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表題作ニューヨーク・ニューヨーク 2

ケイン・ウォーカー,27歳,ニューヨーク市警の警官
メル・フレデリクス,24歳,喫茶店のウェイター

その他の収録作品

  • New Youk 2 あれやこれや

あらすじ

結婚式の翌日、幸せの絶頂にいたメルが突然姿を消した――。僅かな手掛かりを頼りに、メルの行方を必死に追うケイン。FBI捜査官・ルナと共に、メルを監禁する犯人と対峙したケインは…!? さらに感動の最終章では、愛を全うした彼らの生涯を描く。 解説/伊藤悟
(出版社より)

作品情報

作品名
ニューヨーク・ニューヨーク 2
著者
羅川真里茂 
作画
羅川真里茂 
媒体
漫画(コミック)
出版社
白泉社
レーベル
白泉社文庫【非BL】
シリーズ
ニューヨーク・ニューヨーク
発売日
ISBN
9784592884293
4.7

(67)

(59)

萌々

(4)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
13
得点
317
評価数
67
平均
4.7 / 5
神率
88.1%

レビュー投稿数13

犯罪、差別、トラウマ、これが本当の現代社会なのかも

両親にも友達にもゲイであることを認めてもらい、二人はゲイ婚します。
ひっそりと結婚式をあげるのですが、そういうのがきっと現実なんだろうなぁ、と思うと儚くも悲しくもあります。
幸せなのも束の間、メルはまた犯罪に巻き込まれてしまいます。

アメリカなら起こるだろう猟奇殺人に巻き込まれるメル。
ハラハラドキドキしっぱなしでした。
とにかく、「死」というのが近い。
犯人の気持ち一つで「死」と背中合わせのメル。
張り詰め、研ぎ澄ます神経は「生きる」事へと執着します。
極限状態のメルも頑張りますが、メルの痕跡を追い続けるケインもまた必死です。
犯人もまたトラウマを抱えた哀れな男なのですが、やはりその残酷な殺し方は恐ろしいのです。
この殺人鬼にもどこかに救いはあるのだろうか、と考えながら読み進めてしまいました。

事件が解決した後に起こる、ケインへのゲイ・パッシング。
恐怖心から心に傷がさらに深くなってしまったメルにも、ケイン以外に救いはなく、どんなに二人で支えあっても、ニューヨークで生きることは無理だと決断するあたりは、本物のアメリカ社会を感じてしまいました。

最後に、女の子を養子にもらうストーリーですが。
私はこれが一番泣けました。
ゲイ夫婦が家族を作り、それを周りに認められた存在として堂々と生きる姿は感動ですね。
そして二人の最期の瞬間まで描かれている事で、一生を通して描かれたすごいストーリーだと思います。
この2巻、とにかく泣けます!
絶対オススメです。

9

奇跡のような

なかなか一生を通して描かれたBLは少ない上、雰囲気で流すことなく「描き切った」と言える数少ない作品ではないでしょうか。

特筆したいのは、猟奇事件の解決をもって物語の終わりとならないところです。その後の彼らの生活もきちんと書いてあり、家族をはじめコミュニティと共存していく部分も入っています。
そして、彼らの周りの人たちのことも。けしてゲイカップルの愛だけが素晴らしいのではなく、周囲の人たちもそれぞれの方法で人を愛し、共に生きる方法を自分なりに見つけ、行っているだけだという部分。それは誰しも変わらないことなんじゃないかと言われているようでした。

胸に迫るものが多く、涙なくしては読めません。
彼らは運命の出会いを果たしたかも知れませんが、その後の愛は互いに努力して築き上げたものです。その努力の一つ一つがかけがえのないものだと思います。

彼ら二人のお互いを見つめる表情が素晴らしい。
名作だと思います。

8

覚悟ができたら読むべき大作その2

文庫本の2巻目です。
こちらの巻は猟奇事件の話を主に展開します。
個人的に専門分野と重なる部分があったので興味深く読みました。

海外の猟奇殺人は日本の猟奇殺人より半端ない被害と内容のものが多いですが、
こちらの作品もそうした海外の猟奇殺人的な雰囲気がそのままなので、苦手な方はかなりの要注意です。トラウマにならないことを願います(^_^;)

ただ、その事件に関わる人間の心理や愛を描いているので、そこは作中ずっと貫かれており、事件の特異性や怖さを全面に押し出しているわけでは無いと思います。

ところで、結婚式の所は心が温まりました。
やっぱり愛に適度な縛りは必要なのかなぁ。絆という字は互を縛り合うという意味がありますが、適度に縛りあわないと絆は生まれないのかもしれません。
そいう意味で、メルはお互いに一人の人しか愛さない主義を貫いているからこそ濃い愛に結ばれた絆を手に入れることができたのでは、と思いました。メルがそこにこだわることは、生真面目すぎると笑ってはいけない気がします。
そして、式をあげて永遠の愛を誓いあうその儀式も、この二人にとっては大きな意味を持っているように感じました。

この作品は全てのキャラクターに緻密な設定が考えられています。
脇役もそれぞれに色んな背景を持っていて味わい深かったです。

そして物語は彼らの最後の最後まで書ききってあります。
ここに、とあるゲイカップルの一生がまとめられています。
彼らと共に歩みながら、様々なことに想いを馳せてくださればと思います。

6

読んで損はなし

人生の一部分を描いているのではなく「生涯」を描いていてとても考えさせられた作品。両親に自分の恋人を紹介して認めてもらうところや、最後に女の子を養子にもらって家族として幸せな2人を描いている場面は涙が出ました。

読了感はヒューマンドラマ系の映画を観終わったあとの様でした。
また何年後かに読み返したい。ただシリアス要素が多めなので「萌え」はしなかったです。神作品であるとは思いますがBLとしての萌えを求めている方にはあまりお勧めできないです。

5

ごり押しはしないけれど

本当にオススメしたいのでネタバレはしません。
というか何とまとめようか悩んでしまうため上手にレビューが書けません。何ヶ月か一度ニューヨーク・ニューヨークを読みたい波がきて、読んで、感動というか刺激を与えられて、また閉じて…を繰り返し続けてきました。何度読んでも飽きないというより、またあの二人の人生を垣間見たいと思うのです。
題材が題材ですからどこかで立ち読みできるものでもないですし、迷うならぜひ読んで頂きたいです。

3

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