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表題作ダブル・ベッド

佐伯、理工系建築設計科卒ながら設計事務所営業担当
遠藤実里、転職してきた専門学校卒三年目の設計士23

その他の収録作品

  • アイム・ホーム
  • あとがき

あらすじ

設計事務所のエリート営業マン、佐伯は志来語とも恋愛も軽くそつなくこなすタイプ。しかし新人設計士・実里との恋が彼穂変えてしまった。嫉妬もしない大人しい恋人にもどかしく、ついつい泣かせてしまいたくなって…。
切なさと幸せ、本当の恋愛をあなたに。吉田ナツ待望の初ノベル!!

作品情報

作品名
ダブル・ベッド
著者
吉田ナツ 
イラスト
海老原由里 
媒体
小説
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイノベルズ
発売日
ISBN
9784835217260
3.7

(34)

(12)

萌々

(10)

(7)

中立

(3)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
7
得点
124
評価数
34
平均
3.7 / 5
神率
35.3%

レビュー投稿数7

ハズレがないよ吉田ナツさん!

萌えか神かで迷ったんですが、「がんがん作品書いてください、完全カムバック希望」みたいな気持ちをこめて神評価にしました。
なんでこの作品、私がレビュー一番乗りなのさー!読むべし!読むべし!買うべし!買うべし!もう古本屋でしか入手できない本だけど。
吉田ナツさん、ホントにハズレがないです。
ストーリーそのものは普通なんですよ。面白いのは面白いんですが、とりたててオリジナリティのある特殊なストーリーとはいえない。でも描写が凄まじいほど上手いんです。心理描写にも情景描写にも、天性のセンスを感じます。もちろんこのあたりは合う合わないがあるだろうけど。
あとエッチな場面が素晴らしく私好みです。
セックスしてる場面もけっこう多いんだけど、ぜんぜん飽きない。濡れ場の描写が長いとすぐに飽きてきてしまう私なのに。ストーリーときちんと連動してるエッチ描写。すべてに必然性を持たせてるんですよ。ゾクゾクしました。

あらすじは、遊び人だった攻めが、軽い気持ちでエッチしたまじめな受けを本気で好きになってしまう、というもの。
こうやってあらすじだけ書くとありがちだな~。私の文章能力じゃ説明しきれねぇだよ。
お互いがお互いを大好きなのに、どうしようもないズレによって傷つき合ってしまう前半と(傷つけ合うんじゃなく傷つき合うっていうのがポイント)、今度は逆に、お互いがお互いにいい影響を与えあって信頼関係を深めていく後半。
なんかもうとにかく良かったです。

9

これが初ノベル!!!???

ナツさん、なんて恐ろしいお方…!
(ここは是非「ガラ○の仮面」的な感じでお願いします)

「ダブル・ベッド」、シンプルなタイトルの作品ですが、
それゆえ物語をガッツリ物語っていると思います!

実は私、二読しました。
一読目はつい晩酌後になってしまい、
(当日、買ってから我慢出来なくて;)
まさにホロ酔い気分でするする読みました。
が。
ちょっと時間を置いて素面で読んだら、凄くぎゅうぎゅう切ないー!!!
結末も知ってるのに、どうしてこんなに胸が締め付けられるの!?
攻め視点なのに、これほどまでに苦しい気持ちになる作品は
そうそう無いのではと思いました。
しかも佐伯(攻め)がバイで、
一夜限りの武勇伝を持っているようなヤツなのに!
だからこそ実里(受け)に夢中になり、好きになりすぎるあまり
うまくいかない恋…。
実里は実里で、憧れの存在としていた佐伯に誘われ、初めて抱かれ、
佐伯の負担にならないように自分の感情を抑えて…。
『浮気なら我慢します。本気なら諦めます』なんて言って、
こんなに健気になる必要があるのか!?と思ってしまうほどです。
それには実里の寂しい過去が関係しています。
誕生日に佐伯が「おめでとう」と言ってくれたからと
それだけで喜ぶ姿に、私は思わず涙ぐんでしまいました。

二人、お互いが好きなのにすれ違う様が絶品!!
別れを決めて、最後に佐伯は実里に謝りにマンションへ行きます。
それからがもう、もう、言葉にできない!(しろよ!レビューだろ!)
初めて感情をあふれさせる実里に、愛しさを募らせる佐伯。
誤解も解け、それぞれの想いを再確認しあった後のH、
佐伯の言葉ぜめっぽいやりとりに萌える!!
そして実里が可愛い~!!!
息が上がります。(変態?)

「アイム・ホーム」は、放浪癖のある実里の叔父さんが登場。
実里視点です。
いつかくるかもしれない別れを恐れ、
一緒に住みたいと言う佐伯に「はい」と言えず
臆病になる姿が切なかったです。
でも、以前には無かった佐伯の忍耐力と包容力に
どんどん溶かされていきます。
そしてまたHが…首筋噛むとか大好きなんですよ、私!!
甘い痛みに溺れる実里が淫らでたまらない!!

ええと、それはさておき、
寂く思った過去は無くならないけれど、
実里の気持ちが軽くなり、佐伯がずっと側にいてくれるというのが
心から嬉しく思えました。
最初は恋人に気をつかい、顔色を窺うような実里でしたが、
もう心も体もゆるして佐伯に甘える事が出来て
読後温かくなります!
きっとこの二人なら生涯添い遂げられるだろうと…。

ナツさんはコンプします。素敵すぎる。
2005年出版といったら結構前ですが、
少しもそんな風に感じさせない良作です!
是が非でも、もう、お願いしてでも皆さんに読んでいただきたい!!
長々と失礼しましたが、どうか宜しくお願い致します!
(謎の〆ですみません。ちょっと興奮気味です)



6

身勝手な遊び人×内気な世間知らず

初読みの作家さんです。
知人に勧められて読みました。
出版から少々時間がたっているのですが今まで読まずにいて惜しいことをしたと思える作品でした。

特定の恋人よりも軽い付き合いを楽しみたいと思っていた佐伯が初めて知った本気の恋。
相手は内気でコミニュケーション能力の低い純情美人 実里。

実里は幼い頃に亡くなった両親に代わり、人と接するのが苦手という叔父に育てられたため極端に内気。
誕生日を祝ってもらったことも誰かに誕生祝いを贈ったこともない。
佐伯から条件反射のように言われただけの「おめでとう、出会えてよかった」という言葉を宝物のように大切にしている実里が、ぎゅっと抱きしめてあげたいくらい可愛くて健気でいい子だと思いました。

軽い相手と遊びで楽しむことしかなかった佐伯のようなワルイオトコに引っかかって振り回されるのがかわいそうでした。
けれど初めは毛色の変わった相手と遊ぶのが面白いという気持ちで都合よく扱っているみたいだったけれど、だんだん実里のさりげない優しさや一途さに気が付いて今までいなかった自分の感情に戸惑う様子が丁寧に描かれ遊び人佐伯が誠実な恋人に変化していくところが見所でした。

実里が世間知らずで内気な性格ながら安易に流されず、迷いながらも芯が強く自立した部分が好みでした。

つい人気の高い作家さんや新しく出版された作品に目が行ってしまいがちですが、好みに合った良質な作品に出会えるとうれしくなります。

3

浮気なら我慢します。本気なら諦めます。

「結婚おめでとうございます。」という内容のメールが実里から送られてきて、実里の家の鍵は取り替えられていて中に入ることもできずに途方に暮れる佐伯。

攻めザマァな小説が読みたくて、辿り着いた本作。
はじめから不穏な展開に「何しでかしたんだ!佐伯!」と思いワクワクしながら読み進めました。

読んでみてわかったのが、佐伯それほど悪い奴じゃありません!!!!
遊び人だったのは過去の話で、実里と付き合ってからは浮気などはしておらず実里一筋でした。
しかし、今まで本気で人を好きになったことがない佐伯は実里を愛しすぎていて、今までみたいに気楽な恋愛ができておらず、実里の行動ひとつひとつにイライラしたり、嫉妬したりして自分が自分でなくなるような気がして戸惑います。だから、少し実里に意地悪したり、キツくあたってしまうことも・・・

実里は実里で佐伯にいつ捨てられても身を引けるように心の準備をしていたり、自分は価値のない人間だと思っていて、佐伯の服から香水の匂いがしたり、帰りが遅くても問いただしたり、責めたりは一切せず、佐伯の言いなりです。そんな実里をみて佐伯はさらに自分はそれほど大切にされてないのか?とイライラ。
佐伯が「俺が浮気したらどうする?」と聞いたときも、「浮気なら我慢します。本気なら諦めます。」との答えが。
そんな2人ですが、ひょんなことから佐伯が結婚すると勘違いした実里が別れを切り出し、破局します。

ここからが凄くよかったです。
今までどこか遠慮していた2人が別れてお互いの大切さに気づき、やっと本音でぶつかることができます。自信がない実里を優しく包み込む佐伯。本当にお似合いな2人でした。

後半の実里視点の物語も、今までおしとやかで冷静だった実里が取り乱す姿はとても可愛かったし、こんな感情になれた実里成長したなーと感慨深い気持ちになりました。前半で佐伯が実里にきいた「俺が浮気したらどうする?」の質問を後半でもするのですが、実里はどんな答えを出すのか。ぜひ読んでみてください。

攻めザマァというより、不器用な2人がすれ違いながら本当の愛を見つける物語でした。

0

攻めに遠慮する受け

中編2作品が収録されています。
遊び人の攻めと、ワガママを言わない受けが、恋人になったことで変わっていく様が素敵な作品でした。

表題作「ダブル・ベッド」は佐伯(攻め)視点。恋人に突然フラれるという状態で始まります。
続編「アイム・ホーム」は実里(受け)視点。家族とのしこりが解消されます。

最初は職場恋愛ですし、逢瀬より仕事重視な二人ですが、恋人を蔑ろにはしてません。会えなくて寂しいなぁとは感じていても「仕事と私どっちが大事なの!」的な話ではなく。

ベタ惚れな佐伯を、実里がすんなりと受け入れられないのがポイントな作品でした。
実里が控えめな理由が、「佐伯に期待していない」のではなく「自分にその価値があると思っていない」のが切なかったです。

遠慮がちな実里と一緒に眠るために、「ダブル・ベッドが欲しい」と願う佐伯を可愛らしく感じました。佐伯は遊び人とはいえ弄ぶのでなかったですし、実里には誠実なのも良かったです。ただ、好人物でしたが佐伯の元恋人が登場するので、苦手な方はご注意ください。

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