないという事にして、手に文字を書いたり携帯で文字を打って何とかやり過ごそうとするのですが、なんと樋崎が女装姿の幸彦に惚れてしまったというのですよ!
それから何度も会う内に、樋崎はどんどん垢抜けていき、会社での無愛想っぷりが嘘みたいに優しくて、幸彦は彼が好きなのはあくまでも女装した自分なんだ…的に段々と辛くなってきます。
そしてついに自分だと告白するんですねー。

この話、メインカップルもいいんですが、姉がいい味出してます。
最初は喧嘩ばかりしている男とカップルになるんですが、この姉が実に素直じゃなくてそこが何とも言えず可愛いんですよ。
NLですが姉カップルも良かった!
メインカップルだけなら萌なんですが、姉カップルがひじゅーに気に入ったので評価を一つ上げます。

1

評価に悩む作品

とても評価に悩む作品です。
また改めて読みたいと思える一方で、
イマイチかな・・・と思ってしまうのです。

冷ためな攻が、勘違いでやさしくしてくれるなんて、
個人的には、たまらない展開です。
ただ、受の姉の存在がどうも足をひっぱります。
よくBLに登場する女性像に感じますが、男っぽく
「世間の表も裏も分かってます」みたいなキャラが
全く好きになれません。

それにしても、冷たい男性が自分にだけ
砂糖のように甘くしてくれるなんて、美味しすぎる展開です。
そこだけ目当てに読むとしても、損はないかと思いますよ。

4

なんで八王子…

女装姿を会社の先輩に見られ、あまつさえ惚れられてしまった!ときたら、どうしても某痛い作品が浮かんでくるが、この作品のいたるところにその別作品を連想させるシーンがあったから、とてもとても勿体なかった!
女装は、受の姉がストレスがたまるとミシンでフリフリの大作を作られ、着せられてしまうという、受の趣味ではない。嫌がってはいるが、姉には逆らえない弟の苦難である(笑)
受のバイト先で登場する先輩は2人いるが、この1人が攻。もう1人が受の姉と後半深く関わってくる。そのせいで、受はロリータ服のまま攻に預けられるのだが、この辺は本当に笑いが止まらなかった。
残念なのは、攻のキャラクターが今ひとつ明確に伝わってこなかったこと。アキバ系の、純朴で磨けば光るタイプかと思いきや、後半いきなりの豹変ぶりには少々ついて行けない部分があり、前でもう少し補足してほしかった。
書き下ろしは姉や幼い頃を振り返りながらの少し切ない話。
あと女装のイラストが少なくて残念。文章で細かいところまでくわしく描写してあったからよけいにイラストで見たかった(笑)

3

八王子姫って

『八王子姫』って何で? って思ってたら、そうか、そういうことでしたか。たしかにビミョーなお姫さまだな。

女装と言えば、木原さんの『美しいこと』を思い出します。
『美しいこと』は自ら女装をして、見られることを楽しんでいましたが、このお話の幸彦は、姉・千里のストレス発散の捌け口として、ロリータの女装をさせられています。
千里は小さな頃、祖父から「女が勉強などしなくてもいい」と罵られたことで、男に負けまいと突っ張っています。その反動で、レースやフリルでフリフリなロリータ服を作り、弟の幸彦に着せてストレスを発散していたんです。
それが高じて、ついにロリータ服を着せた幸彦を外へ連れ出したのです。ロリータ服が浮かない場所ならまだしも、地元の八王子に連れ出したんです。知り合い等出会わないよう願っていましたが、幸彦のバイト先の上司・恩田と樋崎に出会ってしまうのです。

職場では何事にもめんどくさそうにしていて、冷たい態度しか取らない樋崎ですが、ユキの前ではとても優しいんです。背が高くて歩く速度も早いのに、ユキに合わせゆっくり歩いてくれたり、カフェでの注文もわざわざ聞いてくれて代わりに注文してくれたり。
しばらく一緒にいたんですが、千里が迎えに来る時間になると、「君に、恋しました。僕を覚えていて」と直球勝負!

幸彦もだんだんと樋崎のことが気になって仕方がなくなって。
こうなると、女装をしていることを告白するか、ばれる前に別れるかくらいしか選択肢がないわけですよねぇ。
女装を告白したって、樋崎がユキのことを好きなら付き合える可能性はないわけだし、このままユキでいることもかなり無理があるわけだし。
『美しいこと』ででも、告白後がかなり悲惨なことになってましたもんねぇ。

千里のストレス発散のために女装をしていた幸彦ですが、実のところ、千里の陰に隠れていた部分もあったんですよ。姉のいうことを聞くことで、自分の居場所を作っていたというか。
だから、姉に恋人が出来て、自分じゃない違う人の手を取られることが怖かったと言うか、淋しくて仕方がないというか。誰か自分を見て欲しいと思っていて。
いつも『千里ちゃんの弟』と呼ばれ、出来のいい千里と比べられ、幸彦自身を見られてはいなかったんですよね。

樋崎に愛されるようになって、ようやく自分の居場所を見つけた幸彦。樋崎の手を取るのがちょっと怖くて、いつまででも千里を頼っていた幸彦が、ちょっと焦れったかったです。
そんな幸彦のことを、ちゃんと樋崎は理解しているようだから、心配はないですけど

2

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