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表題作ツァリーヌの接吻

受様の店の新オーナーで暴力団の幹部・国東嵩充
亡き母の店の為攻様に身を許すバーテンダー・蓬生律

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  • あとがき

あらすじ

亡き母と兄の思い出が残るバー『ツァリーヌ』。
その空間を守る為、仕事を辞め店を継ぐことを決めた蓬生。
だが、葬儀後に発覚した多額の借金によって、店は人手に渡ってしまう。
打ちひしがれる蓬生の前に新たなオーナーとして現れたのは、十数年前に彼を支配し凌辱の限りを尽くした男・国東だった。
「店を手放すか、身体で支払うか、好きなほうを選べ」男は冷酷にそう告げた。
消し去りたいと強く願っていた過去が抱かれることで蘇り―。

作品情報

作品名
ツァリーヌの接吻
著者
妃川螢 
イラスト
桐カオル 
媒体
小説
出版社
笠倉出版社
レーベル
クロスノベルス
発売日
ISBN
9784773099010
3.3

(3)

(1)

萌々

(0)

(1)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
9
評価数
3
平均
3.3 / 5
神率
33.3%

レビュー投稿数2

再会は、突然ではなく計画的だった

攻・国東嵩充。暴力団の幹部。
受・蓬生律。バーテンダー。

高校時代の同級生です。
けれど懐かしんだり、切なくなったり甘かったりするような関係ではない。
思い出すだけで胸が痛くなったり、呼吸が苦しくなったり、キリキリと胃が傷むような。
加害者と被害者、あるいは捕食者と被捕食者といった関係。

生徒会活動に活発にかかわっていた蓬生。
融通の利かない頑固な風紀活動をしていたおかげで、取締まられる側の生徒からはかなり恨まれていました。
取締まられる側のリーダー的な存在が国東。

3年生のとき、反発する一部の下級生が蓬生を校舎外れの和室に連れ込み、制裁(リンチ)を加えようとします。
そこに現れたのが国東。
「俺も仲間に入れろよ」
と、その場での主導権を下級生から奪い、蓬生を強姦。
「自分が嫌われ者だって自覚くらいあるのだろう」と。

その時から蓬生は国東の「オンナ」として扱われ、それは卒業まで続きました。

大学進学予定だった蓬生は、誰にも言わずに合格した大学を蹴ってイギリスに留学。
そのまま就職してしまい、日本には決して帰ってきませんでした。
国東から逃げたのですが…母の店を継いだ兄が急死したため、思い入れのある店を続けるために、十数年ぶりに帰国しました。

そこに現れたのが、借金ごと店の権利を買い取った国東。
店を続けるためには、どうすればよいのか?
「昔のように、また抱かせればいいのか?」


再会した2人がお互いに傷つけあいながら、少しずつ自分の感情に素直になってゆくストーリーです。
蓬生の視点で物語が進みますが、読者には国東が蓬生に惚れているのはバレバレ。
国東の行動はすべては蓬生の為のものだったのですが・・・それを分かってやれというのは無理な相談かも。

だって最初がアレではねぇ…。
意地にもなるし、頑なにもなろうというものですよ(苦笑)。


店の名前「ツァリーヌ」はカクテルの名前です。
お店とカクテルの関係と逸話。
オーダーする人間と、作る者と…この関係がなんとも秀逸。
巧いです。

ハリネズミ同士が一生懸命に抱き合おうと(片方が特に熱心に)するようなお話でした。

1

不器用な攻め様が好きw

すれ違い+再会もの、妃川先生らしい作品でした。

ただ、ノンケ受けが好きな私には、もともとノンケの受け様がイギリスに逃げた後、遊び相手でも男とエッチできるようになったのがちょっと理解しづらい?
初めての相手は男(攻め様)だから?(苦笑)
再会した後、徐々に誤解が解け、受け様も素直に自分の感情を直視できるようになった。

私が一番萌えたのは攻め様の不器用さ。
受け様のことが好きなのに、いろいろ手を回したのに、あえて口には出さない、その想いが言えない。
正直、受け様があまり好みではないので、「中立」にしたかったが、そんなへたれ攻め様が好きで、「萌え」にしました。

2

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