• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作この恋が終わるまで

編集者・巌垣修二(27)
作家・日野光春(27)

あらすじ

「光春。俺はおまえに、愛の美しさを伝えたいんだ。」かたくなに心を閉ざす新進小説家・光春。新担当編集は、その原因・修二。光春は復讐の為、自分を抱かなければ作家をやめる、と迫る。熱く激しく蕩けるからだに溺れるうち、この想いは恋だ、と気付いた修二。愛を信じない光春に「恋」の熱は届くのか?編集×作家、熱い恋の感動を約束します。

作品情報

作品名
この恋が終わるまで
著者
いとう由貴 
イラスト
海老原由里 
媒体
小説
出版社
ビブロス
レーベル
ビーボーイノベルズ
発売日
ISBN
9784835214450
3

(2)

(0)

萌々

(0)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
6
評価数
2
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

悪人になりきれない受けが切ない

2010年に木下けい子先生のイラストでプラチナ文庫で新装版が出版されています。光春が恨みを持つことになった高校時代の経緯が書かれた「初恋の人」が収録されているので、これから購入するならそちらの方が良いかもしれません。

ただ、内容の印象では、ほんわりした絵柄の木下先生より、こちらの海老原由里先生の方がイラストのイメージは合っていると私は思います。雑誌掲載時のものなのか、作者様のあとがき後にある花に囲まれた二人のイラストも素敵でした。

「この恋が終わるまで」
修二、光春の目線で進んでいきます。
高校時代、修二は友人達と賭けをし、光春を弄びます。10年後、編集者と作家として再会をした二人。作家を廃業してこれからの人生は家に閉じこもって暮らすという光春に、修二は…。

「この恋が終わるまで 番外編」
新装版では「温泉へ行こう」 として収録。(加筆編集は不明)
光春の目線。本編の切なさから打って変わって、温泉に出かけていちゃつくバカップルな二人の話です。

作家を続けて欲しければ、婚約者を裏切って自分を抱け、という状態になるので、とにかくエロがあります。ただ、強姦などの無理矢理じゃないので、痛々しさはありません。

優位な立場を利用して修二に復讐をしようとしますが、冷酷になりきれない光春が切ないです。

修二は光春に酷いことをしたのですが、そのことを反省していますし、再会してから光春を抱き始めたのも原稿が欲しいわけじゃないので、好感が持てます。

修二の婚約者・薫が登場しますが、きっぱりした良い女で、婚約破棄の原因になったにも関わらず、光春の背中を押してあげたり、修二のノロケを聞いてあげたりしていて快いです。

結果的には悪い人はいなかったなぁと思います。切ない再会ものがお好きな方にお勧めします。

3

珍しい鬼畜受け

いとう由貴さんの初期作で、得意の鬼畜攻めではなく、鬼畜受けです!
内気でお人よしだった受けが傷つけられて、誘い受け上等な鬼畜受けに。
痛々しい感じでもあるので、苦手な方はご注意。

編集者・巌垣修二(27)硬派攻め×作家・日野光春(27)根暗プチ鬼畜受け
10年前の高校生時代に同級生だった二人は、作家と編集者として再会する。
高校生の時に修二にみじめに弄ばれて裏切られて人間不信の光春は、作家を止めると宣言する。
作家を続けさせたいならば僕を抱けと挑発して誘いをかけ、関係を持つ事に。
婚約者よりも自分を優先しろと修二に命令し、つきあいを続けるのだが。

修二を傷つけていながら、本当に傷つけられているのは自分のようで見ていて痛々しいです。
昔のままの純粋な性格なので、痛めつけていながら自分も苦しいままで、復讐になっていない。
誘い受け上等で無理矢理に攻めに乗っかってやったり、言葉で責めたりと、鬼畜受けな感じです。
昔は、花が可哀想だからと押しつけられた美化委員なのに、隣のクラスの花壇の世話までしちゃうようなお人よしな心優しい子で、見た目は平凡でも心が可愛い子でした。
裏切られたのがよっぽど衝撃だったんだろうなと、いまの変貌が痛いです。
人づきあいが苦手な昔のままで、まだ好きなのに上手に言えなくて、修二を信用することもできない。
そんな不器用なところが愛しいです。
婚約者の薫をただの悪い女にせず、都合がいいと取られるかもしれないけどいい人で、女が使い捨てキャラにされていないのがよかったです。
遊び人だった昔と比べて、性格の面での男前がぐっとあがった修二がよかったです。

番外編
熱海の温泉旅行が当たって二人で行こうとしたら、修二は仕事で来れないことに。
すっかり甘ったれで、地震が起こっても心配してくれないとか、本編の良さが薄れます。
ようやく人に甘える事を覚えたということで、しょうがないのかもしれません。

珍しいタイプの受けなので、そんな受けをお探しの方にお勧めです。

エロ:★4 誘い受け、受け主導のH、激しめなH多め。
総合:★4 番外編がちょっと余計な気もしましたが、現在の攻めの性格の良さと受けの意外性がいいです。

1

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP